屯田兵として札幌に最も早く開拓の鍬を入れた琴似屯田兵の生活を “味わう” フェアが琴似で開催されていると知りさっそく駆け付けてみた。ジャガイモの塩ゆでや、みそ汁など素朴な味を楽しみ屯田兵の生活を偲んだ。
琴似屯田兵は私にとっても特別な存在である。というのも、今年は私が所属する「めだかの学校」が主催する野外講座「さっぽろの古を訪ねて」のテーマを「北の守りと開拓を担った屯田兵の史跡を辿る」として、札幌近郊に存在する5つの屯田兵村跡を訪ねる計画を立て、その第1弾として「琴似屯田兵村」の関連施設を訪ねる計画をしていた。ところが折からのコロナ禍のために未だに実施できずにいる現状である。
※ 会場のホテルコトニの建物です。この屋上が会場でした。
そうした中、表記フェアの存在を知り本日さっそく駆け付けてみたのだ。会場は「琴似屯田兵村兵屋跡」(この施設ももちろん訪ねる計画である)の隣に位置する「ホテルコトニ」の屋上ガーデンだった。
※ 手前が「琴似屯田兵村兵屋跡」で、その奥のレンガ色の建物がホテルミトニです。
屋上ガーデンではBBQなどの食材とともに、屯田兵ゆかりの「屯田おろし唐揚げ」、「屯田冷やし味噌汁」、「ジャガイモの塩ゆで」の3品がいずれも100円という格安の料金で提供されていた。私はもちろん3品とも注文した。
※ 会場のホテルコトニの屋上ガーデンです。
唐揚げはダイコンおろしが絶妙のアクセントとなって現代っ子には最も人気がある一品かもしれない。冷やし味噌汁はダイコンと小松菜が入っていたが、冷たい味噌汁というのは私にとっても珍しい一品だった。昭和20年代生まれの私にとってはジャガイモの塩ゆでがとても懐かしかった。その昔、ジャガイモの塩ゆでは小腹を満たすおやつの定番だった。いずれもが屯田兵の人たちの生活を偲ぶ品々だった。料理を提供してくれたスタッフによると、材料のジャガイモやダイコンなどはホテルの隣にある「琴似屯田兵村兵屋跡」の敷地にある畑から収穫されたものであるであるとのことだった。ホテルの屋上からはその畑が一望できた。
※ 屯田おろし唐揚げ
※ 屯田冷やし味噌汁(中にダイコンと小松菜が具として入っています)
※ ジャガイモの塩ゆでです。
そしてホテルのフロントでは「琴似地区歴史探訪ガイド」と「琴似屯田兵村兵屋跡」のパンフレットが提供された。
ちょっと意外だったのは、訪れている人が少なかったことだ。主催は地元の町内会や商店街などでつくる琴似地区まちづくり協議会ということだが、地元の人たちへのPRが足りないのだろうか?それとも琴似の人たちの関心が低いということなのだろうか?
いずれにしてもイベントそのもののねらいは素晴らしいと思う。内容に工夫を加え、積極的にPRすることでフェアを継続させていってほしいと願いたい。