Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

タジキスタン周遊 15 ランガール

2013-10-10 18:55:00 | 中央アジア
8月13日 続き

ヤン村を出てすぐに今度はヴァンと言う村がある。

この村の裏手の岩山をよじ登ると
  
4世紀に作られたという仏塔と、まわりには修行僧のための洞窟の跡が見える。


同じような景色ながら、ここも眺めが素晴らしく
  
眼下の畑がきれいだ。

 パミール川とワハーン川が合流してパンジ川になる地点を過ぎれば次の宿泊地ランガール。
ヤン村からいくらの距離でもないので午後3時半には着いてしまった。

今夜の宿はヨドゴールさんの家。
 
細長い建物の手前に家族の部屋、奥に宿泊のための部屋があり、水洗トイレも完備。
 
パミール式の大きな部屋を4人に割り当てられたので四方に一人づつおさまった。

一休みしたところでランガール村の散策へ。
  
標高2800メートル、人口2000人弱の静かな村。
 
おばあちゃんはちゃんとパミール帽をかぶり、ビーズのチョーカーをしている。

この村は昔から中国とインドの通商ルート上にあり、そのため多くの人が行きかって岩に落書きを残し、古いものは青銅器時代までさかのぼる岩刻画が6000近くも残っている、と誇らしげな碑文があるのだが
 どれがいつの時代のものやら、最近彫られたらしいキリル文字の落書きも多くてかなり残念な状態。

村の中でまたアポなし家庭訪問をさせていただくことになった。
 
伝統的な作りの室内は家具もほとんどないがとてもきれいに整えられていて、突然の来訪者を招き入れることなど考えられもしない我が家とは大違い。
しかし明治時代に日本を訪れた外国人は畳の部屋に同じような感動を得ていたことを思い出す。
  
ところでこの家の住人はおじいちゃんと赤ん坊を抱いたおばあちゃん。あとは近所の人だが、このあたりではどこでも隣人が我が家のように出入りするので誰が家族だが紛らわしい。
で赤ちゃんの両親はというと、子供を祖父母に預けてロシアに出稼ぎ中とのこと。
中央アジア最貧国のタジキスタンではよくある話で、しかも出稼ぎ先ではロシア人に暴力を振るわれることも多いとか、なんだか中国奥地の農村地帯とそっくりだ。

ランガール村にも電気は来ているが、夕食時から停電して朝まで点かなかった。


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タジキスタン周遊 14 ヤン村とビビ・ファティマ温泉

2013-10-09 18:26:11 | 中央アジア
8月13日

朝、宿の息子に案内されてヤン村を散歩。
  
村の中は風よけのためだろうか、家はもちろん、畑もすべて石塀に囲まれている。

ちょっとした広場に面した白い壁はムバラキ・ワハーニー博物館。
 ムバラキ・ワハーニーとは19世紀末の神秘主義者、天文学者、詩人だったという地元の偉人で、宿のオーナーはその子孫にあたるとか。
  
内部にはワハーニーの資料と、あとは民俗博物館のような展示物がある。
   
ワハーニーが作ったという人型の楽器の説明をするのは博物館の管理人、首が2つある楽器を弾いて見せたのはワハーニーの子孫たる宿の息子。
 初めはまじめくさっていた管理人のおじちゃん、だんだん調子が出てきてこんなポーズまで決めてくれた。

村を一回りしたら荷物は宿に置いたまま、車に乗って道をちょっと戻る。
  
村はずれの草地ではお姉さんたちが山羊の番。
  
月光仮面スタイルのお姉ちゃんを撮っていたら山羊にガン飛ばされた。

この先でパンジ川沿いの道を外れ、段々畑など見える山道をぐんぐん上がって行く。
 

やがて見えてくるのは12世紀のヤムチュン砦。
  
 崩れてはいるがまだ砦らしい壁の跡が見える。

砦の対岸の景色も素晴らしい。

ここからさらに山道を行くと白い建物が見えてくる。
 
これが今回の旅2つ目の温泉、標高3155メートルにあるビビ・ファティマ温泉。
 
入口の壁には成分表らしきものがあり、白衣を着た係員などいて温泉療養所らしい。ここの浴場は一つしかないので男女は30分づつの交代制。
  
建物は岩の間を流れる激流をまたぐ形で建てられている。到着するとちょうど女性の入浴タイムだったので早速中へ。

内部は川をまたいでいる部分が更衣室になっており、ベンチと壁に荷物掛けの釘があるだけのシンプルな造りながら清潔。地元のおばちゃんやらお姉さんたちで大にぎわい。
でここで服を脱いで、階段を10段ほど降りた先は洞窟のようになっており、10人ほどでいっぱいになる浴槽には岩肌からお湯が滝のように落ちている。
 この写真はネットから拝借したのでムサイおじさんたちが入浴しているが、実際にはきれいなタジク人のお姉さんたちも裸で入浴中

お湯は無色透明でにおいもないが肌に柔らかく、温度は40℃ほどの最適温。
滝のところではおばちゃんたちが肩や腰にお湯を当てていて、こっちの人も打たせ湯をするんだ、とうれしくなる。
滝のお湯を飲んでいる人もいるので真似してみると、これまた癖がなくとてもおいしいお湯。

さらに岩の壁には穴が一つあって、中の小石を拾うと子宝に恵まれると言われているそうな。
手を伸ばしてもまったく底には届かず、「それじゃ無理よ」と言うガイドさんがよじのぼると穴にすっぽり入ってしまった。アメリカ人と婚約中のガイドさん、これで子宝はばっちりだ。

ガラム・チャシュマの硫黄泉もよかったが、ここのお湯もすばらしく、タジキスタンの温泉にぞっこん。
本当ならこのコースでは3つの温泉に入れるはずだったが、もう一つの温泉はがけ崩れで今年は行けなくなってしまったとのこと。残念!

男性陣と交代をして、待っている間に管理人室を覗くとビスケットや缶詰と一緒にちょっとしたお土産を売っている。
 刺しゅうを施したパミール帽は平べったいのが女性用、高さがあるのが男性用。
 ワハーニー博物館でも売っていたビーズのチョーカーは上の2つをお買い上げ。

とすっかり温泉を堪能し、昼食のために宿へ戻る。
すると我々に慣れたらしい宿の孫娘が弟を引き連れて歌を歌い始めた。
 お姉ちゃんの言いなりの弟がかわいい!
 やさしいおじいちゃん、お世話になりました。


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タジキスタン周遊 13 カライ・カハカ~ヤン村

2013-10-04 17:15:42 | 中央アジア
8月12日 続き

温泉を出て、イシュカシムを通った次の観光はカライ・カハカ要塞。
  
紀元前3世紀ごろ、クシャン朝の時代に作られたという要塞はいつものごとく岩と土の塊だが、わざわざこの上に上るのは
 すぐ目の前がアフガニスタンだから。
実はこの要塞の川側には現在も国境警備のタジク軍が駐留しているとのことで、その姿は見ないように観光しなければならない。

この要塞からちょっと歩くと道路脇にマルコポーロ・シープの角を飾った塚と門が現れる。
  
  
門の中には小さな祠があり、これは預言者マホメットの義理の息子アリーがここを訪れたので聖地とされているのだそうだ。

再びパンジ川沿いに走ると対岸には珍しく車が走っている。
 ロバしか通れないと思っていた細い道、車も通るんだ!

やがて対岸の岩山の間に雪をかぶった山々が覗くようになった。
  
これぞ7000メートル峰をいくつも擁する「インド人殺し」のヒンドゥークシュ山脈。

さらに前方にはタジキスタン側の高峰が見えてきた。
 一番高い白い峰がカール・マルクス峰(6723m)、その右の黒い三角がエンゲルス峰(6507m)。
ちなみにタジキスタンで一番高い山は7495mのイスマイリ・ソモニ峰。こちらはソ連邦時代のスターリン峰、コミュニズム峰から独立後に名前を変えられたそうだが、マルクス、エンゲルスはそのままらしい。

 
日も傾いた17時半、痩せ牛を連れた村人たちと一緒に今夜の宿泊地、ヤン村に到着。
 
 この門の奥がハイダルさんの民宿。

  
中庭に面したポーチは一段高くなって絨毯が敷かれ、ここでも宿泊可能。その脇の扉内に2部屋ほどあり
  
さらにその奥の新館にも大小4部屋とシャワールーム。
  
いろいろな野菜の植わった中庭に面したトイレは水洗で、ほかに洗濯室まである。
 ポーチの奥は家族の居室で、立派な冷蔵庫の備わった台所もあり
 
一番大きな部屋はやはりラテルネンデッケ天井のパミール様式。
 
 民宿とは言え快適な宿でゆっくり休めたが、さすがに標高2700mのここまで来ると夜は寒くなった。


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タジキスタン周遊 12 ホルグのバザールとガラム・チャシュマ温泉

2013-10-03 18:15:52 | 中央アジア
8月12日

 本日も快晴。
  
ホルグの町はずれには橋があり、これを渡ればアフガニスタン。対岸はこのあたりでは一番大きな町のようで、夜もぽつぽつと明かりが見えた。

ホルグにはアフガニスタンの領事館もあり、ここで申請すればビザはわりに簡単に取れるらしい。川の両岸に住んでいるのは同族だし、探せばきっと対岸での移動や宿泊を手配できるエージェントがいるにちがいない。
わくわくしながらそんなことを話していると、タジキスタン人のガイド曰く「私も対岸に行ってみたい。でも最近カナダ人の旅行者が個人で入国し、奥まで入り込んで殺されてしまった」とか。川のこちら側から眺めている分には平和そうなんだがなあ。

町の中心にあるバザールへ。
 
ホルグは広大なゴルノ・バダフシャン州の州都なので、ごちゃごちゃしているが一応の活気はある。
   
屋根付き食品市場の中はきれいだが、辺境とあって野菜類はこれまでに比べてぐっと種類も量も少ない。
その代り作りたての乳製品を売っているおばちゃんたちが何人もいて、カイマックがおいしそうなので少し買ってみたが、暑さで味見をする前に溶けてしまった。残念。
 
お肉の搬入もこのワイルドさ。
 パミール独特のアクセサリーや手編みの靴下を売っているおばちゃんも一人だけいたが 
  
いろいろ売られている日用品はパキスタンから入ったものだろうか、ロシア語や中国語ではなかった。

離れる前に高台からホルグの町を一望。

眼下を流れる川はグント川、これもすぐにパンジ川に合流する。

 
そのパンジ川沿いを今日も走る。

ホルグを出て46キロ、次に立ち寄ったのはガラム・チャシュマ。
 
ここはタジキスタン有数の温泉保養地で、左手の塀の向こうが温泉、右手の木立の中には立派なサナトリウムが建っている。

今回このタジキスタンのツアーに参加したのも、もちろんワハーン回廊が見たかったのが一番の理由だが、この温泉がいいと聞いたのも大きかった。
なにしろ塀の向こうからのぞく大きな抽出物の下には、こんな露天温泉があるのだ。
  温泉の写真は絵葉書から

しかしこの魅惑的な露天風呂には一つ問題があって、裸で入るこちらの温泉、男女は時間ごとの入れ替え制。
で10時半に到着してみるとなんと、
 女性の入浴タイムは終わったばかりだった。え~ん 

ただ幸いにしてここには男女別の内湯もあって、こちらはいつでも入れるというので、露天は男性陣に譲って内風呂へ。
 この緑の屋根の下、こちらが女湯、反対側が男湯の入り口。
  
中に入ってみると片側にはベンチ、反対側には10人ほどが入れる大きさの浴槽があるだけというシンプルさ。
しかしお湯は薄青く白濁し、硫黄のにおいがプンプン。向こうの穴から入って下に落ちる完全かけ流しで、43、4℃と熱いので長くは入っていられないが、噂にたがわぬ素晴らしいお湯。
浴槽の底には沈殿物も少しあったが、露天の方ではこれを体に塗っていたとか。内湯の方には残念ながらそこまで溜まっていなかった。

露天も入ってみたかったが、内湯好きなのでこちらにも大満足。
後ろ髪引かれつつ、飛騨高山の温泉に入ったことがあるというイタリア人のお姉ちゃんたちと交替。

この素晴らしい温泉、外国人の入湯料は20ソモ二(約400円)だが、地元民はなんと無料とか。
ここで1週間ぐらい湯治がしたいものだが、しぶしぶ1時間ほどで引きあげた。


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神保町でスリランカ・カレー@「セイロンドロップ」

2013-10-01 12:23:25 | 食べ歩き
先日のスリランカ・フェスティバルで立ち寄った「セイロンドロップ」
昨夏から神保町にティールームを開いているのだが、今頃になってやっと行くことができた。

場所は神保町の駅から6分、水道橋からなら3分、白山通りを日大法学部の方に曲がってすぐのところ。
  
シックなダークグリーンの看板が目印だが、道に突き出していないので白山通りからは見えづらい。

 店内は二人掛けテーブルが4つに、壁際に4人掛けテーブル1つ、カウンターに4席。
白基調にちょっとダークなウッドの内装で、壁にかかる茶畑の写真以外にスリランカっぽいものはないおしゃれなティールーム。

ここで金曜と土曜だけ食べられる「スリランカプレート」が目当てでやってきた。
 
ご飯の周りに盛られているのはたっぷりのチキンカレーと器に入った冬瓜のカレー、アチャールとボルサンボル。
内容は先日のスリフェスの時と同じだが、先日はお手伝いの人、今日のはオーナー作なので見た目も味も違う。
冬瓜カレーはやはりマイルドだが、チキンカレーの方はずっとスパイスが効いている。フレッシュなスパイス、特にクローブをたっぷり使ったとのことで香りがとてもいい。唐辛子の辛さではないスパイシーさなので、こういうのは大好き。少しだけ添えられたボルサンボルはかなり辛く、「ご飯の上に乗っているのもおいしいよ」とスリランカ人オーナーはにやりとするが、これは遠慮しておいた。

 ランチには好きな紅茶がマグカップでたっぷりついてくるのもとてもうれしい。
850円のランチにデザートはつかないが、お茶のお伴にふだんならスコーンやビクトリアケーキがあるとのこと。本日は品切れでヨーグルトのみ、いつもはつくパイナップルコンポートも今日はないというのもちょっと残念だが、紅茶と一緒にゆっくりいただいた。

先日のスリフェスの影響か、土曜の昼にもかかわらずお客さんがひっきりなし、でもテーブルがちょうど埋まる程度で店内の落ち着いた雰囲気はそのまま。ちょっと神保町らしからぬ(笑)上品な雰囲気がいい。
オーナーはもっと広い2店舗目を出したい、と意欲満々だが、この雰囲気は壊さないようにがんばっていただきたい。

金土以外はスリランカプレートではないランチもあるのでこちらをチェック。
セイロンドロップのブログ
本業の紅茶葉ももちろん販売中。


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