北海高校が甲子園を掴んだ!!
大会は最終日に最高の盛り上がりを見せ、一球一打に手に汗握る展開となった。そしてわずかに球運は北海高校に微笑む結果となった。
※ 勝利の瞬間、喜びの輪をつくる北海ナインです。
今日も札幌は晴れた。
この六日間大会は天候に恵まれ、雨はもちろんのこと、暑さに悩まされることもなく最高のコンディションの中で15校の戦いが行われたことは何よりだった。
そして今日、甲子園の切符をかけた決勝戦の戦いは大会初の延長戦に縺れ込む大接戦となったが最後は北海高校が制して、北海高校は春夏連続出場という結果となった。
そうなった結果について、そこには当然その原因が存在する。素人の見解と断りながらその原因を探ってみることにする。
まずは試合の経過である。
《決勝戦》
北 海|010|020|001|1 |5
駒大苫|100|010|002|0 |4 (延長10回)
ご覧のように駒大苫が先制すれば、北海が追いつき、反対に北海がリードすれば駒大苫が追いかけるという展開で、特に9回の攻防は鳥肌が立つほどの両者の攻防だった。
◇北海高校勝利の要因は?
一つはやはり投手起用において準決勝戦で温存したエース玉熊を起用できたということだろう。玉熊はけっして駒大苫打線を抑え込んだわけではなかったが、最後までボールのキレを失っていなかったところに準決勝を休ませた効果が表れていたように思える。
二つ目は攻撃的な守備である。特にバントシフトにその姿勢が際立っていたように思う。
駒大苫がバントしてくると見るや、三塁手、一塁手が猛然とダッシュしてきてバッターにプレッシャーをかけた。そのことがバッターに緊張を強いたのだろうか、二度も小フライに仕留めたり、犠打どころか併殺にしてしまうなど、駒大苫のチャンスの芽を摘み取ってしまった。さらには誰もが駒大苫のタイムリーと思われたライナーを横っ飛びに好捕した二塁手の守備など、よく鍛えられた守備が北海高校の勝利に導いた大きな要因であったと私は見る。
三つ目にはベンチワークを挙げたい。ピンチ、あるいはチャンスにおいて選手の意思を徹底するため何度も伝令を送った。ピンチの場合はどのチームもそうするのだが、チャンスの場合も効果的にベンチの意思を伝えることを忘れなかった。印象的だったのは、同点に追いつかれた9回、ベンチはタイムを取り伝令を外野手のところへ送った場面だ。外野手に伝令を送る場面など初めて見たが、守備位置などを再確認したようだ。
さらにベンチの指示を着実に実現した選手たちの技の確かさだ。駒大苫が再三バントの失敗を重ねたのに対して北海は一度も失敗することなく(4度くらいあったか?)チャンスを広げる働きをしていた。
もちろんチャンスをものにした打撃の確かさもあったが、こうして見てみると勝つべくして勝った北海高校と言えそうである。
※ 古豪北海高校らしく掲げる横断幕にも貫禄が見えます(?)
◇駒大苫小牧の敗因は?
この点についてはなかなか公には語られないところかもしれないが、敢えて触れてみたい。ただし、大して高校野球に詳しくもない素人の私がやぶ睨み的に語るのだから「あゝ、そんな見方もあるの?」程度に受け取っていただきたい。
敗因の一つとして、先発に前日と連投となる小山投手を起用した点を挙げたい。
駒大苫は一回戦、二回戦はエース格(?)である鎌田投手が先発し、完投こそしなかったがそれぞれの試合をベンチの期待に応えて好投していたと私は見ていた。前日120数球を投げ、かなり疲労していると思われる小山をなぜ起用したのか?事実小山投手は前日の準決勝のようなボールのキレは失っていたと私は見る。
敗因の二つ目として投手起用と同じくベンチワークにその因を求めたい。
駒大苫はなぜあれほどまでに犠打を重用した消極的な攻撃策を取ったのだろうか?
無死一塁でのバント指示は分かる。しかし、一死一塁でもベンチはバントを指示した。私の記憶ではそうしたケースが二度あった。しかも駒大苫のバントは先述したように北海守備陣の攻撃的な守備によってことごとく失敗させられてしまった。無死、一死含めて成功したバントは一度あったかなかったか?
大会出場校の中でも屈指の強打を誇る駒大苫打線をもっと信頼して強打を指示していたら結果は違うものになっていたかもしれないと思われるだけに残念な思いが残る。
9回裏、強打しかない場面になってから三連打して2点をもぎ取ったところに駒大苫打線の真価が発揮されていたではないか。
三つ目の敗因は北海高校とは真逆となるが、駒大苫の守備の拙さである。その象徴的な場面が9回表の守備である。
北海はこの回の先頭打者がショートとレフトの間にフラフラっとしたフライをあげた。ショート、レフトがともに追ったが早々とショートはレフトに任せる仕草をした。しかし、ボールの落ちた位置は明らかにショートに近くレフトは間に合うはずがなかった。
続いて無死一塁の場面で北海は当然のようにバントをしてきた。バントは投手と三塁の間に転がった。これも三塁手よりは投手が処理すべきボールを三塁手に任せたことによって犠打の成立どころか、打者走者までも生かしてしまった。
結果、この回にやらずもがなの1点を北海に献上してしまった。
※ ブラスバンドを中心に洗練された駒大苫小牧の応援は素晴らしかった!
と、こう振り返ってみるとやはりそこにははっきりと敗因が横たわっていることが分かる。
私は昨年の大会でも駒大苫が敗れたときにベンチワークにその因を求めた。
今年も残念ながら敗因をそこに求めざるを得ない。
ただし、何度も言っているようにこれは高校野球の素人が外から見て言っていることであって、監督の中では自チームの戦力と対戦相手の戦力を緻密に分析・検討した結果導き出された戦術であり、作戦だったのだと思う。
あと一歩、強豪駒大苫小牧の復活はならなかった。救いは駒大苫は2年生主体のチームであるからもう一度鍛え直し、秋、そして来夏を目ざしてほしい!
そして甲子園を掴んだ北海高校には選抜大会ベスト8の上をいくような活躍を甲子園では期待したい。
おめでとう!そして頑張れ!古豪北海高校!!
※ 試合終了直後には朝日新聞の号外が配られました。
※ ホッ、なんとか今日中に投稿することができました。