Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

スピティ再訪 9 ラルン村

2017-10-06 01:58:05 | チベット文化圏
7月19日 続き

ダンカルから45分で本日の宿泊地、標高3700mのラルン村が見えてきた。
 岩山の麓に白い家が散らばり

川に向かって鮮やかな緑の畑が広がる。

村のはずれに車を停め、坂を少し下って村の中へ。
 
今夜の宿はおしゃれな看板のあるこちらの Khabrik Homestay。
 
入口の脇にはお菓子やらインスタント・ラーメン、ビールやウィスキーまで揃えた小さなよろず屋。
 
中に入ると美しく食器を並べた居間があって
 
ここもまた広々とした美しいお部屋。
 窓の外には畑の向こうに山がそびえる。

しばらく部屋で休んでいると男性陣も到着したので、みんなでこの村のお寺を見学へ。
村の中の小道を登って行くのだが、標高が高いので急坂を上がるのは結構きつい。
 やがて見えてくる黄色い屋根が村の一番高い所に建つセルカン・ゴンパ。
壁や屋根はきれいにされているが、ここは小さくともリンチェンサンポが10世紀に創建したとされる由緒ある寺。

 
鍵番の若いお坊さんに扉を開けてもらって奥のお堂に入ると、小さな堂内は壁に仏様の塑像がずらりと並び、壁や天井もびっしりと装飾されて圧巻の空間。
タボと共にここもぜひまた見たいと思って来たのだが、前回は写真を撮らせてもらえたこの堂内、今回は写真撮影禁止とのつれないお言葉。せっかく今回は前よりいいカメラを持ってきたのに~(泣)。

しかし責任者ならともかく、まだ10代と思しきお坊さんでは責任が取れないし、無理を言っても仕方がない。
と言うわけでプロ・カメラマンの山本氏に美しい女神様のベストアングルなど教わって、せめて目に焼き付けることに専念する。
ちなみに13年前に撮った堂内の様子はこちら
この堂内についての情報はなかなかないが、壁画や塑像はタボと同じぐらい古いものではないだろうか。

ゆっくりと小さなお堂を堪能させていただいて、隣のマニ車のある部屋は写真を撮っていいと言うので一枚。


さらにもう一つのお堂に入ると、部屋いっぱいに四面四躯の大日如来様。
 
真摯にお願いすれば台座にコインが貼りつくと言うのでやってみたら、ちゃんと貼りついたよ。

 案内のお坊さんは仏像の説明もいささか怪しかったけれど、しっかり修行したまえよ。

お寺の見学を終えて村の駐車場へ戻ると、停められた一台のトラックに畑の収穫物を積み込み中。
 
下の畑からは重そうな荷物を背負わされたロバたちが次々にやって来る。

そこで村の見学、と道を下って行くと
 
暖房用だろうか、道端には薪がいっぱい。

家の周りでは子供たちが歓声を上げて遊んでいて
  
この不敵な面構えがいいではないか。

 
畑に植えられているのはエンドウ豆で、女性たちが収穫作業をしているのでそちらへ。
 
 この豆が生で食べるとすごく甘くておいしくて、お手伝いと称してさんざん口に入れてしまった。

この豆は摘み取ると大きな麻袋に入れて、口を縫い付けロバに乗せる。
  
豆をぎっしり詰め込んだ袋は重くて、我々ではとても持ち上げられないのだが
  
これを女性でも担いでしまうのだから重労働。
 でもお手伝いのおねえちゃんは明るくてかわいい。

畑で遊んでいるうちに陽も傾いてきたので、宿に帰って夕食を待つ。
 今夜はボリューム満点のモモに、野菜がいっぱいのテントゥクは平打ち麺。

居間でくつろいでいると、宿のオーナーの娘がお父さんに甘えている。
 トレッキング・ガイドもするというお父さんは夏は忙しくてなかなか家にいないらしく、ストレートな愛情表現がなんとも愛らしい。

 食後に屋上に上がってみると、天の川がくっきりと見えた。


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スピティ再訪 8 ダンカル・ゴンパ

2017-10-04 19:42:49 | チベット文化圏
7月19日

早朝、ゴンパ内で朝のお勤めをしているのではないかと覗きに出かけてみる。

 大きなチョルテンの周りには野良犬がいっぱいいて、夜はこいつらの縄張りなのであろう。

新しい集会場には誰もおらず、古いお堂のゴンカン(護法堂)ではお坊さんが一人、読経をしていたが、ここは女人禁制なのでその外でしばらく聞いていた。
すると地元の女性が一人、ドゥカンの中に入って行くので物欲しげに見ていると、連れの男性が手招きしてくれたのでありがたく中へ。

ご本尊にお供えをしているらしい夫婦を除いては他に誰もいない早朝のドゥカン、前日の昼間には派手に見えた壁の彫像が薄暗い中ではしっとりと見えて、お堂の中央に立つとまさに立体曼荼羅の中心にいると実感できてゾクゾク。お供えを済ませると扉には鍵が掛けられてしまったから、一緒に中に入らせてもらえたのは本当にラッキーだった。

ホテルに戻って、こじゃれたチベット風のレストランで朝ご飯。
 
ハニーレモン・クレープなんて、これまたこじゃれたメニューもおいしかった。

タボを出て、来た道をさらに南へ下ればキナール地方に入るが、我々はここから引き返して、1時間ほどでダンカル村へ。

緑の段々畑の向こう、崖の上に建つのが目指すダンカル・ゴンパ。
  標高3890m、12世紀に建てられたゲルク派の寺だ。

遠くから見ると近寄りがたい寺に見えるが、実は車道が上まで通じている。
 
横から見ると手前に新しいお堂を増築中なのが見える。

 
その脇を通り、階段を上って古いお堂の中へ。
 
土の階段を上がって大きな部屋に入ると、古いタンカなどが並ぶ部屋。

窓からは下を流れる川や畑が見える。

さらに上に上がると屋上に部屋が並んでいて
 
お坊さんが座っている扉の向こうはダライ・ラマがいらっしゃった時の居室。
 
台所の様なスペースの奥に岩山をくりぬいただけの瞑想部屋があったり、魔除けのヤクのはく製がぶら下がっていたり。
 
部屋の中ではお勉強中らしいお坊さんの姿も見えるが、良く見るとその手元にはスマホが置かれていたりする。

 この屋上の上にはさらに高い塔が見えるが、案内のお坊さんに聞くとこちらはもう使われていないとのこと。
しかし不思議なのは13年前に来た時には古い壁画で覆われた部屋があったのだが、今回はその部屋がどこにもなかったこと。
以前の記録では「てっぺんのお堂」とあるので、この塔の上に上がれたのだろうか。
案内のお坊さんが「そんな部屋は見たこともない」と言うのも不思議で、再見を楽しみにしていたのでがっかりしたし、狐につままれたような気分。


古いお堂を出ると、眼の前には村の家々が見え、谷の向こうに見える大きな黄色い建物は新しいお堂。

 
仏像が並ぶがいささかがらんとした建物は2009年にできた学堂。
 
その隣のこちらが現在の集会堂。

こちらにはさらにゲストハウスがあるので、
 
ここで本日もお昼はトゥクパ。

 テラスからはお向かいのゴンパがよく見え
 
眼下の村では畑仕事中の村人や、子供たちが遊んでいる姿も見えてのんびり。

男性陣はさらにゴンパを上から見下ろすポイントまで山を登って行ったが、自分ともう一人の女性はインド人ガイドと共に一足先に次の目的地へ向かうことにする。

幹線道路から東に入ると周りは荒涼たる岩山に深い谷。

人家の周りにだけわずかに緑が見え
 さらに高い所に見えるデムル村の標高は4300mだ。

車はさらに奥へ入る。


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スピティ再訪 7 タボ・ゴンパ

2017-10-03 01:30:07 | チベット文化圏
7月18日 続き

ホテルを出るとタボ・ゴンパ境内への入り口はすぐ目の前。
 
これをくぐって少し行くとまだ新しい集会堂と大きなチョルテンがある。

これを右に折れれば古いお堂への入り口があるが、その手前にあるゲストハウスでまずは昼食。
 
表のメニューにはタコスやブリトーのメキシコ料理まであるが、本当に出てくるのだろうか。
 
宿泊もできるらしいこの建物の1室で、我々は無難にトゥクパをいただく。

腹ごしらえが出来たらいよいよお堂へ。
 
きれいな板敷になった中庭の向こうにあるのがこのゴンパのメイン・アトラクションである古い集会堂、ドゥカン。
 英語を話す案内のお坊さんの後に付いて小さな入口を入る。

ここは996年にグゲの王、ゲシェ・ウーが大翻訳官リンチェン・サンポと共に建立した由緒あるお寺。
内部には10,11世紀のオリジナル壁画がびっしりと残っている、まさに夢のような所。
この素晴らしい壁画がまた見たくてスピティ再訪となったわけだが、内部は撮影禁止。
なので内部を絵葉書の写真で紹介すると、まずは護法堂への入り口のある暗い入り口ホールを通り、小さなホールへ。
 ここにはマントを羽織り、髪を垂らした女性など素朴だがとても面白い絵があるが、これこそ996年の創建当時の貴重な壁画。

ここを抜けるとその先が正方形の集会堂で
 
入口の上には守護女神ドルジェ・チェン、周囲の壁は32体の仏像が中空に浮かぶように取り巻き、その上下の壁面も隙間なく壁画で覆われている。
 
こちらの壁画は1042年にカシミール様式に塗り替えられたもので、優雅な仏様も美しいが、寄進者たちなど世俗の姿も楽しくて、暗い堂内を懐中電灯で照らしながら見ると細かいところがさらに面白い。
 お堂の奥には4面の大日如来がおられて、このお堂の空間全体が金剛界曼荼羅を構成しているとのこと。

さらにこの奥に後堂があって、こちらには千仏画や
 1046年の改装に関する記述まで残っている。

興奮しながら一通りドゥカンを見て回り、この後は弥勒堂とドムラン堂の内部も見せてもらったはずだが
 
記憶がほとんどないのはドゥカンが素晴らしすぎたせい。

  

境内にはこの他にも小さなチョルテンがいくつもあって、中には内部に壁画のありそうな大きさのものもあるので案内のお坊さんに入れないのかと聞いてみると、「中に犬などが入ってしまうので入口を閉じてしまった」とのこと。
このお坊さん、なにげに面白かったのだが、次の見学者が待っていてすぐに消えてしまったのは残念。

この後は自由に見ていいというので、もう一度ドゥカンに戻って立体曼荼羅にどっぷり。
 入口では以前はなかった英語の解説書(350ルピー)と30枚組の絵葉書(250ルピー)を売っていたので、寄付金もかねてお買い上げ。

 
新しい集会堂の近くに戻ってみると若いお坊さんたちが問答をやっていたが
 あまり真剣そうじゃなかったかも。

境内を出るとまわりには家が少しあるだけで
 
学校帰りの女の子の後をついて行くとすぐに集落を抜けてしまう。

向かいの山の中腹に洞窟寺院があると言うので行ってみると、がれきの急斜面で上るのが大変。
 
ゴール手前で上まで上がるのをあきらめてしまったが

ここからはタボの集落が一望。
 タボ・ゴンパの全景に、その奥のヘリパッドまで見える。

下りはさらに怖くて苦労して戻ったが、後で聞いたら脇に階段があったそうな。
他の皆さんと一緒に来ればよかった。

夕食はホテルのレストランで、今夜もダルとカレー。
  
 
昨晩にはかなわないが、今日もおいしくいただきました。


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