地下鉄大通駅とバスセンター前駅を結ぶ地下コンコースを利用して、美術館に仕立てるという卓越したアイデアは新進気鋭の芸術家たちの格好の作品発表の場となっているようである。
※ 500m美術館の始まりには、このようなギャラリー名が表示されています。
「札幌でしかできない50のこと」の登録№009は札幌の地下鉄大通駅からバスセンター前駅まで通ずる地下通路を活用した「札幌大通地下ギャラリー500m美術館」である。
※ 500m美術館は、地下2階コンコースから、さらに下の地下3階の通路にあります。
「500m美術館」(略称)は2006年から「さっぽろアートステージ」の美術部門として期間限定で開催されていたものを2011年11月から常設化し、通年を通じて展示・観覧ができるようになったということである。かくして「500m美術館」は日本最長の美術館として誕生したということである。
以来、「500m美術館」は、定期的にテーマを設定して展覧会を行ってきた。現在は5月16日から11月18日までを期間として「反骨の創造性」と題して4人の芸術家たちの展覧会が開催されていた。
※ 今次展覧会のテーマを表示したリーフレットです。
4人の芸術家とは、坂巻正美、藤木正則、鈴木涼子、露口啓二という4人であるが、門外漢の私にとっては初めて聞く名前ばかりだった。
4人はそれぞれ自分の作品に対するテーマ(題名)を掲出していたが、それによると…、
① 坂巻正美氏は「けはいをきくこと…北方圏における森の思想シリーズ『羆(シシ)に生(な)る』2020」と題して、羆の毛皮に包まれた猟師(かな?)たちの全身像を写し出した等身大の写真などを展示していた。
② 藤木正則氏は、「魔法の国(台北)の空にはためく/Ver.500」と題して、大きな旗の実物を展示するとともに、その旗を立てているところの写真を展示していた。
③ 鈴木涼子氏は、「last breath」(最後の呼吸~私の訳)と題して、森林の中(と思われる)写真を展示していた。
④ 露口啓二氏は、「『On_沙流川』より」と題して、沙流川の流れを写した写真を展示していた。
そして全体のテーマが「反骨の創造性」である。門外漢の私にはそれら具体的な展示物とテーマとが結びつかないのである。展覧会の片隅には「反骨の創造性」に関して説明するリーフレットが置かれていたが、それを読んでも私にはちんぷんかんぷんである。ことほどさように、私にとっては芸術家たちの言説は理解しがたいことがこれまでも多々あった。そのことが一層、私が美術館から遠ざかる一因となっているのだが…。
※ 500m美術館はご覧のように地下通路の片側の壁面を利用して展示スペースとしています。
まあ、私のことはどうでもよろしい。判る人は判っているのだから…。美術館という敷居の高い展示場とは違い、新進気鋭の芸術家たちにとってはもう少しハードルが低い発表の場となっているのではないだろうか?「500m美術館」がそうした発表の場、そして市民が気軽に芸術に触れる場として、これからも在り続けてほしいと願いたい。
《札幌大通地下ギャラリー500m美術館 概要》
〔住 所〕札幌市中央区大通西1丁目~大通東2丁目
(地下鉄大通駅と地下鉄東西線バスセンター前を結ぶ地下コンコース内)
〔電 話〕問い合わせは011-211-2261(札幌市文化振興課)
〔照明点灯時間〕7:30~22:00(無休)
〔観 覧 料〕 無料