北海道新聞社が大々的にPRして開催された「防災展」だったが、私としてはちょっと期待外れの感が強かった。2日間の日程のほぼすべてに参加を予定していたのだが、途中からキャンセルしてしまった…。
9月14~15の両日、札幌パークホテルを会場に「道新 みんなで+考える 防災展」が開催されたので期待をもって参加した。
防災展は北海道大学が特別協力という形で5つの講座を担当した。私はそのうち一日目の「北海道で想定される津波災害」と二日目の「広域化・連鎖化する自然災害」の二つの講座に参加した。両講座共に45分間と短時間の講座だったためか、講演をする先生方がどうもイマイチ力が入っていないのではという印象を受けてしまった。
「北海道で想定される津波災害」の講座では、南海トラフ地震による津波災害予想がマスコミ等で大きく取り上げられているが、北海道の周りで起こる津波災害の方がより被害が大きくなるとの予想は傾聴に値した。科学的にそうした予想があるのであれば、より大きな声を挙げて警告を発する努力をしてほしいと思ったのだが…。
また「広域化・連鎖化する自然災害」の講座の方も、過去の自然災害から北海道に甚大なる被害をもたらす可能性について言及されたのだが、どうも私にはいま一つそのことに対する危機感を聴いている人たちに訴求する思いが伝わってこなかったように思えたのだ。
それ以上にガッカリしたのが特別ゲストとして招請されたマジシャンでありお笑い芸人のマギー審司氏の講演(対談)だった。マギー審司氏は2011年に起きた東日本大震災が起こり、彼が宮城県気仙沼出身だったことから、その復興のためにさまざまな活動を展開された方だという。その思いを気象予報士の菅井貴子さんの質問に答える形で「マギー審司と防災を知ろう・聞こう・学ぼう」と題して進められた。しかし、ご自分が実際に被災したわけではないため、お話がどうしても一般論の域を出ない内容に終始し、マギー審司氏の明るいキャラクターもどこかへという感じに終始してしまった感だった。講演の最後10分間だけ彼の本業であるマジックを披露したときに初めて会場を沸かした程度だった。私は彼のキャラクターを活かし、マジックと防災をミックスした形で聴衆を笑いに誘いながら、防災意識を高めるようなことを期待していたのだが…。
※ 耳マジックでブレイクしたマギー審司さんです。
二日目には特別ゲストとして元フジテレビアナウンサーの笠井信輔氏の講演もあったのだが、笠井氏にも大きく期待はできないかな?と思うと継続して参加する意欲が失せてしまって会場を後にしてしまった。
会場内では、講演・講座とは別に関連展示会場も設けられていたが、会場内を巡る参加者たちは景品目当てにあちこちを飛び回る姿が私をしらけさせてしまった。
私の唯一(?)の収穫は展示コーナーで(株)三井海上火災が発売したという防災グッズや非常食パッケージだった。説明担当者によると、非常食の賞味期限がきたら会社から購買者に連絡するというサービス付きだというところが新鮮に感じた。我が家でもぜひ揃えたいと思った一品だった。
今回の防災展を好企画だと思って参加したのだが、参加者の多くは祭りに参加するような気持で会場に駆け付けた人が多かったのではないだろうか?
第1回目の開催ということで主催者側も試行錯誤があったのだろう。今年の反省を生かして、次年度以降より意味のある内容で開催していただくことを期待したい。