Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

「女王陛下のお気に入り」&「バジュランギおじさんと、小さな迷子」

2019-03-03 16:57:19 | 機内食・映画・美術展
エチオピア航空の機内映画がはずれだったので、お金を出して映画館へ。

まずはオリビア・コールマンがアカデミー主演女優賞を取ったこちら。
 「女王陛下のお気に入り」 The Favourite

歴史劇は結構好きなので楽しみに観に行ったこちら、18世紀初めの宮殿のインテリアや衣装は凝っていて、そのためエンド・クレジットにもその方面のスタッフの名前がずらり。
主演3人もコールマンはもちろん、最近ちょっとグレン・クロースに似てきたレイチェル・ワイズは怪女優になりつつあるし、出目のエマ・ストーンは野心家の小娘役でぴったり。

しかし本来はブラックなコメディーであろうこの映画、最初のほうこそくすりとするが、あとは全く笑えない。
英語に「tongue in cheek」という、真顔で人をおちょくることを言う言葉があるが、それができていなくてただ下品なだけ。
音楽の趣味も悪くて、エンドクレジットに流れる曲などミスマッチにもならずに違和感があるだけ。

面白かったのはこの時代にも車椅子があったことと、ウィンストン・チャーチルやダイアナ元皇太子妃の先祖に当たるレイチェル・ワイズ扮するマールバラ公爵夫人がとんでもない猛女だった、と映画の後で知ったことぐらい。
スティーブン・フリアーズあたりが撮ればもっと面白くなっただろうに、ともったいなかった。


ハリウッド映画がはずれだったので、次はお口直しにボリウッド映画。
 「バジュランギおじさんと、小さな迷子」 Bajrangi Bhaijaan

サルマン・カーン扮する敬虔なヒンドゥー教徒のインド人が口のきけない女の子をパキスタンの故郷に送り届ける話。

当然インドとパキスタン、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の関係がテーマになっていて、カシミールがきな臭い今の情勢にぴったり。
しかし実はこの映画、2015年に作られてインドで大ヒットしたとか。

主演のサルマン・カーンは筋肉隆々の体で軽快に踊るし、この映画も自身の制作で、頭まで筋肉ではないらしい。
パキスタン人を悪者にしない描写に好感が持てるし、素人の女の子を口がきけない設定にした脚本も実にうまい。
なにより撮影が素晴らしくて、ラジャスタンの砂漠やカシミールの山々の景色が美しく、色彩までインドらしさ満点。

ちょっと長いけれど、こちらは映画の楽しさにあふれていて大満足。
インド、パキスタンの人たちもこの映画を思い出してこれ以上事態をこじらせないでくれればいいのだけれど。

それにしても迷子役の女の子、たった6歳なのにとても顔立ちが整っていて、将来はどれだけ美人になるのだろうか。


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コメント (4)
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