Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ヨルダン縦断5 サルト

2008-06-01 02:14:13 | 中近東/北アフリカ
5月5日 続き

お昼過ぎにジェラシュを離れ、次はサルトの町へ向かう。
「そんな町に何しに行ったの?」とヨルダン在住のアメリカ人に言われるほど観光地としてはマイナーなところだが、ガイドブックに「オスマン朝時代のナブルス様式の家が残る町」とあったので興味をそそられたのだ。なんでも「地球の歩き方」頼りなのがちと情けないが。

地図で見るとジェラシュのすぐ近くのサルトだが、道がぐるっとまわっているらしく40分ぐらいかかって到着。
  
 
山の斜面に黄色く塗られた家々が密集し、狭い道の両脇に雑貨屋さんなど普通の店が軒を連ねる、普通の町。
 昼日中から男どもが座り込んでだべっているのもよくある光景。

おなかが空いていたのでまずは腹ごしらえ、とレストランを探すが、観光客などほとんど来ないような所なのでそれらしき所がない。店先でローストチキンを焼いている思い切りローカルな店をようやく見つけて入る。
 珍客の到来に戸惑い気味のおじさんたちだが、みんな親切。
あっちだよ、と指差された2階、というか屋根裏部屋でチキンをいただく。
 これで確か2ディナール(300円)もしなかったはず。

昼食の後は町歩き。と言っても別に名所があるようなところでもないのでお家見学。
  
上部が半円形になった、二つづつ対の窓がナブルス様式の特徴らしい。
  
  
凝った扉や窓が大好きなので、これは結構ツボにはまる。

しかし19世紀末から20世紀のはじめ頃に建てられたというこれらの建物、写真だと風情があるように見えるが、実際には手入れされていなくてぼろぼろ。きれいに改装すればおしゃれなカフェかレストランになりそうな建物も廃屋になっている。
というわけで、この町全体を世界遺産にして観光地化しようとJICAの援助が入っているそうな。なので10年もしたらこの町も観光客でいっぱいになるかもしれない。今はごく普通の町であるところが魅力なのだが。

それにしてもローマ遺跡やビザンチン教会がゴロゴロしているヨルダンで、たかだか100年ほどのこれらの建物が古くて貴重とはちょっと不思議だった。しかしアンマンなど他の町を見れば、確かにどの建物も新しいものばかり。

その理由は前述のアメリカ人の曰く「ついこの間までこの土地に人なんて住んでいなかったから。」つまりイスラエル建国まではみんなもっと作物の作りやすい、住みやすい土地に住んでいた。その土地を奪われてしまったので仕方なく砂漠の中に新しい町を作ったと言うわけ。

この地域では最も平和なヨルダンだが、ちょっと深掘りするとやはり厳しい歴史が見えてくる。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする