「ふらんすへ行きたしと思へども / ふらんすはあまりに遠し / …… 」
そこで、朔太郎をなぞってみた。
羽黒山へ行きたしと思へども
羽黒山はあまりに遠し
せめて図書館で本を借りて
久木綾子ワールド『禊の塔 羽黒山五重塔仄聞』の旅にいでてみん。
著者89歳でのデビュー作は『見残しの塔 周防国五重塔縁起』(2008年)。
「人は流転し、消え失せ、跡に塔が残った。塔の名を瑠璃光寺五重塔という。 ……中略…… 塔は、今日も中空にのびのびと五枚の翼を重ね、上昇の姿勢を保ちつづける。」
周防山口に塔を立てるために参集した番匠たち。彼らにかかわる人々の、交錯した運命が描かれた作品はこうして始まっている。
「谷底に這いつくばるような椎葉の明けくれは、彼の胸に高いものへの憧れを駆り立てた。」 九州の隠れ里、椎葉村の描写がやけに心に残ったものだった。久しぶりに文庫本を手にとってみたが、おそらく再読するであろうお気に入りの一冊に。
四条通の書店で、久木さんの2作目『禊の塔』があるのを見つけておいてからだいぶん経っている。文庫化を待ってはいられず、図書館で借りて読見始めている。芭蕉の歩いた細道を辿ってみたいなどと憧れたものだが、今や学生時代の夢で終わりそう。「死と再生の聖なる山」出羽三山のひとつ羽黒山。その羽黒山五重塔をこの目でと願うには、いかにも遠いのだ。
作品の冒頭部分はこうだ。
「雪は「もつ、もつ」と降りはじめ、「もっつ、もっつ」と地に落ちる。天からの下されものなのである。
庄内の言葉は奥が深い。
出羽国田川の見渡す限り広い野面に、昼から、雪がもつ、もつ、と落ちはじめた。」
二日の予定がパワーみなぎらずで、休養日は一日長引いてしまった。ひととおりの事をすませば、フリータイム。
たっぷり充電!? そう暗示にかけるには、ごろごろとお粗末な3日間だったような気もする。でも、まあこれもまたよし、ということに…。
そこで、朔太郎をなぞってみた。
羽黒山へ行きたしと思へども
羽黒山はあまりに遠し
せめて図書館で本を借りて
久木綾子ワールド『禊の塔 羽黒山五重塔仄聞』の旅にいでてみん。
著者89歳でのデビュー作は『見残しの塔 周防国五重塔縁起』(2008年)。
「人は流転し、消え失せ、跡に塔が残った。塔の名を瑠璃光寺五重塔という。 ……中略…… 塔は、今日も中空にのびのびと五枚の翼を重ね、上昇の姿勢を保ちつづける。」
周防山口に塔を立てるために参集した番匠たち。彼らにかかわる人々の、交錯した運命が描かれた作品はこうして始まっている。
「谷底に這いつくばるような椎葉の明けくれは、彼の胸に高いものへの憧れを駆り立てた。」 九州の隠れ里、椎葉村の描写がやけに心に残ったものだった。久しぶりに文庫本を手にとってみたが、おそらく再読するであろうお気に入りの一冊に。
四条通の書店で、久木さんの2作目『禊の塔』があるのを見つけておいてからだいぶん経っている。文庫化を待ってはいられず、図書館で借りて読見始めている。芭蕉の歩いた細道を辿ってみたいなどと憧れたものだが、今や学生時代の夢で終わりそう。「死と再生の聖なる山」出羽三山のひとつ羽黒山。その羽黒山五重塔をこの目でと願うには、いかにも遠いのだ。
作品の冒頭部分はこうだ。
「雪は「もつ、もつ」と降りはじめ、「もっつ、もっつ」と地に落ちる。天からの下されものなのである。
庄内の言葉は奥が深い。
出羽国田川の見渡す限り広い野面に、昼から、雪がもつ、もつ、と落ちはじめた。」
二日の予定がパワーみなぎらずで、休養日は一日長引いてしまった。ひととおりの事をすませば、フリータイム。
たっぷり充電!? そう暗示にかけるには、ごろごろとお粗末な3日間だったような気もする。でも、まあこれもまたよし、ということに…。
羽黒山、行かれたことありますか?関西からは相当に遠く感じてしまいます。
行ってみたいですけれど…。
山形県辺りでは大雨でひどい被害が出ているのを知り驚きました。
89歳のデビュー作にも驚きましたが、まだまだ意欲的に今度は羽黒山へ。
keiさんんもそちらへ気持ちが動いたり・・・。
すごい馬力、エネルギーですね。それにしては少し距離があるのでしょうか。
でもそのうち「ヨシッ!」などということになるのでしょうか。
当時話題の「見残しの塔」、その後の「禊の塔」は知りませんでした。
まして、羽黒山五重塔と聞いて・・・読んでみたいと思います。
羽黒山の五重塔はいろいろと我が思い出の塔です。
塔を前に、別世界にずいぶん長い時間佇んでいました。感無量でした。
jその帰り道にドラマがありました。
○拙ブログ「そこは新しい風の通り道」 http://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/e/0ee25fa0252cc1aeca79763aaaa5f478
○いつか拙ブログ「89歳の新人作家」を書きました。
http://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/e/a1370576927ee6dcc186209feeb754e8
会津の法用寺三重の塔もときどき行きますが、いずれも風格を感じるただならぬ塔です。 最近、また庄内地方を訪ねたいと思っています。
keiさん、東北の旅を計画して、どうぞ羽黒山を訪ねてください。
そんな馬力もエネルギーも私にはありませんが、本の世界でなら楽しめます。
ちゃんとリストアップしてある一冊、これにて「旅にいでてみん」です。
羽黒山修験道、風景や人間描写、いいなあ~ と感じます。著者のバイタリティこそ素晴らしいですね。
司馬遼太郎さんは瑠璃光寺を訪ね、その美しさを称賛されています。
白河にも仙台にも御無沙汰の親戚が、など思ってしまいました。
両ブログ、拝読させていただきました。またゆっくり拝見します。
「見残しの塔」は素晴らしい作品だと感動しました。
司馬さんの「街道をゆく 白河・会津の道、赤坂散歩」を少し読み進めています。
この本の事、マッチャンさんが触れられていましたので、手に入れました。
『街道をゆく夜話』では、秋月悌次郎について語られていますね。
立ち読みしてしまいました(「ある会津人」収)
小泉八雲と同僚だったことは、6月の講演会で聞きましたが、素晴らしい人間性に触れてありました。
とても身近な気持ちになっています。
羽黒山には中学生の遠足を引率したことがあります。(50年程前)
修行僧の姿と法螺貝の音が似合う塔だったと記憶があります。
もう一つの「湯殿山」は10年ほど前行きましたが、禁撮影もありなんと思う異様なご神体でした。
「月山」は麓から眺めただけで登ったことはありません。
羽黒山の塔の雪降ろしの様子が放映されることがあります。3メートル以上もの積雪だそうです。
お出かけになるにはちょっと遠いですね。
keiさんmだまだお若いですから「松尾芭蕉の後を辿っておいでになったら如何ですか。
「九木綾子氏」も本を求めて見たくなりました。
もっつ、もっつと雪が降り積る峠で、14歳のチトセが危うく命を落とすところから始まっていきます、「禊の塔」です。
『月山』をずっと以前に読んだのですが、作品の世界に入りにくかった記憶があります。
もう一度読んでみるのもいいかもしれません。
「見残しの塔」はかなり楽しめました。
ゆっくり楽しみながら回れる贅沢ができますでしょうか。
思い描くだけでも楽しいです。