昨日は午後の「PMF Connects LIVE!」に続いて、夕刻「かでるホールライブ」を楽しんだ。こちらはクラシックだけではなく、昭和歌謡を謳う熟年男性コーラスと、クラシックのソプラノの二部構成だった。
ライブは二部コンサートとなっていて、第一部は札幌市内を中心に活動する熟年男性コーラス「DA NDY FOUR」の4名のコーラス歌謡。第二部はソプラノの倉岡陽都美さん、フルートの大島さゆりさん、クラシックギターの亀岡三典さんのトリオによるクラシックという二部構成だった。
「DA NDY FOUR」は、彼らのお話によると70歳(山田政光さん)、79歳(安斎勲さん)、82歳(穴水重雄さん)、83歳(西村公男さん)という酸いも甘いもわきまえた堂々たる熟年男性コーラスだった。彼らは30年以上にわたり「北のデュークエイセス」と称され市民に愛され続けているアマチュアのグループということだ。
※ コンサート中のダンディフォーです。(左端のトップティナーは違う方です)
コンサートは彼らの十八番らしい「青い山脈」で登場し、楽しいトークを交えた時間だった。披露された曲は…。(作曲者省略)
◆青い山脈
◆東京キッド
◆哀しき口笛
◆女一人
◆いい湯だな
◆北の風になれ!(コンサドーレ応援歌)
◆フアィターズ讃歌
◆好きです!札幌
〈アンコール〉
◆青春時代
いずれもが一世を風靡した曲の数々である。誰にとっても馴染みのある曲とあって場内はかなり盛り上がっていた。もちろん私も楽しませてもらった。ここで歌唱力云々を語るのは野暮というものだ。トップテノールの山田さん、セカンドテノールの安斎さん、バリトンの穴水さん、バスの西村さん、それぞれが持ち味を発揮されていたと私は聴いた。それよりなにより彼らが実に若々しいことに驚いた。好きなことに傾注する心が若々しさを保っていることの何よりの証明のように思われた。
休憩を挟み、第二部は倉岡さん、大島さん、亀岡さんのトリオによるクラシックのステージだった。ステージは倉岡さんのソプラノを中心としたもので、途中に大島さん、亀岡さんの二人によるインスツルメンツの2曲が挿入された。ソプラノ歌手として円熟期に入ったと思われる倉岡さんの歌声は会場を圧したように響き渡った。披露された曲目は…。
◆作曲者不詳/アメイジング・グレース
◆武満徹/小さな空
◆木村弓/いつも何度でも
◆木村弓/世界の約束
<フルートとギターのインスツルメンツ>
◆ピアソラ/エスクワロ(鮫)
◆モンティ/チャールダーシュ
<トリオに戻って>
◆シークレット・ガーデン/ユー・レイズ・ミー・アップ(You Raise Me Up)
◆フランチェスコ・サルトーリ/タイム・トゥ・セイ・グッバイ(Time To Say Goodbye)
<アンコール>
◆ハインリッヒ・リヒナー/忘れな草
倉岡さんの印象については前記したとおりだが、フルートとギターのインスツルメンツで演奏されたモンティの「チャールダーシュ」は運指がとても速い難曲として知られている。もともとはマンドリンの曲として書かれたそうだが、私が「チャールダーシュ」を初めて聞いたのは大平まゆみさんのヴァイオリンだったが、その超絶技巧には驚いたものだ。その後、他のヴァイオリン奏者が弾くのを聴く機会があったが、私がより驚いたのは札響のコントラバス奏者があの大きなコントラバスで「チャールダーシュ」を弾きこなしたのにも驚いた。この日の大島さゆりさんのフルートによる「チャールダーシュ」も以前に一度聴いたことがあったが、いつ聴いても見事な演奏であった。
※ ソプラノの倉岡陽都美さん
※ フルートの大島さゆりさん
※ クラシックギターの亀岡三典さん
残念だったのはクラシックギターの亀岡さんのソロの場面が無かったことだ。一曲でもクラシックギターの名曲を聴いてみたかった。
ところで、最近徐々にではあるが日常が蘇りつつあるのかな、と思わせてくれた昨日の二つのコンサートだった。日常とは云っても、どちらのコンサート共に入場の際には検温があり、マスク着用は必須であり、会場内は座席間を離しての着席と、さまざまな制限が加えられた中での日常なのではあるが…。
昨夕の「かでるホールライブ」もかでるホールのキャパの半分の200名の聴衆の中で開催された。以前のような日常に戻るのはまだまだ先になるだろうが、こうした多少不自由な形でも心のビタミン剤を与えてくれる機会をありがたいと思っている。
※ なお、タイトルの「配信事業 Vol.3」とは、ライブの様子をユーチューブでオンライン配信をしているそうだ。その3回目ということである。