ソウルからローマへは13時間のフライト。
ご飯を食べ、ひと眠りしても時間はある。
せっかく韓国の飛行機に乗っているので韓国映画を見ることにした。
そもそもハリウッド映画のラインナップが充実していなくて、韓国映画だけが選択肢豊富なのだが、それぞれの情報は少なくて制作年度もわからず、すべて英語字幕なのもつらい。
往路でまず選択したのはこちら:
「エクストリーム・ジョブ」
2019年制作の映画でイ・ビョンホンの名前が見えたので選んだのだが、イ・ビョンホンは主演ではなく、監督の名前だった。韓国はカタカナにすると同じような名前が多くて紛らわしい。
お話は半端者を集めた麻薬捜査班が大物ディーラーを捕まえようと張り込みをするのだが、成り行きからチキン屋を始めることになってしまって、そのチキンが大ヒット、警察業務よりチキン屋稼業が忙しくなってしまうというコメディー。
韓ドラを見ていれば必ず出てくるチキン、というだけでツボ。
落ちこぼれと言われているメンバーがそれぞれ実はすごい経歴だったというオチも良く、なにげに気に入っている元ミス・コリアのイ・ハニが化粧っけもなくアクションをこなしているのも気に入った。
お気楽に見られて〇。
次に見たのは時代劇。
「私は王である!」
タイトルは王となっているが、世宗大王が王子だった頃のお話。
宮廷生活が窮屈で逃げ出したところ、そっくりな顔の奴婢と入れ替わることになってしまい、庶民の実態を見てその後立派な王様になったという、ドラマでもおなじみの設定。
主演はチュ・ジフンだが、こちらにもイ・ハニがあまり大きくない役で登場。扱いが小さいな、と思ったら2013年とかなり前の映画だった。
復路では機材が古くて往路より選択肢が少なく、やっと選んだのはこちら:
「テロ、ライブ」
テレビの人気キャスターからスキャンダルでラジオDJに降格されたアナウンサーの番組に橋の爆破予告をする電話がかかってくる。これを視聴率を上げるために警察にも連絡せず、独占スクープにしようとするアナウンサーとテレビ局幹部たちの話。
ソウルの大きな橋は爆破されて死者は出るわ、ビルは爆破されて傾くわ、韓国映画の暴力描写は容赦ない。
これも2013年と古い映画で、テロの描写はどうやらアメリカの9・11にインスパイアされたよう。
アナウンサー役のハ・ジョンウはでずっぱりでほぼ電話でのやり取りに終始する。これだけで映画をもたせてしまうのだからさすが韓国の俳優さんはうまい。
緊張感が最後まで持続するが、テロの犯人や動機、ラストなどは結構むちゃくちゃ。こういうところも韓国映画らしいかも。
最後の一本は何とか最後まで見終わることができたこれ:
「担保」
韓ドラでよく悪役を演じているソン・ドンヨルというおじさんが主演、借金取りだけれど実は人情に厚くて優しいという得意の役回り。
この借金取りと子分が朝鮮系中国人で不法滞在をしている母親から借金の担保として子供を取り上げる。が母親は中国に強制送還され、おじさん二人で子供と暮らすうちに互いに心を寄せ合うという、これもよくある設定。
とは言え韓国あるあるで子役の女の子が本当にかわいくてうまい。この子が成長してハ・ジウォンになるのだが、あまりに若いのでこれも古い映画かと思ったらこれは2020年の作品。女子大生はともかく、駆け出し通訳の役に違和感がないとは、これぞ韓国美容マジックか。
ラストは甘いが、こういうお話は定石で終わるのがいいのだ。
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