10月4日
クラクフ滞在も最終日。
朝一でやってきたのはクラクフ国立美術館本館。
入場料は25ズロチ(750円)。
この美術館の目玉は何と言ってもレオナルド・ダ・ヴィンチの「白貂を抱く貴婦人」。
と言うわけで館内には「レオナルドはこちら」とわかりやすい表示があり、大きな暗い部屋に貴婦人一人が照明を当てられている。
ここに入った時には他の見学者はおらず、後からイタリア人が3人来ただけなので美女を心行くまで鑑賞させていただいた。これでこそ作品を収蔵する美術館にわざわざ足を運んだ甲斐があるというもの。
ただしこの部屋だけは撮影不可、かわりに貴婦人の切り抜きをいただいたが、「貴婦人と旅行してSNSに写真をアップしてね」ということだそうだ。
ちなみにこの絵の本来の収蔵先はクラクフ旧市街北側にあるチャルトリスキ美術館。
印象的な建物なので近づいてみると改修中のため閉館の張り紙。
美術館のHPなど見てもいつから再開するのか記載がないが、本館でのレオナルドの公開は今年12月8日までとなっていたのでそろそろオープンするのではないだろうか。
本館のレオナルドと同じ2階にあるのはポーランドの工芸品。
中世から現代まで、時代ごとに展示室が並んでいて
キリスト教関係のものが多い中、ユダヤ教関係の部屋があるのがクラクフらしい。
地味だけれど、工芸品好きにはなかなか見ごたえがあって楽しい。
他は1階に武器のコレクション、3階に現代美術の部屋があるが、どこも見学者はほとんどいなくて貸切状態。
この本館も結構な大きさだが、美術館のコレクションはいくつもの別館に分かれているようで、中世美術を見損なったのは残念。
国立美術館を出たらしばらく歩いて
ヴァヴェル城を見ながらヴィスワ川を渡る。
10分ほどでやってきたのは日本美術・技術博物館マンガ。波がうねっているような独特の建物は磯崎新の設計だそうだ。
「マンガ」と言う名前から初めは「漫画博物館」かと思ったが、ここは映画監督のアンジェイ・ワイダが京都賞の賞金を全額寄付して創設した日本文化の紹介機関。
19世紀に12,000点もの日本美術を収集したフェリックス・ヤシェンスキのコレクションが主体になっていて、このヤシェンスキさんが北斎漫画からとって自ら「マンガ」と号していたのだとか。
入ると左手にはカフェがあり、右手が展示室、入場料30ズロチ。
行った時はちょうど浮世絵の展示中だったので場内が暗いが
北斎、写楽、広重などの有名どころはもちろん、相撲絵やら幽霊絵やら幅広く展示されていて、なにより解説がとても詳しくて、さすが日本文化紹介センターと感心してしまった。
浮世絵が並ぶ中央に現代美術の作品が並んでいるのもなにやらおしゃれだ。
展示の見学を終えるとちょうどお昼。なので入り口横のカフェの窓際席に座ると
正面に川向うのヴァヴェル城が見える特等席。
メニューの豚生姜焼き定食にも心惹かれつつ、ちらし寿司を頼んでみると
枝豆や黄色いズッキーニが乗っているのは意外だが、ご飯はちゃんとジャポニカ米で酢加減もちょうどいい。
ほうじ茶もちゃんとしていて、納得のランチ。
最後に別館ギャラリーのインスタレーションを覗いてみると
なるほど、現代の東京はこういうイメージよね。
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