Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

タジキスタン周遊 8 ヒッサール要塞と国立博物館

2013-09-13 16:05:16 | 中央アジア
8月9日

昼間は暑いドゥシャンベ、少しでも涼しいうちに、と郊外のヒッサール要塞へ向かう。

ヒッサールは19世紀までブハラ汗国の都市だったところ。
今は要塞の周囲が公園のように整備されている。

 まず向かうのは16~18世紀に造られたというメドレッセ。
  
ドームや塔がきれいに修復され、中庭を囲むたくさんの小部屋はちょっとした博物館になっている。

付近から出土したものや昔の道具などを展示した素朴なものだが
 
とぼけた馬や脚の付いた木靴のようなおもしろいものもあり
 
おなじみのスザニやお茶を入れたという小袋なども興味深い。丸い太陽のような模様はタジクのスザニの特徴なのだそう。
  
古い民族衣装の絵もツボだ。

メドレッセのお向かいには要塞の門がそびえる。
 ただしこれは最近再建されたもの。
  
内部は例によって空き地で、小高い丘もあるが気温が体温ほどもある中ではとても登る気にはなれない。

冷房付きバスに感謝しつつ市内に戻り、次に向かったのは国立博物館。
 なんと日本語もあるHPはこちら 

ドゥシャンベには今年の春にできたばかりという大きな国立博物館がもう一つあるのだが、こちらの古い博物館の収蔵品が移されるわけではないという。となると新しい博物館には一体何があるのか、と不思議に思うほどここはお宝の山。
本来は写真撮影禁止の館内だが、今回は添乗員の機転で館長の許可がいただけた 

まずは古い時代から、5000年ほど前の「サラズムのプリンセス」
 
ペンジケントの近くの古代遺跡から出土した若い女性は大きな腕輪をはめ、体の周りに色とりどりのビーズが散らばっているのは服に縫い付けられていたのだろうか。身長は170cm以上あるのだそうだ。

こちらはタジキスタン南部、タフティ・サンギンから出土した紀元前後1世紀の象牙細工。
  
 ヘレニズム期バクトリアの見事な彫刻はアフガニスタンからの出土品でも見たことがある。

この博物館で最も有名なアジナ・テペから出土した7~8世紀の涅槃仏。
 
12メートルの仏像はバーミヤンの仏像が破壊されてしまった今では中央アジア最大なのだそう。
発掘時にバラバラにされたとかで、補填された部分が思ったより多い。
 
自分としてはこういうパーツの方が萌える。

ゴロゴロと並べられた石碑の一つはなんと、ムガール帝国を開いたバーブルの銘文だという。
 
サマルカンドを追われて流浪の身となった時、その行く末を思った詩が刻まれているとか。
貴重なお宝だと思うが全く何の解説もなく、ガイドさんに聞かなければわからない。
ただ後から来たインド人も写真を撮っていたからさすがにインド人には有名と見える。

そして念願のペンジケントの壁画のオリジナル。
 こちらも無造作に廊下に並べられ、床には改装作業のためのシートなど敷かれていたが、日本から来たのだから、と近くからじっくり見せていただく。

 
 

状態がいいとは言い難いが、細部の筆遣いなどにうっとり。

ペンジケント以外の壁画もほんの一部分と言えども素敵なのでこちらでどうぞ。

タジキスタン国立博物館の壁画

 
これはやっぱりエルミタージュに行かないと、と改めて思う。

古めかしい博物館だけれど、ここは行く価値があった。


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コメント (4)
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