10月2日
昨日はいきなりザコパネへ行ってしまったので、今日やっと本格的にクラクフの観光。
旧市街に入って、最初にやって来たのはヤギェウォ大学のコレギウム・マイウス。
14世紀創立のこの大学最古の校舎だそうで
あまり目立たない地味な入り口をくぐると
回廊で囲まれた中庭にすでに観光客がたくさん来ている。
回廊の中にチケット売り場があるのでここで英語ガイドのツアー(12ズロチ)を申し込むと、開始は11時40分からとまだ小一時間ある。
そこできれいな通路を通って裏庭に出てみると、そこは「教授の庭」と呼ばれていて
たくさん並んでいる写真はナチスドイツに逮捕された183人の教授たちの一部、収容所に送られて亡くなった教授も多かったそうで、この国ではこうした歴史から逃れることはできない。
しばらく周辺を散歩して、時間になったら中庭から2階のバルコニーへ。
こわもての警備員氏が時間ぴったりに扉を開けてくれる。
中庭を見学する人は多いが、英語ツアー参加者は我々を含めて5人だけ。
ガイド氏は「ブレードランナー」のルトガー・ハウアーにそっくり、この人がユーモアがあってなかなか面白い。
大きな入り口広間を入って、まず案内されるのは16世紀前半に作られた図書室。
現在では蔵書は他に移され、この部屋は毎月1回の教授会に使われているそうだが、部屋の周りにはこの大学出身の著名人の胸像が並び、スターはもちろんコペルニクス。
「コペルニクスは賢かったので地動説は死ぬ間際になってこっそり発表した。だからガリレオのようにひどい目に合わずに済んだ」のだそうだ。
この建物の湿って暗い1階に教室があり、2階は教授たちの住居になっていたそうで
陶製のストーブの置かれた個室に今は18世紀の家具が置かれているが、元々は修道院のように質素な生活だったのだそう。
教授や卒業生らから寄付されたお宝を集めた部屋というのもあって、ここには映画監督アンジェイ・ワイダがもらったオスカー像もあるが、ワイダ自身はここの卒業生というわけではないらしい。
この大学に1491年から1495年まで在籍したのは前出のコペルニクス。
高位聖職者のおじさんがいて裕福だったのでコペルニクスは優遇された生徒だったとか。
昔の観測機器などを集めた部屋にはアポロ11号で月に行ったニール・アームストロングのサインなんてものもある。
そして最後はAulaと呼ばれる豪華なホール。
ここは今でも重要な儀式の際に使われるそうで、壁面を飾るのはこの大学を訪れた国王などの肖像画。
最後にクラクフ市庁舎にあったという16世紀の美しい扉を見たら40分ほどでツアーは終了。ガイド氏のおかげで予想以上に面白かった。
大学見学に続いては中央広場の聖マリア教会へ。
正面から右に入った教会の向かいに切符売り場があり、入場料は10ズロチ。この教会の塔にも登れるが、ここは人気があって本日分はすでに売り切れ。
教会横の見学者入り口から入ると
壁も、星空のように塗られた天井も美しい!
聖歌隊席の上の彫刻も豪華、祭壇の一つにはヨハネ・パウロ二世のお写真も見える。
この方もヤギェウォ大学の卒業生だ。
ところでこの教会で一番の見どころは正面の祭壇ということなのだが
1489年ヴィト・ストヴォシュによって作られたと言う木彫祭壇は長期修繕中とのことで残念ながら足場と網に覆われている。
それでも一部はなんとか見られるようになっていて
中世らしいやさしい顔のマリア様がかわいい。
2か所を見学してお腹が空いたので、教会の近くで目に付いたザピエカンカ屋さんで本日のお昼。
ザピエカンカとはバゲットのようなパンにハムやチーズをのせて焼いたもの。
パンが思いのほか軽くてペロリ、リンゴと洋ナシを合わせて絞ってくれたジュースがおいしかった。
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