京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

帰り花

2017年11月28日 | 日々の暮らしの中で
青い空が広がり、ぽかぽかと春のような一日でした。
昨日、今日、明日あたりまで、こんな天気が続きそうです。

     返り花きらりと人を引きとゞめ    皆吉爽雨


日差しがまぶしくてたまらないのに、草むらに、南を向いて陽を浴びるタンポポの花が一つ。 小春に帰り花と出会いました。

こんな日は、背中に陽を受けて縁側でごろん。読書などして、うつらうつらを楽しんでいたいなあ、と思うのです。少しの気兼ねを感じて、しかし、陽だけはたっぷり浴びる。この後ろめたさあればこそ贅沢なのですから。

タンポポは春の花とされますから、「狂い咲き」です。ですが、狂ってるだなんて心外でしょう。花びらをやんわりと開いた状態で、この嬉しさに満ちた顔。自らの色をより輝かせています。私は春しか咲かないの!なんてだんまりを決め込まない。「暖かければ何度でも開くわ」、というふうなしなやかさ。やわらかな受容。たくましくも洒落た心もようは、自然界の神様からのプレゼントかもしれません。こんな柔軟さが欲しい。
気持ちよさそうな隣で、横になっていたいわ。


良い日でした。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
洞察力 (Rira)
2017-11-29 19:21:24
こんばんは。
kei さんの慈悲深い洞察力にいつも勇気をいただいております。
タンポポの しなやかさ やわらかさ たくましさ
見返りなど求めず ただ咲く🏵めざしたいトコロです。
暖かさに とけこみ 自然と一体♬ わたしも小春体験いたしますゎ
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帰り花 (Rei)
2017-11-29 19:36:12
小春日和の日、帰り花が・・・温かい言葉です。
初めて聞きました。
いつもいろいろないい日本語を教えて頂いています。
季語でもあるようですね。
別の意味もあるとか、遊女が再び遊郭に出る意味もあるそうです。

「掃けば散り 払えばまたも塵積る 人の心も庭の落ち葉も」
掃除が行き届かなくて、廊下の隅にほこり、
庭には桜などの落ち葉が、
半端でなく積もっていて私を悩ませています。
私の心の塵は?
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小春、Riraさん (kei)
2017-11-30 21:09:47
お返事遅くなり申し訳ありません。

ぽっかぽかな一日でした。
こんな日は何もしたくくなるようです。
要するに怠け者なんですね。
ひたすら怠惰に過ごしていたいようです。
「何ごともじわじわがよろし 季節の移ろいゆくがごとし」、と(笑)。

と思いながらぼんやりしているのがもったいなくなって、少し外歩きを楽しみました。
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庭の落ち葉、reiさん (kei)
2017-11-30 21:27:04
歩きに出て、ちょっとした気付きが楽しいです。
数日前には枇杷の花も見かけたのですが、
どこでだったか、とんと思い出せずにおります。

家の庭の落ち葉も悩みの種ではありましょうが、見えませんものね。
御無理は禁物です。
それでも、内も外も綺麗になれば気持ちもすっきりですね。
微妙なルールがある京の門掃き、です。
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