昨日午後、私はテレビの前から離れることができなかった。あの「伝説のコンサート」とも伝えられている歌手・山口百恵のファイナルコンサートがNHK総合で2時間25分にわたって放映されたからだつた。改めて、山口百恵という不世出の歌手の偉大さを見た思いだった…。
※ この頁の上3枚はウェブ上から拝借した写真です。
1980(昭和55)年というと、今から40年前のことである。当時、人気絶頂だった歌手・山口百恵が結婚を機に芸能界から引退するというニュースは驚きをもって伝えられた。山口百恵は15歳でアイドル歌手としてデビューし、以後年と共に魅力ある女性へと変身を遂げ、当時歌謡界では最大の人気を誇っていた。
私は特別に歌謡曲好きでもなければ、芸能界に関心があるわけでもなかった。そんな私でさえ、彼女の引退のニュースは驚きをもって受け止めた。それは、当時の世相を反映してもいたからだ。当時のテレビは人々の娯楽の中心にあり、テレビ番組の中で歌番組は影響力が絶大だった時代に、山口百恵はテレビの申し子といってもよく、私のような一般人でも彼女の歌は自然に耳に入ってくるという状況だったのだ。
当時のことで思い出に残っていることは、彼女が歌う「プレバックPartⅡ」、「ロックンロール・ウィドウ」などと、「秋桜」、「いい日旅立ち」などを歌う落差だった。前者を歌うときはいかにも街中にいる遊び人になりきり、後者を歌うときにはしっとりとした日本の叙情を醸し出す人になりきっている凄さを感じていた。
私は昨日すっかり「伝説のコンサート」に魅入ってしまった。そこでまた彼女の魅力を一つ発見した。それは彼女のトークである。あのような特別なステージでも彼女は自分の思いを、自分の言葉でしっかりと伝えていることに驚いた。当時の彼女はまだ若干21歳である。時には会場のファンの声にも反応しながら…。
驚きは私一人ではなかったようだ。ネット上には「伝説のコンサート 大反響」と題して次のような記事が掲載された。
山口百恵さんトレンド世界1位の大反響「令和の時代に…」最後のコンサート NHK総合で一度限りの再放送 1/30(土) 16:40配信
1980年10月に芸能界を引退した山口百恵さん(62)の最後のコンサートを収めたNHK「伝説のコンサート“山口百恵 1980.10.5 日本武道館”」が30日に総合テレビ(後3・35~5・59)で放送された。地上波とあり、オンエア中から「#山口百恵」がツイッターの世界トレンド1位になるなど、SNS上で大反響を呼んだ。 昨年10月に BSプレミアムで放送。再放送希望の多くの声に応え、一度限りの再放送が実現した。2時間以上にわたる貴重な映像を、再構成や新撮パートなどの要素を一切加えず、忠実にコンサートの模様を届ける。 インターネット上には「当時21歳とは思えない迫力」「令和の時代に見られるとは」「歌、表情、トーク、立ち居振る舞い、いずれも傑出したレベル。今更ながら山口百恵の存在感に驚嘆し、圧倒されている」といった絶賛や驚きの声が続々と上がった。
この記事からもけっして私の独りよがりではないことを分かっていただけると思う。そしてさらに彼女の凄いところは、人気絶頂の時にスパッと潔く芸能界を引退し家庭に入り、現在までけっして表に出てこないところだ。まさに “有言実行” の人である。そのことが彼女のさらなる神秘性を増幅させたものと思われるのだ。
※ 以下2枚の写真は、私がテレビ画面から撮影したものです。
※ 時折り笑顔を見せて会場に語り掛ける山口百恵さんです。
※ 最後の曲「さようならの向こう側」を熱唱する山口百恵さんです。
昨日は久々に遠い昔に思いを馳せ、懐かしさに身を浸したひと時だった…。