田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

札幌景観資産⑱  指定第24号 「旧藪商事会社ビル」

2021-11-30 18:29:06 | 札幌景観資産巡り

 札幌市の都心近くにやや古風ではあるが、存在感をたたえたビルが建っている。同じく札幌景観資産に登録されている「岩佐ビル」よりはるかに早い大正年代に建てられたコンクリート造りのビルがいまだ現存しているのは貴重である。

 「旧藪商事ビル」は札幌都心に近いこともあり、これまでも何度も傍を通っていたので簡単に行けると考えていた。ところが今回、ビルを見つけるのに意外に手間取ってしまった。というのも、私はもともとのビルの壁の色の赤茶色のビルを探していたのだが、実際には乳白色の壁に変わっていたのだ。その他は建築時と変わっていないと思われ、窓枠が鉄製のものが使われているなど、往時を偲ばせる造りだった。

   

※ これが現在のビルの壁の色です。

   

※ 以前のビルの壁の色はこのように赤茶色の壁でした。(ウェブ上の写真から拝借)

   

※ ビルを正面から撮ったところです。正面入口上部には現ビル名の「三誠ビル」と書かれています。

   

※ 鉄製の窓枠、その上部の飾り造りなどが時代を感じさせます。

 例によって建物の傍には「札幌景観資産」を表す標柱が立てられているが、そこに書かれている内容とはやや違うが、ウェブ上で見つけた説明では…。

   

※ 「札幌景観資産」を表す標柱です。

 「大正末期にはレンガや軟石を用いた粗積造が終わりを告げ、鉄筋コンクリート造りが揺籃期を迎えた。この建物は札幌で建てられた鉄筋コンクリート造りのオフィスビルで現存する数少ない一つである」

となっていた。この説明の中で「粗積造」というものがどのような建築法なのか調べたが、ネット上では分からなかった。あるいは「組積造」のミスプリではないかとも思われるのだが、「組積造」なら次のような造りである。「建材を積み上げて外壁、内壁といった壁面をつくり、壁によって屋根、天井などの上部構造物を支える造り」ではないかとも思うのだが、はたしてどうなのだろうか?(確かに札幌軟石で造られた倉庫などはこのように構造なのではとも思われるのだが…)

  このビルは「共有部分のみ内部見学可」となっていたのでビルの中を覗かせてもらった。すると正面入り口を入ったところに胸像が置かれていた。胸像の後を確認すると、胸像の主は「三宅助弥」となっていた。あるいはこのビルを建てた方かな?と思い帰宅して調べたところ、このビルを建設したのは「藪惣七」氏と判明した。はたして「三宅助弥」氏はどのような方なのだろうか?

   

※ 正面入口のところにおかれた「三宅助弥」氏の胸像です。

 ビルの内部はやや狭い廊下の両側に入居する会社の事務所のドアが並んでいた。時代を感じさせはするものの、廊下は磨き上げられ清潔感に満ちた感じだった。ビルの特徴的なことの一つに、これも狭いながら三方に階段が設けられていることだった。このことは入居する多くの事務所にいたるために便宜を図るための工夫なのではと思われた。

   

※ ビルの内部です。一階、二階、三階も同様の感じでした。

   

※ ビル内三方に設けられていた階段です。

   

※ 鉄製の窓枠は建設当時からのものなのでしょうか?

 およそ100年を経ようとして、今なお健在のオフィスビルを建てたということは、建設した当時の関係者の先見の明を見る思いである。           

旧藪商事会社ビル 情報》

◇所在地 札幌市中央区南1条西13丁目317-2

◇建設年 大正13(1924)年

◇構 造 鉄筋コンクリート造

◇指定年 2009(平成21)年1月7日

◇その他 現「三誠ビル」 共有部分のみ内部見学可 


NHK番組技術展を見る

2021-11-29 16:55:51 | イベント

 NHK札幌放送局の新放送会館オープン記念として「NHK番組技術展」が開催され、NHKが誇る最新の放送技術の一端が公開された。機械音痴、技術音痴の私にはちんぷんかんぷんのことが多かったが、技術の進歩は細部に及んでいるようだ。

        

 11月27日(土)・28日(日)の両日、NHK札幌放送局の新放送会館のオープンを記念して「NHK番組技術展」が開催された。私は先日「8K受信公開」に参加し、新放送会館の一部を体験していたが、さらに違うところも見学できるのではとの期待から28日(日)に覗いてみることにした。

   

 結論を先に記すと、私の期待は裏切られた。公開されたのは1階のロビーだけで、どうやら今後も視聴者が自由に入退できるのは1階のロビーだけのようである。

   

 その1階ロビー部分には所狭しといった感じでブースが設けられ、NHKが誇る新技術の各種が展示され、N HKの技術陣が説明役として待ち構えていた。配布されていた資料によると展示物は次のとおりである。

 ① 深海8Kプロジェクト

 ② ビューファー水平表示アダプター

 ③ 河川カメラ映像取得システム

 ④ AIナレーションによるスポット音声制作システム

 ⑤ 4Kツインズカム

 ⑥ 8K 4倍スローモーションシステム

 ⑦ ロボット実況

 ⑧ 手話CG実況の自動生成システム

 ⑨ 「はやぶさ2」リアルタイム可視化システム

 ⑩ AIフェージング予測システム

 ⑪ EPG自動監視システム

 ⑫ 特殊撮影の世界

 ⑬ 8Kシアター「8Kニッポン 大雪山 究極のパウダースノーを滑る」上映

と盛りだくさんの展示だった。(このほかにも子供向けのコーナーがあったようだが…)

   

 前述したように機械音痴、技術音痴の私にはその多くは理解できないものばかりだった。その中でかろうじて今回知り得ることができたこと一つは、「8K」という技術は従来TV画面の横方向の解像度が従来は2,000(2K)だったものが、8Kでは8,000画素並べることにより、従来のもの(2K)より16倍も緻密な表現ができるために大画面化が可能となったということだ。

   

 次に注目したのは、東京オリンピックの水泳競技(特にアーティステックスイミング)で競技者の水上と水中の様子が同時に画面で見ることができ驚いたが、これは⑤の4Kツインズカムというシステムで、水上と水中を同時に撮影できるカメラで同時に撮影し合成したものだということだが、水中の水の屈折度を違和感なく調整した画像を創り出すところに新技術が凝縮されているらしい。

 その他もいろいろと説明を受けたが、技術の塊であるテレビ放送の技術の進歩は著しいものがあるということはうっすらと理解できた。

   

 最後は先日も体験した8Kの280インチの大画面での冬の大雪山で大滑走の様子を見入った。やはり大画面では自然の雄大さを写し出すのが何よりも似合っている。8Kの威力を再度実感させられた。でも我が家に8Kテレビを導入するのは何時なのかなぁ??? 

 ※ 会場の様子を隈なく写したかったが、ブースによっては撮影禁止のマークがあり不可能だった。8Kの大画面ももしかしたらカメラはNGだったかもしれない…。             

 


最後まで魅せてくれた今年の日本シリーズ

2021-11-28 18:15:12 | スポーツ & スポーツ観戦

 結局、今年の日本シリーズはヤクルトスワローズが4勝2敗で日本一を決めたのだが、昨夜の対戦も延長12回、5時間強に及ぶ接戦は最後の最後までどちらに勝利が転がり込むのか分からない手に汗握る接戦だった。今年の日本シリーズは最後まで魅せてくれた接戦・熱戦だった。

 正直に言って一昨日に日本シリーズの話題を投稿した際に、「もう野球の噺を取り上げなくてもいいかな?」と思っていた。しかし、昨夜のようなしびれる試合を見せつけられると、取り上げないわけにはいかなくなった。

   

 本当に今年の日本シリーズは最初から最後まで野球ファンを魅了し続けた対戦だったのではないか。例えひいきのチームが敗れたとしても…。

 第5戦までの戦いについては一昨日の投稿でざーっと振り返ったので、ここでは昨日の対戦にだけフォーカスして振り返ってみたい。

 まずはオリックス先発の山本投手が魅せた!オリックスの絶対エース山本はけっして絶好調だったとは思えなかった。3回、4回と連続して先頭打者に2塁打を奪われピンチになった。しかし後続を難なく切って取るところに凄みを感じさせた。5回にはヤクルト塩見に詰まりながらのヒットを許し先制点を献上したが、失点はそれだけ。結局9回を1失点で乗り切った。沢村賞投手のプライドを見せつけたような投球だった。

 一方、ヤクルトの先発高梨も粘り強い投球をみせた。変化球を効果的に操り、オリックス打線に的を絞らせなかった。しかし、ヤクルトが先制した裏の5回裏、オリックスは1番福田がこれも詰まりながらのヒットで同点とした。するとヤクルトベンチはスパッと投手交代でスアレスをマウンドに送った。

   

 このあたりが昨夜の勝負の綾だったのではないだろうか?ヤクルトは第一戦で先発し好投した奥川投手の先発を回避した。奥川がまだ高卒2年目ということで中6日では負担が大きいと判断し、6人目の先発投手として高梨を送っていた。つまり高津監督としては高梨が5回途中までよく凌いだと評価し、信頼のおけるリリーフ陣に後を任せたのだろう。事実、その後スアレス、清水がそれぞれ2回、さらには田口を挟み、最後は守護神マクガフをもってきたのだろう。私は高津監督がマクガフを起用したことに疑問符を抱いた。マクガフは初戦で逆転を許し、第6戦では決勝点となるホームランを喫している投手である。しかし、高津監督は彼を信頼してマウンドに送ったところに高津監督の潔さを見た思いだった。

 一方、オリックスは9回を投げ切った山本に継いで、平野→能見→比嘉→富山と繋いで最終12回を迎えていたが、12回からマウンドに立った富山が簡単に二死を取った後に中島監督は吉田(凌)をマウンドに送った。中島監督のこの判断は何だったのだろうか?吉田(凌)は確かに1・2戦では好救援を見せていたが、第3戦には決勝2ランを浴びるなどこのシリーズでは危うさも覗かせていたのに敢えて2死から交代する必要があったのだろうか?迎えた塩見にレフト前にもっていかれ、暴投で2塁を陥れた後にヤクルトの代打の切り札川端が執念でレフト前に運び、虎の子の1点をもぎ取り、その裏をマクガフが抑えて日本一に輝いた。   

 1点をめぐる攻防は片時も目を離せない戦いである。いつ一発が出るのか? 致命的なエラーは出ないのか? 一瞬で勝負の行方が左右される試合展開は痺れるような緊張感の中で終始した。

 正直言って、今シリーズは投手陣に比べて攻撃陣が両チームともにやや不振だったことが、このような接戦続きの日本シリーズとなったようにも感ずる。そのためにシリーズのMVPが誰になるのか、NKK・BSの解説を務めた早川氏も候補の名前さえ明らかにしなかった。それくらい選考は難しいものになったと想像される。結果的は、ヤクルトの投手陣を好リードした中村悠平捕手が選出された。

   

 投手をリードするという捕手の役目は、素人が外から見ているだけではその重要性がなかなか分からない。解説の方々が中村のリードぶりを褒める場面が多々あったので、中村捕手のMVP選出には私も納得である。そんな中村捕手のリードで象徴的な場面があった。どの試合、どの場面だったかは忘れたのだが、中村のサインに投手が首をふった後の投球が見事にはじき返された場面があった。中村捕手の打者を見る目の確かさを見た思いだった。どちらといえば、一見地味な中村選手がMVPに選出されたことは今季日本シリーズの全戦が接戦続きになったことを象徴していたとも思えた。

      

 久しぶりに痺れる試合を楽しめたこの一週間だった…。

 

※ 本日も掲載した写真は全てウェブ上から拝借しました。


裁判員制度の現状を知る

2021-11-27 15:44:19 | 講演・講義・フォーラム等

 我が国の「裁判員制度」は平成21(2009)に始まったという。以来12年目を迎えているのだが、これまでに約10万人の国民が裁判員・補充裁判員として裁判に参加しているそうだ。その中で明らかになった「裁判員制度」の現状を聴いた。

 昨夜(11月24日)、札幌市資料館(旧札幌提訴院)において札幌地方裁判所主催の司法講座「裁判員制度の現状」を受講した。スピーカーとして裁判官、検察官、弁護士各1名、それに裁判員経験者2名、補充裁判員経験者1名の計6名が登壇し、現状を語った。

   

※ 講座中の写真はNGだったので、講義前に会場を写しました。

 最初に裁判官の方が裁判員制度の概要、特に札幌地方裁判所のこれまでの状況について説明された。それによると、裁判員制度は6人の裁判員と3人の裁判官によって刑事裁判に立ち会い、被告人が有罪か無罪か、有罪の場合はどのような刑にするかを判断することだそうだ。過去3年間において札幌地方裁判所において裁判員によって裁かれた事件は71件で、そのうち17件が強盗致傷、14件が殺人事件だったということだ。裁判にかかる日数は事件により違うが平均5日程度だという。また、これまで札幌市で裁判員に選ばれた割合は約23,000人に1人という割合だそうだ。(数字等には間違いがあるかもしれない)

 続いて検察官と弁護人に裁判員制度が導入されたことでの留意点が述べられたが、両者ともにできるだけ専門用語避け、裁判員に理解されやすいよう心掛けているということだった。ただ、両者には若干の温度差のようなものも感じられた。それは検察官が「裁判員制度」を普及し、定着を図ろうとしている国側の立場なのに対して、弁護人の立場はあくまで被告人を守る立場を強調され、制度そのものへの言及は弱いように感じられた。

 そして裁判員を経験された方々の経験談だったが、3人の方々は異口同音に「関係者(裁判官、検察官、弁護人)が理解しやすいように配慮してくれた」、「評議の際に話しやすい雰囲気づくりをしてくれた」、「緊張をし、疲労も感じたが良い経験だった」というような趣旨の発言をされた。

 私はこの講座で「補充裁判員」という存在を初めて知った。補充裁判員とは、文字どおり裁判員が欠けた際に代わりに務める立場である。しかし、裁判においては裁判員同様に裁判に立ち会い、評議にも同じ立場で参加し、考えを述べることができるそうだ。ただ唯一の違いは「評議」の際の「評決」には加われないところが違うということだ。

 私は以前から知らない世界を覗いてみたいという思いが強いから、「裁判員制度」についても大いに興味があった。今回の講座で裁判員経験者の誰もが「良い体験をした」と述べていたことから益々興味を覚えた。はたして私が元気なうちに最高裁判所から「名簿記載通知」書は届くだろうか???


今、プロ野球日本シリーズが面白い!

2021-11-26 15:01:12 | スポーツ & スポーツ観戦

 全7試合という短期決戦がそうさせるのだろうが、プロ野球日本シリーズはこれまでも数々の名勝負があった。それらの過去の名勝負に優るとも劣らないスリリングで観ている者にとって非常に面白く楽しい日本シリーズが今展開されている。今、ヤクルト vsオリックスの対決から目が離せない。

   

 今年の日本シリーズの対決がヤクルトとオリックスと決まった時に、私はそれほどの期待は抱いてはいなかった。ただ、アメリカ大リーグの方式をそのまま導入したとはいえ日本シリーズ進出チームを決めるクライマックスシリーズの方法は球趣を盛り上げる方法としては素晴らしい方式だと思う。

 スポーツ好きの私としては、クライマックスシリーズからほとんど逃さずにTV中継で観戦を続けてきた。その結果、ヤクルトもオリックスも対戦相手を圧倒して(両チームともに3勝1分で)勝ち上がってきたことが印象的だった。

       

 11月20日から始まった今年の日本シリーズは連日接戦、熱戦が続いている。

 第1戦からスリリングな激闘が始まった。9回を迎えて3対1とヤクルトがリードして勝利をものにしたかな?と思えた最終回にオリックスは劣勢を見事に跳ね返し4対3と大逆転で勝利した。

 第2戦はオリックス宮城、ヤクルト高橋の若手の両投手の息詰まる投手戦が展開されたが、ヤクルト高橋がリーグ戦でも見せたことのない完封勝利をやって2対0で投げ勝った。

 場所を東京に移した第3戦は、逆転に次ぐ逆転と試合が激しく動いた末にヤクルトが5対4で制した。

 続く第4戦はヤクルトの41歳のベテラン石川投手が抜群の冴えを見せ、これまたヤクルトが2対1で競り勝った。これでヤクルトは3勝1敗として日本一に王手をかけた。

 そして昨夜の第5戦である。ヤクルトが先制するも、オリックスも粘り強い攻めで追いつき、6、7、8回と連続得点して8回表を終わって5対2としてこの日は「オリックスの勝利」と思ったのだが、これまで不振だったヤクルト山田選手が起死回生の3点本塁打をレフトスタンドに叩き込んだ。この一発には観ていた私も鳥肌が立った。「今年のヤクルトは強い!」と…。しかし、その後がいけなかった。このシリーズ初戦でも最終回に抑えで登場して相手に3点を献上して逆転負けを喫したマクガフ投手が同点で迎えた9回に登場し、相手ジョーンズに一発をくらい万事休すだった。

   

※ 両チームの顔とも言うべき存在のヤクルト・村上選手とオリックス・山本投手です。

 それにしても第2戦の2点差の試合を除いて、他は全て1点差という僅差の凌ぎ合いが続いている今シリーズは観ていても緊迫感が半端なく、ドキドキワクワクの試合観戦が続く。これで対戦成績はヤクルトの3勝2敗で場所を神戸に移して明日からの残り2戦で雌雄を決することとなった。

 こうした好試合の連続となっている第一の要因は両チームの投手陣の健闘にあると見ている。ヤクルトの奥川、高橋、石川、オリックスの山本、宮城、山崎、等々好投手が目白押しである。

 第6戦・7戦は、両チームともに1戦・2戦に登場したエース級の登板が予想される。どちらに転ぶか、まったく予想できない今後の戦いであるが、今年最後のプロ野球の戦いを楽しみたい。

※ 掲載写真は全てウェブ上から拝借しました。


札幌景観資産⑰  指定第20号 「エドウィン・ダン記念館」

2021-11-25 14:28:19 | 札幌景観資産巡り

 「エドウィン・ダン記念館」は南区真駒内地区の外れにあるエドウィン・ダン記念公園の一角に瀟洒な佇まいで建っている。記念館はダンがこの地に拓いた牧牛の種畜場の事務所として建てられたものを、ダンの業績を顕彰するために記念館として保存されているものである。

   

※ エドウィン・ダン記念館の正面です。

 エドウィン・ダンは北海道開拓使時代にお雇い外国人の一人として主として酪農指導のために北海道に着任したが、卓越した指導力を発揮して北海道の畜産・酪農業の発展に貢献し、後には外交官として再来日して日米の親交に尽くして日本で最期を迎えた方として知られている。

   

※ 別角度から撮った記念館です。

 記念館は明治9年にダンの指導のもと開拓使真駒内牧牛場として創設された際に事務所として建てられたものを、後年現在地に移築し記念館として活用されているものである。

 記念館の外観は、薄いピンクの下見張りや緑の寄棟屋根、アーケードがついた開放的な雰囲気が特徴である。

   

※ モダンなアーケードが付いたベランダです。

 私はこれまで3度この記念館を訪れている。その体験から記念館の展示の特徴と思えたのは、種畜場の模型やダンゆかりの遺品の展示とともに、23点の絵画が展示されていることが特徴のように思えた。その絵画は北海道出身の画家・一木万寿三氏が描くエドウィン・ダンの来日から晩年までを描いたものだ。この絵画を順に追っていくと、ダンの業績や人柄がよく理解できる。記念館としての規模は決して大きくないが、一見に値する記念館ではないかと思っている。

   

※ 館内にはこのような絵画で23点展示され、画の上には解説が書かれているため理解が進みます。

   

※ 館内の一部、中央に種畜場の模型が展示されています。

         

※ この画も一木万寿三氏によるものと思われます。

 なお、私は今回訪れた時に迎えてくれた記念館スタッフの方に「2年前にめだかの学校の学習でお世話になった」という旨のお話をさせていただくと思い出してくれたようだった。そして最近の記念館の活動として「エドウィン・ダンかるた」を作成したことが注目を浴びたと話され実物を見せていただいた。小さな記念館であるが、スタッフたちは努力されているようである。

         

※ 「エドウィン・ダンかるた」の取り札が展示されていました。

   

エドウィン・ダン記念館(旧真駒内種畜場事務所) 情報》

◇所在地 札幌市南区真駒内泉町1丁目6-1

◇建設年 明治20(1887)年

◇構 造 木造

◇指定年 2008(平成20)年3月26日

◇その他 内部見学可(入館料無料、休館日あり)

                  ※ 11月~3月までは土・日・祝のみの開館である。

◇電 話 011-581-5064(エドウィン・ダン記念館)

◇訪問日 2021年11月21日


DVDフォーラム「持続可能な環境を目指して…」 Vol.2

2021-11-24 16:10:25 | 「めだかの学校」関連

 アル・ゴア前米国副大統領がナビゲートする映画「不都合な真実 Ⅱ」では、地球の温暖化がますます進行している現状を写し出した。温暖化阻止の対策は「待ったなし」とも思えるのだが、そのことに異論を唱える考えが存在する現実も写し出した映画だった。

         

 私が所属する「めだかの学校」では、今年下半期の学びの一環として映画やDVDを利用して環境のことを学ぶ「持続可能な環境を目指して…」と題しての学習を続けている。

 22日(月)は、その第2回目として映画「不都合な真実 Ⅱ 放置された地球」を題材として視聴した。

 本作はまず前作の「不都合な真実」から10年経った世界の現実を写し出すものだった。衝撃的なシーンは、グリーンランドの氷が凄い勢いで溶けだしている現状、他方アメリカのマイアミが見舞われた大洪水の状況、インドでは高温のためにアスファルトが溶け出している様子、等々…。ナビゲートするアル・ゴアの立場は、地球温暖化が進行する元凶は「二酸化炭素排出量の増加が原因」と唱える科学者たちの警告を世界に伝え、その排出量を削減しようとする立場である。アル・ゴアは2000年のアメリカ大統領選挙に敗れて以来、政治家を引退し現在は民間人の立場で、一環境活動家として活動を継続している。

   

※ グリーンランドの氷が氷解する様子を視察するアル・ゴア氏です。

 そのようなゴア氏はCOP21(国連気候変動枠組条約締約国会議)の「パリ協定」締結のために環境活動家の一人として奔走するところを映画は描いている。そのCOP21の席上で二酸化炭素排出国の主要な国の一つであるインドの首相が「世界の後進国や発展途上国が先進国に追いついた時点で議論に参加する」という趣旨の発言をし、参加者たちを困惑させる。インドのような立場の国が多く存在するのも事実である。そうした状況を、ゴアをはじめとする関係者の懸命なロビー活動によって説得し、画期的な「パリ協定」が締結された様子を映画は写し出した。これで地球の将来に希望が持てたかな?と思われたのだが、映画は最後にアメリカでドナルド・トランプが大統領に当選し、彼が「アメリカはパリ協定から離脱する」と宣言したことを伝えて映画は終わった。

 ある意味、妙に劇的な映画の終わりなのだが、このことはその後において地球温暖化の勢いがいっこうに止んでいないことに表されているように思われる。

 今回は映画が比較的長かったこと、ナビゲート役のO氏が地球温暖化について詳しい説明をされたことなどから、感想や参加者の意見を聞く時間を取れなかった。次回にはぜひ参加者同士の交流が出来たらと思っている。

   

※ ゴア氏は世界各地で地球温暖化のための講演をされているようです。

 さて、映画の中で主題の一つともなった「パリ協定」であるが、ナビゲート役のO氏が提供してくれた資料によると、次の通りである。

「参加195ヵ国が、世界の気温上昇を産業革命前に比べ2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする。そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる」という長期目標に合意した。採択は2015年、2016年に発行し、2020年より本格的にスタートすることとした。

 次回(新年1月24日)のナビゲート役は私である。今年初めN HKスペシャルとして放送された「未来への選択~暴走する温暖化脱酸素” への挑戦」を視聴教材とする。前述したようにできるだけ参加者交流の時間を多くとり、互いの想いを交流したいと考えている。その様子をまたレポしたい。

※ 掲載写真は全てウェブ上から拝借しました。 


泣ける話、泣いた話  アンガールズ田中卓志の話

2021-11-23 16:26:14 | その他

 Yahooニュースをかなり愛読している。昨日、お笑いコンビの「アンガールズ」の田中卓志さんのエピソードが載った。そのエピソードを読んでいるうちに胸が熱くなり、読み終えた私の目には涙が浮かんでいた…。

 私のニュースソースは他の方々と同様に新聞・テレビが主である。そうした中、最近はちょっと時間が空いた時などにスマホのYahooニュースに目をやることが多くなってきた。

Yahooニュースは政治や経済ネタより、芸能やスポーツネタが多いように思われるが、空いた時間に見るには肩が凝らなくて良いということも目をやる理由である。

          

※ お笑い芸人の田中卓志さんです。

 そんなYahooニュースに昨日スタジオ中が涙 アンガ田中がバラエティ番組でみせた母親への愛情」という話題が載っていた。アンガールズの田中さんたちの漫才?コント?を見ることはほとんどないのだが、時々テレビに出ている田中さんを見ると、芸人仲間からいじられているような場面が多い。そのことを田中さんはどこかで喜んでいるようにも感じているところに私は好感を抱いていた。

   

※ お笑いコンビ「アンガールズ」で相方の山根良顕さんと芸を披露する田中卓志さんです。

 私が好感を抱いている田中さんのエピソードであるから、多少バイアスがかかっているかもしれないが、まずは記事の全文をぜひお読みいただきたい。(どこにも断りなく転写させていただいた)

スタジオ中が涙 アンガ田中がバラエティ番組でみせた母親への愛情

 お笑い芸人・アンガールズの田中卓志による、ちょっと哀しいのにクスリと笑える日常とは?文芸誌「小説新潮」の連載で明かされた可笑しみと悲哀がにじむエピソードを公開します。今回のテーマは「最高の食事」です。

 食事というものは、毎日のことで何気なく過ぎて行く。けれど、毎日の積み重ねだからこそ、色んな想いが詰まっていて、時にその感情が意外な形で僕の前に飛び出してくることがある。

 僕は一人暮らし歴がもう26年になり、年齢が45歳なので、一人で暮らしてきた時間のほうが長い。ここまで来ると、一人でご飯を食べるということに全く寂しさを感じない。よく芸人同士、仕事が終わると今日の収録の話や、他愛もない話をするために、みんなでご飯に行くことがあるけれど、それが大好きな芸人もいれば、正直それがなくてもいい芸人がいる。僕はどちらかといえば後者に近いと思う。

 さっと家に帰ったら帰ったで、一人で好きなテレビを見たりゲームをしたり、そんなことをするだけで十分楽しいからだ。ただ、自分の中でテンションが上がる食事というのはある。たとえば焼肉や寿司、それから牛丼!

 お笑い芸人を始めた頃、お金がなくて節約していたために、月に一度だけ贅沢として、牛丼屋さんの牛丼を食べてもいい日を作っていた。普段は食パン半分とか、袋入りのラーメン(出前一丁やサッポロ一番みそラーメン)を半分に折って、スープの素も半分だけ使って、一袋で2食分にして食べていたりしたから、その、月一度の牛丼の日に食べる牛丼がたまらなく美味しかった。たぶんそのせいで、今も牛丼を異常に食べたくなる日があるのだと思う。

 そんな生活をしていたから、188センチの身長で58キロまで体重が落ちた。若い頃の自分の写真を見ると、頬がめちゃくちゃ凹んでいて、太ももがめちゃくちゃ細くて、脚が上から下までずっと同じ太さで、ロボット兵みたいだった。あの頃にだけは戻りたくない。

 テンションが上がる食事の一つに、ホカ弁も入っている。うちの近所のホカ弁屋さんは早くに閉まってしまうので、なかなか仕事終わりに買うことができないから、個人的にレアな食事なのだ。ある日、閉店ギリギリに弁当屋さんにかけこんで、海苔ミックス弁当を手に入れた。ご飯の上におかかがびっしり載っていて、それを海苔で綺麗に覆ってある。あとは唐揚げ、ハム、ケチャップスパゲティ、白身魚のフライ、サラダ。一人暮らし男子としては、こんなに沢山の品目を食べられる弁当は最高の食事である。お味噌汁もサービスで付いて来る日だったので、心を躍らせ嬉しさを感じながら家に向かう。右手に持っているビニール袋を、お弁当が入っているのに前後に振ってしまうくらい、浮かれていた。

 最高の気分でマンションに着き、オートロックのドアを開けて入ったところで、同じマンションに住んでいる友達の芸人、ロバートの山本君が前から歩いてきた。山本君の後ろには、お子様を連れた奥様もいた。そのとき、僕の中に今までなかった気持ちが湧いてきた。『ああ、山本君は、このあと奥様が作った美味しいご飯を食べるんだ……しかも、今日だけじゃなくて、明日も明後日も』そう考えると、最高の食事だと思っていた海苔ミックス弁当の価値が、どんどん下がっていった。全く価値の無いものにすら見えてきて、これを持ってウキウキしていた自分がものすごく恥ずかしくなった。そして即座に、海苔ミックス弁当が入ったビニール袋を、太ももの裏に隠した。必死に山本君と弁当の対角線上に太ももが来るようにしていたので、おそらく山本君には、エロ本かなんかを買ったのかな? と思われたかもしれない。そのまま山本君夫婦に挨拶をして、僕は自分の部屋に入った。一人暮らしなんて何にも寂しくないと思っていたけれど、それは強がっていただけ、というのを自覚させられてしまった悲しさに打ちひしがれながら食べる海苔ミックス弁当は、味がなんだか薄くて、中でも元々味が薄い白身魚はほとんどなにも感じなかった。

 お弁当にまつわる話がもう一つある。それは某バラエティ番組に参加した時の話で、何人かの芸人とその母親も一緒に出演していた。母親は息子が小さい頃に作っていたお弁当を再現して持って来ており、それを色々なタレントさんが見て、食べたいと思うお弁当を順に指名していく。選ばれたら抜けていき、最後に誰のお弁当が残るのか?という趣旨の企画だった。僕の母親が提出したお弁当を見ると、本当に僕が中学生や高校生の時に食べていたお弁当そのままで、冷凍の唐揚げ、プチトマト、卵焼き、白いご飯、半分に切ったみかんなどなど、一切テレビ的な演出の入っていない、無防備なお弁当だった。収録は進み、僕の母のお弁当はなかなか選ばれないまま、最後の2択にまで残ってしまっていた。僕の母親はこれまでにもしょっちゅうテレビに出演していたし、バラエティにも慣れていて、毎回驚くほど笑いをとって帰るので、正直、どう転ぼうが心配ないと思っていた。そして、最後の判定でタレントさんが選んだのは母のお弁当ではなかった。母のお弁当は最下位になった。選ばなかった理由を尋ねられたタレントさんは「冷凍食品が入っていて愛情を感じられない」と言った。タレントさんも何か言わなければならないから、仕方なくそう理由を言ったのだろうし、悪くはない。それを聞いて、「さあ母の面白いコメントが出るぞ!」と思いながら待っていると、どんな状況でも強気で笑いを振りまいてきた母が落ち込んでしまっていた。いつもの笑顔が消えて、ただうつむいていただけだった。これを見た瞬間、僕はヤバイ……と思った。確かに母はバラエティモンスターかと思うくらい面白い人だけど、芸人ではない。特にこういう母としての愛情を問われることに対してうまく返せるような強さは持ち合わせていない、一般の人だということを忘れていた。あまりに母が強い人だから大丈夫だと思いこみすぎていたことに気づき、僕はここから、自分のバラエティ人生の中でも3本の指に入るくらいの、大立ち回りをする!「おい!お母さん落ち込んでるだろ!冷凍食品がダメとか言うけどな、うちのお母さんは共働きで看護師をやっていて忙しかったんだよ!3交代で忙しい中、弁当も作ったから、冷凍食品くらい入るんだよ!でもな、身長を一番伸ばしたのはこの弁当だ!」すると、母は涙を流していた。

 看護師時代の母は、朝8時に出て行って夕方帰ってきてから僕たちのご飯を作ったり、準夜勤だと16時から病院に行って0時に家に帰ってきたり、23時に病院に行って朝9時に帰ってくることもある、生活が不規則になる大変な仕事をしていた。なかなか親への感謝の気持ちなど伝えるタイミングがないから、こんな状況がきっかけといえど、お弁当を3人兄弟分きっちり作ってくれたことに感謝していたと言えて良かったと思ったし、自分が働くようになって、仕事をしながら子育てするなんて凄すぎるな~と感じていた矢先でもあったので、そういう尊敬の言葉がスルスルと出てきた!たぶん、仕事が暇な頃だったら、そんな言葉は出なかったと思う。それを言い放った勢いで、スタジオで母のお弁当をバクバク食べて「母ちゃん美味いぜ!」と言うと、母はありがとうと答えてくれた。この状況がウケたので、これで何とかなった!と思いホッとしていると、周りの他の芸人のお母様がみんな泣いていた。これで番組的なオチもついて、結果的には全てが上手くいった。  

 ここまで読んでもらったら、自分の好感度も上がるような気がするけれど、この大立ち回りをした人物は、過去に家族に嘘をついて芸人になり、母親を泣きながら膝から崩れ落ちさせたことがある人物と同一人物なので、お忘れなく。

 *** 田中卓志(たなか・たくし) 1976年広島県出身。広島大学工学部第4類建築学部を卒業後、2000年に山根良顕と「アンガールズ」を結成。ネタ作りを担当している。紅茶、苔、バイオリンなど多趣味でもある。

 どうだったでしょうか?私は前述したように読み終えた後に不覚にも涙を流していた。まあ年齢と共に涙もろくなってはいるのだが…。このエピソードには彼の人となりができてきた背景が隠されているように思えたのだ。そして最後の三行はいかにも田中らしいオチである。そこに彼の人の良さ、頭の良さが表れているように思えてならない。

   

※ 田中の母、三枝子さんがテレビに出演した一コマのようです。

田中卓志…、私は君に何も具体的な応援はできないけれど、きっといつも心の中で「これからも私たち庶民の心を癒してくれ!」と陰ながらの声援を送り続けたい。

※ 掲載した写真は全てウェブ上から拝借しました。


NHK札幌放送局の新社屋で8K大画像を観る

2021-11-22 19:05:12 | ステージ & エンターテイメント

 その画面280インチ、目測で縦4m、横6m は優にあったと思われる大画面は迫力十分だった。しかも細密な画面は驚くばかり、映画を観ているのとまったく変わりのない美しい画面を堪能した!

   

※ 北1条西9丁目に新築されたNHK札幌放送局の全景です。

 昨夜(21日)午後6時から未来への17action × NHK音楽祭2021「地球の未来コンサート」という8K向け番組が東京から放送されたものを、新装なった NHK札幌放送局の「8K公開スタジオ」で受信公開するという催しに参加した。

        

 「8K公開スタジオ」はNHK札幌放送局の新社屋の1階ロビーの最奥部に位置していた。私が入場したのは時間前だったのだが、8K向けのビデオ(と思われる)が流されていた。内容は高野山の風景や宝物などを写し出したものだったが、映画と見紛うような美しい画面に驚かされた。

    

※ 私が映した「8Kスタジオ」と画面の様子です。

 午後6時、コンサートが始まった。コンサートは「地球の未来コンサート」と銘打つようにSDG’sをテーマとしたものだった。

 司会をピアニストの清塚信也さんとNHKアナの林田理沙さんが担当し、出演は出演順に池田綾子、MORISAKI WIN、三浦透子、清塚信也、ミトリーズ、大木信夫、AIと多彩なミュージシャンが登場した。伴奏はNHK交響楽団の選抜メンバーが務めた。悲しいかな私は誰一人として知ったミュージシャンはいなかった。それだけ私が現代のミュージックシーンからは離れてしまっていることを思い知らされた。さらにステージには合間を縫って宇宙飛行士の油井亀美也氏がゲストとして登場し、地球を外から見た素晴らしさを語った。

    

※ NHK札幌放送局新社屋一階の来場者向けのロビーの様子です。

 私は習性もあって コンサート中に薄暗い室内で楽曲名を懸命にメモし続けたので、ここに記録しておきたい。

◆池田綾子     「心旅」、「瑠璃色の地球」

◆MORISAKI WIN 「星がめぐり合う夜に」、「Heal The World」

◆三浦透子       「ブルーハワイ」、「愛にできることはまだあるかい」

◆清塚信也     即興演奏「Message for Earth」

◆ミドリーズ    「ツバメ」

◆NHK交響楽団  「ドボルザーク弦楽五重奏」、「地球の未来スペシャルメロディー」

◆大木信夫     「ALMA」、「世界が終わる夜」

◆AI       「ハピネス」、「アルデバラン」

最後に全員で    「見上げてごらん夜の星を」

 以上で1時間40分にわたるコンサートは終了した。知らないミュージシャンばかりだったが、印象に残ったのは両親ともにミャンマー人なのに、日本人のように上手に日本語を操ったMORISAKI WINはきっと若い人たちから支持を集めているのではと思われた。また、ロックバンドACIDMANを率いる大木信夫の歌唱力の素晴らしさは、他を圧していたように私には聴こえてきた。 

 どのミュージシャンも自分の曲やカバー曲によってテーマに沿った選曲をし、私たちの棲む地球の素晴らしさを讃えた曲の数々であった。またバックの大画面に映し出される映像も鮮やかな地球の姿を写し出すものだった。

  

※  この写真は8Kの大画面の迫力を伝えるために、NHKのHPから拝借した写真です。

 今後、NHK札幌放送局の「8K公開スタジオ」がどのように使われるのか、知る由もないのだが、スタジオを場所から考えると日常的に公開されるのではとの期待も抱く。札幌にお住いの皆さんにはぜひ一度8Kの大画面を体験してみることをお勧めしたい。    


札幌景観資産⑯  指定第8号「八紘学園栗林記念館」 & 指定第9号 「八紘学園資料館」

2021-11-21 15:01:57 | 札幌景観資産巡り

 八紘学園は1933(昭和8)年、北海道の農業人を育成することを目的に設立された私立の専門学校である。(現在は北海道農業専門学校)その八紘学園に関係する二つの施設が札幌景観資産に指定されている。

   

 「八紘学園栗林記念館」は、別称「吉田善太郎別邸」となっている。しかし、そもそもは八紘学園創設者の栗林元二郎の自邸だったようだ。このあたりはやや複雑なのだが、詳しくは判然としないが、私は次のように推理した。この建物は1909(明治42)年に建設されている。建設当時は吉田善太郎氏の別邸だったのだろう。ところが吉田氏は1916(大正5)年に没している。その後の1933(昭和8)年に栗林元二郎氏が八紘学園を創設しているのだ。八紘学園の創設に当たり、栗林氏は吉田氏が所有していた農地を購入して創設したことから、吉田氏の別邸を自邸として使用したのだろう。そして栗林氏の死後に吉田氏の子孫が買い戻したのではないだろうか?これはあくまで私の推測であることをお断りしておきたい。

   

※ こうした巨石が前庭にはたくさん置かれています。

   

※ 遠くには馬の銅像も置かれていました。

 さて、記念館はその敷地の周りを高い塀(金網製)で囲っていて、内部には足を踏み入れることができない。この記念館の第一の特徴は記念館の庭におびただしい巨石が置かれていることである。巨石が1~2個なら他でも目にすることがあるが、この庭ほどたくさんの巨石を一か所で目にできるところは珍しいのではないか。

 その奥にある記念館(別邸)の方は遮られた門から遠くて木々の陰から微かに見える程度だった。

   

※ 敷地の裏側に回って金網越しに撮った旧吉田善太郎別邸(栗林記念館)です。

   

※ ウェブ上から拝借した正面から見た吉田善太郎別邸です。

 実は私は2015年7月に「めだかの学校」の学習の一環として、この記念館の内部を見学させていただいたことがある。内部には吉田氏が蒐集した馬の彫塑品、美術品、民芸品などが展示されていた。ただ、全体として展示品は未整理の状態のように見えた。

 なんとか整理して公開されないものかと思ったのだが、今日までそのような状況になっていないのは少し残念である。

 なお、その見学時も内部の写真の公開は慎んでほしいと要請があったために、当時のブログでも(その時のブログはこちら⇒)掲載はしていない。

八紘学園栗林記念館(旧吉田善太郎別邸) 情報》

◇所在地 札幌市豊平区月寒東1条12丁目3-48
◇建設年 1909(明治42)年

◇構 造 木造

◇指定年 2006(平成18)年3月7日

◇その他 内部は非公開

◇訪問日 2021年11月21日

    

 「八紘学園資料館」は「八紘学園栗林記念館」と道路一つを挟んで向かいに建っている。札幌軟石を使用した2基のサイロが並んで立ち、その横に続いて木造の倉庫が続いている。建物は1904(明治37)年に建てられたとされるので、当初は八紘学園のものではなく、吉田善太郎氏の牧畜のために建てられたと推測するのが正しいのだろう。その後昭和18年頃に改築されたとされているので、その際は八紘学園のために改められ、現在のように姿になったようである。

   

        

 石造りのサイロは一時北海道の牧歌的風景を象徴するような建物だったが、今ではすっかり姿を消してしまった。八紘学園のサイロは、当時の光景を思い出させるようにして二基が並んで立っていた。

   

※ 倉庫の裏側を見てみると、現役のトラクターが置かれていて敷地はいまだに使用されているようです。

 なお、私はこちらの資料館の方も2015年の時に見学させていただいている。内部は北海道にあって当時では先進的だった歴代のトラクターが並べて展示してあったのが印象的だった。 

   

《八紘学園資料館(旧吉田牧場畜舎・サイロ) 情報》

◇所在地 札幌市豊平区月寒東1条13丁目3-16
◇建設年 1904(明治37)年 

◇構 造 木造(畜舎)、石造(サイロ)

◇指定年 2006(平成18)年3月7日

◇その他 内部見学可 ※事前に許可が必要です

◇電 話 011-851-8236(八紘学園)

◇訪問日 2021年11月21日