映画ブログのすねこすりさんがあふれる愛でこの映画を語っているのに刺激されて、久しぶりに映画館に足を運んでしまった。
「リトル・ダンサー」 Billy Elliot
やって来たのは恵比寿ガーデンシネマ。
この映画館に入ったのは2度目だろうか。小さいけれど椅子がフカフカで座り心地よし。
「リトル・ダンサー」は2000年の作品。以前に見たことがあるが映画館に足を運んだ覚えはないのでおそらく機内で見たのだろう。24年も前の割に結構よく覚えているのはそれだけ印象が強かった証拠。
舞台はイギリスの炭鉱町。「フル・モンティ」とかうらぶれた炭鉱町の話は珍しくはなくて、これは階級差のあるイギリスで労働者階級を描くのに一番わかりやすいからではないだろうか。なにしろアクセント一つで出身地どころか階級までわかってしまう国、そこから抜け出すのがいかに難しいか。
主人公は12才、典型的炭鉱労働者の父からボクシングを習うことを強制されているが、ひょんなことから覗いたバレエのレッスンに興味を惹かれてこっそり習い始める。
この主人公を演じているジェイミー・ベル、ダンスの経験があるので選ばれたのだろうが、ほぼ全編出ずっぱりで踊りまくり、感情を爆発させて大活躍。
ひどく幼く見えたり、かと思うと妙に大人っぽい表情になったり、そういう年ごろなのだろう、まさに子供から大人への過渡期の一瞬。撮影中に背も伸びたのではないかと思われる節もあり、いろいろな意味でぐんぐん成長していたのだろう。
今回再見して驚いたのはこんなにダンス場面が多かったかということ。ビリーの感情が音楽に合わせてダンスで表現されるのだから、これは主人公が歌わないだけでまんまミュージカル。
監督は演劇畑の出身だそうだが、ダンス場面はカメラワークやカット割りで見事に映画の表現になっている。
役者はBBCのミステリーでよく被害者の家族(笑)など演じているお父さんをはじめ、認知症っぽいおばあちゃんもいいのだが、今回一番印象に残ったのはバレエの先生。
町でこそ中流だがぱっとしない田舎町、亭主ともおそらくうまく行っていなくて娘の将来も知れている。
教えている女の子たちもどうせものにはならないとわかっている所へ有望な男の子が転がり込んでくる。
将来のない炭鉱からなんとか抜け出させてやりたいとがんばる先生。しかしビリーが最後の挨拶に来ると過去など振り返るな、前だけ見ろ、とばかり素っ気ない対応。
大げさでない表現でこういうことをすべて伝えてしまう脚本や役者がさすがの上手さ。
20数年ぶりに見てもまったく古さを感じさせない映画、見に行ってよかった!
映画館だけでなく、恵比寿のガーデンプレイスに行ったのもすごく久しぶりで、もうお上りさん状態。
北海道のよつ葉乳業のショップなどできていて、思わずアイスクリームを持ち帰り。
ドライアイスと保冷バッグも無料で付けてくれるサービスの良さ。
今度はバターを買いに行こう。
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