秋の朝らしい冷気を感じながらスタートし、陽が上がってからはちょっぴり暖かさも感ずる中で、千歳市内を巡り歩いた。勢いに乗る千歳市らしい街の様子をあちこちで感ずることができたウォーキングだった。
昨日9月24日(日)、私にとっては9回目となる「いつでもウォーク」で千歳市内を巡り歩いた。千歳駅南口に立ったのは朝の8時25分だった。まだ朝の冷気が残る中、街中は日曜日とあって人影は少なかった。
※ 千歳駅南口の広場は現在工事中でした。
まずは駅の南口から駅前に通ずる道を真っすぐに南下する。周囲にはホテルが目立ち、工場群が集積する千歳市には出張客がきっと多いためなのでは、と想像させられた。
※ 日曜日とあって駅前の街はまだ目覚めていない様子でした。
南下した道は、千歳市が誇る(?)「青葉公園」へと導かれる。この公園が素晴らしかった。広大な公園の一部が今回のウォーキングのコースとなっていたが、いたずらに手を加えることなく自然がたっぷりと残されている中を歩くのはとても気持ちがよかった。散策路はもちろん舗装などはしていない。春先や雨の日は歩きづらいかもしれないが、それがまた良いのではないだろうか?
※ 「青葉公園」に沿って走るサイクリングロードがウォーキングのコースでした。
※ 青葉公園内の千歳川を渡る人道専用の「おはよう橋」です。
※ その「おはよう橋」の上から見た千歳川の流れです。
※ 「青葉公園」内の散策路は未舗装ですが、多くのランナーが走っていました。
公園内には豊かな樹々の間に陸上競技場、市民球場、テニスコートなどのスポーツ施設の他、冒険の森、バーベキュー広場などファミリーで楽しめるところ、あるいは図書館、公民館なども点在していて全ての市民が楽しめるところとなっている。
コース上から見えた陸上競技場を覗いてみたが青色のタータントラックが敷設されていて第3種公認競技場の指定を受けているそうだ。この競技場は確か毎年夏に日本陸上界の長距離陣が強化の一環として競技会が開催されている競技場の一つのはずである。
※ 青いタータントラックが印象的な千歳市陸上競技場です。
青葉公園は千歳市の総合公園として市民も誇りに思っている公園のようだ。公園入口には「入口広場」があり、そこには大きなモニュメントが建っていた。
※ 「青葉公園」の入口広場に立つモニュメントです。
公園の入り口近くには「千歳神社」があり、長いエントランスから小高い丘に続く階段を上ったところ本殿(拝殿)があった。
※ 「千歳神社」は長い導入路の後に、写真のような急階段を上がると本殿(拝殿)がありました。
神社を終えると再び千歳市内へと戻っていく。駅からやや離れていることもあり住宅と事務所、小さな工場のような建物が混在している中を進んだ。途中、千歳市役所の建物が目に入った。近代的な大きな建物だったが、建築後に耐震補強工事がなされた跡があることから、ある程度の年数が経っているのかなと思われた。
※ ウォーキングコースは交通量の多い国道36号線を跨いで続いていました。
※ 耐震補強工事をした壁際が目立つ千歳市庁舎です。
JR室蘭本線の高架橋を潜り、千歳川沿いの遊歩道に導かれる。千歳川は支笏湖を源として江別市で石狩川と合流する支流なのだが、千歳市内でも大きな川の流れとなっているのが印象的だった。
※ インディアン水車や水族館が近い千歳川対岸の遊歩道です。(遠くに水族館が見えます)
※ 千歳川の設けられた堰はインディアン水車(樹の影になった)にサケを導く堰です。その上には「インディアン橋」が架かって、その向こうの白い建物は「千歳市水族館」の建物です。
コースはそのまま名物の「インディアン水車」のあるところに導かれる。
「インディアン水車」とは、遡上してきたサケを捕獲する装置(捕魚車)のことなのだが、千歳川に設置されたのは1896(明治29)年と古くから活躍している装置のようだ。私が訪れた時にはちょうど捕獲されたサケがトラックで処理場に運ばれるところを見ることができた。
※ これがサケの捕魚車「インディアン水車」です。
※ インディアン水車で捕獲したサケを処理場に運ぶためトラックに積んでいるところです。
インディアン水車のすぐ横には「サケのふるさと 千歳水族館」がある。淡水魚を中心として飼育展示している施設であるが、私は過去に2度ほど見学していたのでパスして前へ進んだ。
※ 「サケのふるさと 千歳水族館」の入口です。
そしてその先にあったのは、水族館と併設するように建てられている道の駅「サーモンパーク千歳」だった。この道の駅は施設管理者が代わることなどから入居していた店主らとトラブルになったとニュースで報じられ、どうなっているのだろうと内部を覗いたところ、なんと大盛況の様相を呈していた。日曜日、そして秋日和とあって多くの観光客が押し寄せていたようだ。
※ 道の駅「サーモンパーク千歳」の外観です。
※ 道の駅の店内はご覧のような賑わいでした。
そしてコースはさらに千歳川沿いを下流へと進む。そうすると、ちょうどコースを左折する角で「遺跡公園」に行き当たった。マップでは何の説明もなかったが、私は「きっと、遺跡を発掘した跡が残されているのでは?」と考えた。そこで公園内に造成されていたパークゴルフ場でプレイをしている老婦人に尋ねた。「公園内のどこかに遺跡を発掘した跡があるのでしょうか?」と…。そうすると、その方は「聞いたことがない」という。傍にいた男性の方も同様の反応だった。がっかりしながらさらに公園内を歩いていると公園案内の看板があった。それを見るなんと公園内はパークゴルフ場や球技場など全てがスポーツ関連の場として整備されていた。「遺跡公園」という名はいったい何なのだろうか?
※ 公園名を表示する石(?)はそれなりの雰囲気を感ずるのですが…。
辺り一帯は千歳駅からもかなり離れ、新たな住宅街として開発されたり、まだ未開発の地が混在したりしているようなやや寂しいところだった。その先に大きな建物が目に入った。「千歳市総合武道館」だという。窺うと和式の屋根を付けた大きな建物が二つも見えた。建物の傍で芝生の整備作業をしていた管理人のような方に伺った。「武道館としては大きな建物ですね」と…。すると「ここは柔剣道などの武道だけではなく、球技などにも広く活用されています」とのことだった。私が「では、総合体育館ですね」と話すと「スポーツセンターは別にあるのです」とのことだった。
※ 手前の建物はアリーナ、遠方に屋根だけ見える方が柔剣道の体育館ということでした。
帰宅して調べてみると、「総合武道館」は千歳市の開基110年の記念施設として建てられ、アリーナ(競技場)、剣道場、柔道場、弓道場、相撲場、トレーニング室などを備えているということだ。つまり、武道競技場を中心として、その他のスポーツの競技場(アリーナ)としても対応できるように建てられたものであるらしいことが判明した。納得。
武道館の後は、ひたすら街の中心である千歳駅を目ざすウォーキングとなった。まったくの住宅街で特に目を惹く施設などはなかった。やがてJR室蘭本線の高架橋と交差するところに至り、その高架橋の脇を千歳駅へ向かって最後のウォーキングを続けた。
※ JRの高架下を通って一路ゴールの千歳駅へゴーです。
そしてスタートしてから2時間半後、スタートした時とは反対の千歳駅北口にゴールした。
※ 千歳駅北口前は南口と違い整備されていました。
新千歳国際空港を抱え、工場団地にはたくさんの工場群が立地して活気のある千歳市である。そのうえ、今般半導体メーカー・ラピダスの進出が決定し、いよいよ意気盛んである。街の中にもそうした活気に満ちていたように思えた。これまで私にとって千歳市は通過街でしかなかったが、今回じっくりと街を見ることができ千歳市の活気を感ずることができたヘルシーウォーキングだった。
往復約2千円を消費してわざわざ千歳市まで出向き、JRヘルシーウォーキングの1ポイントをいただくために11キロをウォーキングをするなんて、「なんて酔狂な!」と思われる方もいるかもしれない。しかし、「2千円をかけて健康を買っているんだ」という考え方もあるのではないか、と私は思っている。その上、これまで知らなかった街を詳しく知ることができるおまけまで付いてくる。これこそ「一石二鳥」の例えと言えるのでは?
そんな思いでこれからもJRヘルシーウォーキングに取り組みたいと思っている。