※ 近代美術館の前庭に降ったポプラの綿毛です。見る人によっては“幻想的”にも見えるでしょう。
道立近代美術館の前庭には巨大なポプラの木が屹立している。ポプラはたくさんの葉をたたえ、夏の陽を遮り、前庭を訪れた人たちに快適な日陰を提供してくれている。
ポプラはまた、初夏の花の時期を終えると、綿毛を付けた種を大量に発生させる。
ウェブ上ではそのことを次のように伝えている人もいた。
札幌に訪れたとき街中に白いふわふわしたものが舞っていました。聞けば、ポプラの綿毛とのこと。東京在住の私にとってはとても幻想的で、まるで夏に降る雪のようでとてもきれいでした
確かにその光景を見て、通り過ぎる人にとってはそうしたメルヘンチックな感想を抱く人もいるだろう。しかし、路上を清掃したり、花壇の花の維持管理などのボランティアをしている私たちにとっては、まったくの困りもののポプラの綿毛だった。
毎年、毎年、大量の綿毛をまき散らすポプラは、花(草)文字を描くクサツゲという葉の間に絡みつき、またラベンダーの花を真っ白に覆い光をさえぎってしまうのだ。
※ 綿毛は写真のように花や葉にまとわりつくように絡み付きます。
困りきっていた私たち会員の中から、「せめて花壇をネットで覆って綿毛から守りましょう」という意見が出され、今年はネットを購入して、花壇全体を覆うことにした。
綿毛が盛んに舞う6月も終わりを迎えた。今のところネットは綿毛を遮断し、効果を発揮しているようにも見える。はっきりとした評価は7月に入り、ネットを外した頃にはっきりするかもしれない。
※ 見映えはけっして良くないのですが、今シーズンはこうして花壇をネットで覆いました。
花壇のところはネットである程度解決しても、近美前の歩道は綿毛で覆われ、それが雨に濡れて固まり、路上は醜いばかりに悲惨な状況だった。
先日、6月24日(金)、今シーズン第5回目となる「近美を愛するブリリアの会」の活動を呼びかけた。参加していただいた9名の会員は、舞い漂う綿毛を吸い込まぬよう全員がマスク掛けの重装備で清掃活動にあたった。
大量に路上を覆っていた綿毛はたちまちのうちに掃き清められ、すっきりとした路上に変身した。
※ 清掃前の近代美術館前の様子です。綿毛の一部は雨のために固まったものもあります。
※ 写真のように全員がマスクを付けての活動となりました。
※ 清掃後の路上の様子です。綿毛の一部は濡れて固まり、竹ぼうきではお手上げの部分もありました。
私たちが近美前の清掃ボランティアを止めないかぎり、これからもポプラの綿毛との付き合いは続くだろう。「これも自然現象の一つ」と割り切り、綿毛と付き合っていかねばなるまい…。