「ささやかに見える出来事が17音に結晶するとき、その尊さに泣きたくなることがある」
毛布のなか滝の名前を言い合って (谷さやん「谷さやん句集」)
燕ひかるティッシュペーパー繰り出すとき
雲は秋だけど空っぽのスプーン
スプーンで割って深夜の桜餅
子は母のどこかに触れて銀河濃し (田口菜於 「付箋」)
嚔(くしゃみ)して笑ふ子どもと二人きり
ネーブルを剝く指先に小さな傷
神野紗季さんの言葉とともに句を味わっていた。いくつかを、こうして書きならべてみた。。
「なんでこんな大切なことを忘れていたんだろう、と切なくなる」「ささやかでいとしいものたち」「小さな傷は、言葉の中に、じいんと残る」
思い浮かんだのは庄野潤三の作品群だった。
細やかな観察眼で何でもない平穏な日常が描かれる。家族の幸せが大切に愛おしく描かれた。
裏を返せば、そうした倖せの脆さ、はかなさが浮かび上がりもするが。
取り出して読んだ文庫本は『野菜讃歌』だった。
長女を交えた「梅の実とり」。ほうれん草、小松菜、大根、白菜、さつまいも、茄子…、おいしい、おいしいと言っての「野菜讃歌」。
「うさぎの話」「うさぎのミミリ―」というほとんど似たような内容の小作品があった。
長男一家が留守になるので、飼いうさぎを預かる時の話だが、帰ってしまうと寂しさを味わう。うさぎは跳ねる。足元をくるくる回る。発見だったり、「うさぎの気持ちは、よく分からない」と言ってみたり。
「大根おろしの汁について」まで大事、大事に。
17音・31音・・・短い言葉の中に大宇宙が展開される時がありますね。
ちょっと誇張しすぎカモですが・・・
私は短歌には子供の頃、母を通して触れました。ただし、文語文法が苦手で・・・
そして、2年前からブロ友さんにお誘いを受けて川柳に・・・
これまた川柳モドキですけど楽しんでます。
長い文章を綴るより、短い文章にハッとすることがあります。
その究極が俳句や川柳や短歌かな~~
ズレた思いのコメントすみません。 ノンビリ日曜日です♪外はマイナス10度近いかな。
四国は松山の俳人の由。
俳句拝見して、ほのぼのとした方のようです。
四国松山と聞きますと正岡子規しか知らなくて。
26日のブログで
形容詞や副詞を乱用すると、「安ものの装飾品をつけた人のような感じの文章になる」。
これを拝見ドキッとしました。
確かに美麗字句は人の心を打ちません。
心しなければと思いました。
「家族が一人ふえました。うさぎです」と長男からの葉書。
長男は家の前の坂道を下りた先に住んでいるのですよね。
「足柄山からこんにちは」は長女から。楽しい家族ですね。いいですねぇ
穏やかな場面を重ね重ねの日常が描かれていますが、変わらないようにみえては実ははかない…。
かけがえのなさを実感したりもしました。
どのような読み手に手渡されるかによって、歌の価値が、評価が上がりも下がりもする…
そんなことを読んだことがあります。
言葉を削いで削いで、の短詩型文学ですね。
見逃しがちな一瞬、さりげない場面をすくい上げる眼、思い。味わっています。
「子は母のどこかに触れて」 子どもを愛おしく思い出しますし、ありますね、こうした光景。
川柳、楽しんでおられますよね。ブログで拝読させていただいてます。いいですね~。
マイナス10度は経験したことのない数値です(笑)
暖かくしてお過ごしを。
自分自身が日々を喜びをもって生きる庄野さんではありませんが、
心から出た思いは人の心に届くのですね。
なんでもなさそうな場面だったり、見逃しがちな瞬間を捉える感性は、
平素から磨いてらっしゃるのでしょうね。
「安ものの装飾品をつけた人のような…」
「言葉の過剰は芸を滅ぼす」と言われた山田稔さんの言葉と重なり、
心しなくては、でした。
お手本になるのは、おとぎ話の文体だと言われています。
〇「昔、昔、あるところに、おじいさんとおばあさんがおりました」
×「それはそれは遠い昔、昔のこと。たいへん賢いおじいさんと、
それはやさしいおばあさんがおりました」
「余計なものがほとんどない」と(笑)
「昔昔あるところに~」無駄を省いたお手本ですね。
なんだか難しそうです。
中年女が濃いお化粧でキラキラのアクセサリー、
これと同じということでしょうか?
そちらは雪でしたか?
めっきり寒さに弱くなって、ずっとずっと若い時に好んで冬の京都に旅したことがうそのようです。
最近の私の文章も、「安物の宝飾品」だなって気づかされました。
言葉を選んでいるうちに、あれでもないし、これとも違うし・・・と、だんだん飾り立てている文章ですよね、少し真剣に、文章と取り組まねばならないと思いました。
には思わず笑いが。
あ、「ぎらぎら」と読み違えてしまいました。
この女性、きっと必要以上に装っている感じを与えるのですね。
くどい、鬱陶しいと読み控えそうです。
武装解除したら、素顔の人柄がもっと魅力を増すかもしれませんよね。
著書には「思いを上手に伝えるために」という副題があります。
書くための技術より、書くにあたっての心の問題に重きを置いた、とあとがきにもあります。
電車のトラブルなど混乱が生じましたが、
小さな子がいれば雪遊びに大喜びだろうと思いました。
富士山きれいでしょうねえ。
わかりやすく、きちんと思いを伝えられるように…。
「短文は小粒でもピリリと辛い。読んでそうだし、書き手にとってもそうである」と。
あとがきに、「文は人なり、文は心である」とありました。
工夫して。楽しんでいきたいですね。