奈良のお寺巡りを終えて、ようやく今回の旅のメインイベント、奈良国立博物館の「第71回 正倉院展」へ。
もう暗くなり始めた午後5時過ぎ、仏像館前でtrin様と無事合流して、いざ本館へ。
するとtrin様の読み通り、日曜の夕方にはチケット売り場にも入場口にもまったく行列なし。
事前にネット購入していたオンラインチケットをスマホで見せて、これは楽だわ。
会場は本館2階の1フロア。
東京よりも会場は小さいと思うが、壁が多くていろいろと演出のあるトーハクよりも解説も最小限、お宝を360度ぐるりと見られる展示が多くて、入場者もそこそこ、みんなで譲り合って快適に見学出来て素晴らしい。
入り口でもらった資料によると今回の奈良の出品数は41件、東京の方が43件と多いのだが、目録など紙物の多かった東京よりこちらの方が厨子や棚など大きなものが多く、なんと言っても一番のお宝は
20年ぶりに全6扇がお出ましになったと言う鳥毛立女屏風!
顔と手だけが彩色された美女たちはふっくらとたおやかで、「この子は石原さとみっぽい」とか、「こっちの方がきりっとして賢そう」とか、かぶりつきでじっくり見られて、これだけでも奈良まで来た甲斐があると言うもの。
衣服の部分はかつては羽毛で覆われていたので下絵だけが見えるが、この下絵の線がまたおおらかでいい。
もう一つ奈良で面白かったのは冠残欠。聖武天皇や光明皇后が東大寺大仏完成の折にかぶった冠をちゃんと立派なハットボックスに入れていたのに、鎌倉時代に引っ張り出して壊してしまったのだそう。その残骸がきれいに並べられ、ゴマ粒のような色石がつなげられているのはトーハクで見た作業のおかげだろう。復元したらどうなるのかも見てみたいもの。
香炉や鏡など、東京にも同じような物が来ていたがこちらの展示品の方が華やかで立派。
しかも東京の入場料1700円に比べてこちらは1100円とお得だわ、と言ったら、「そりゃ道路一つ隔てた所から持ってくるのと、お江戸まで運ぶのとでは運送料だけでも大違い」とtrin様に指摘されて深く納得。
trin様持参の解説書にも助けられ、41点の見学に2時間かけて大満足。
こちらのグッズ売り場も品数豊富だったが、もう一つピンとくるものがなくて
今年の出品作だけを集めたカレンダーのみ記念に。
これにも取り上げられている象牙の物差しのデザインがすばらしくて、このグッズもたくさんあるのだが、それらのデザインはいまいちなのが残念。
博物館を出るともうとっぷりと日は暮れて、入る時には周りに大勢いた観光客もまったくいなくなり、仏像館のまわりでは鹿たちが遊んでいる。
涼しくもなっているので、夜はtrin様とお鍋などいただき
今夜の宿はJR奈良駅前のホテル日航奈良。
ホテルスタッフはさすがにきちんとしているし、部屋も広くて、これで1泊1万円もしないのだから京都に比べて奈良はお安い。
奈良の朝ごはんをうたう朝食ビュッフェがまた充実していて
特にtrin様おすすめの興福寺の粕汁がおいしい!
茶粥もあるが茶飯に奈良漬けなどを乗せてだし汁をかけるものがおいしく、柿の葉ずしもしっかりいただいた。
駅ビルで柿のお菓子を物色したらいまやすっかり影の薄くなったせんと君に見送られて奈良を離れ、
「奈良の大仏巻」なる太巻きをいただきながら京都から新幹線で帰京。
2泊3日、大充実の関西旅行であった。