田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 ナディアの誓い №256

2019-11-30 19:01:55 | 映画観賞・感想

 ナディアはイラク北西部の山岳地帯に生まれ、少数民族ヤジディ教を信ずる民族の一人だった。そのヤジディ教がイスラム教の過激派組織ISIS(イスラム国)の標的となった。そこからナディアは過酷な運命を辿る…。

                

 11月30日(土)午後、エルプラザホールにおいて国連UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)協会主催による映画「ナディアの誓い」の上映会があり参加した。

 ナディア(ナディア・ムラド)は2018年のノーベル平和賞を受賞して一躍時の人となった方である。ナディアは写真で見るとおりまだ若く(当時23歳)清楚な美人であるが、その実はヤジディ教徒であったために過酷な運命に翻弄された。

          

          ※ ナディアの両側にいる二人の男性はナディアの活動をサポートする重要な二人である。

 2014年夏、当時シリア、イラクなどを席巻していたISISはイスラム教と教義を異にするヤジディ教を殲滅しようと分け入り、虐殺によって母親と6人の兄弟を殺されてしまう。少女や女性は戦利品として扱われ、ナディアも性奴隷として3ヵ月間扱われたが、なんとかそこからの脱出に成功しドイツに逃れた。2015年12月の国際連合安全保障理事会の場で、ISISの虐殺や性暴力に関する証言を行ったナディアは、ヤジディ教徒の希望の存在となった。普通の生活に戻ることを望みながらも、まだ捕らえられている同胞や世界中の性暴力被害者のため、表舞台に立ち続けることを決意したナディアの揺るぎのない決意をカメラが追っていくドキュメンタリーフィルムである。

          

          ※ 国連の会議で参加者の発言に耳を傾けるナディアです。

 ナディアの活動は多くの共感を呼び2016年には国連親善大使に指名され、やがてそれは国連総会でスピーチする場を与えられた。そうした活動がノーベル賞委員会からも認められ、2018年のノーベル平和賞受賞にも繋がったものと考えられる。

 ISISの残酷さについては、私もメディアの報道などで多少は知っていたが、そこで知る以上に残酷無比の実態であることをナディアは訴えている。我が国においては○○ハラスメントという言葉が流行のように唱えられ、一人一人の人権を尊重する雰囲気が高まっている中、世界ではまだまだ人権などを虫けらのごとく軽んじられている国や地域があることに愕然としてしまう。

          

          ※ 国連総会の開会式で各国代表に訴えるナディアです。

 ナディアはけっして声高に叫ぶのではなく、むしろ切々と訴えるところに、彼女の訴求力のようなものを感じる。彼女を清楚な美人と称したが、映画の中で彼女をアップした時に、彼女の肌や表情からは年齢以上に疲労し、苦労されてきたことをうかがわせるものだった。ナディアが年齢同様に若々しい肌と表情を一日も早く取り戻すことができる日がやってくることを願いたい。

 

 


映画 アルジャーノンに花束を №255

2019-11-29 15:40:32 | 映画観賞・感想

 映画を観終えて、なんともすっきりしない複雑な気持ちが残った。映画は主人公に哀しい結末のバットエンドが用意されていた…。ヒトの知能指数を手術などによって変えることってどうなんだろうか?

          

 11月26日(火)午後、かでる2・7において「懐かしのフィルム上映会」があり参加した。今回取り上げられた映画は2006年製作の「アルジャーノンに花束を」というフランス映画だった。

 映画は脳を手術し、薬を投与することによって劇的に知能指数を向上させることによって生じる悲喜劇を描くというストーリーである。原作はアメリカの作家ダニエル・キイスによるSF小説だそうである。

 知的障害を持つ青年チャーリィ(ジュリアン・ボワッスリエ)は、かしこくなって、周りの友達と同じになりたいと願っていた。他人を疑うことを知らず、周囲に笑顔をふりまき、誰にも親切であろうとする、大きな体に小さな子供の心をもった優しい青年だった。そうした中で、動物実験で脳手術を受けたハツカネズミの「アルジャーノン」は驚くべき記憶・能力を獲得する。それを知ったチャーリィは周りの勧めにしたがって人間に対する臨床試験の第一号になることを承諾した。

       

    ※ 主演のチャーリィ役を演じたジュリアン・ボワッスリエ。写真は知的障碍者を演じているときです。

 手術は成功し、チャーリィの頭脳は劇的に向上し、生活は一変する。チャーリィは望み通り多くの知識を得、難しい問題を考える楽しみを獲得し、恋も経験する。しかし、知能は向上したものの心(感情)は幼いままだった。そのアンバランスが多くの悲喜劇を巻き起こしてしまう。さらにはチャーリィの先達(?)だったアルジャーノンに退行現象が見られるようになり、チャーリィはアルジャーノンの姿に未来の自分の姿を想像し、思わず握りつぶして庭に埋めてしまう。やがてチャーリィもアルジャーノン同様に退行が始まり、ついには元の知的障碍者に戻ってしまう。そしてチャーリィは自ら握りつぶしてしまったアルジャーノンを埋めたところに「花束をささげてほしい」と言い残し障害者収容施設に向かうのだった…。

          

          ※ アルジャーノン役を演じた(?)ハツカネズミ君です。

 作家ダニエル・キイスによって原作が発表されたのは1959年である。当時は手術によって知能を向上させるというようなことは夢物語であり、まさにSFチックな話である。しかし、現代ではどうだろうか?この物語のような極端な例ではなくとも、医学的にはそれに近いことが試されている現実はないだろうか?あくまで医学的にヒトを悲劇から救うという名目において…。さらには私たちが日常で知り得る例としては整形手術などもその範疇なのかもしれない。

 映画はフランス映画らしく人の心情の機微を描く秀作だったが、観終わった私には複雑な思いが残った。それとは別に、主演のジュリアン・ボワッスリエの知的障碍者でIQ65のときと、IQ185の知能を持つ天才になったときの両方を見事に演じきった演技力には感嘆した。


地域包括支援センター??

2019-11-28 15:28:42 | 講演・講義・フォーラム等

 「地域包括支援センター」なる存在を知っている方はどれくらいいるだろうか?私と同年代、あるいは肉親などを介護支援されている方はご存じだろうが、若い方々にはその存在すらご存じない方もいるのではないだろうか?

        

 私が学ぶシニアの生涯学習グループ「めだかの学校」では、後期講座の一つとして出前講座「これからに備えて」というテーマでの学習が始まっている。

 10月28日、11月25日の2回は「介護保険制度について」、「介護保険以外のサービス」という二つの講座を地域包括支援センターの社会福祉士を招いて学習した。

 私が「地域包括支援センター」の存在を知っているといっても、少子高齢化時代を迎えて地域の繋がりが弱まっている中で、再び地域の力を蘇らせようと、その支援を行う窓口だと理解してきた。そこで改めて地域支援センターのことを調べてみると「介護・医療・保健・福祉などの側面から高齢者を支える『総合相談窓口』です。」と出ていた。つまり高齢者が抱える問題が発生した時には、それぞれの地域に設置されている地域包括支援センターの窓口へ行って相談するシステムとなっているようだ。現在のところはまだセンターにお世話になるには至っていないが、やがて私もセンターにお世話になる日がやってくるのだろう。しかしできれば少しでも健康寿命を延ばしたいものだ。

 講座を受講して初めて分かったことがあった。それは地域包括支援センターが市町村の直轄ではなく、市町村から委託を受けた社会福祉協議会の所轄であるということだった。したがって、そこに勤める職員も公務員ではなく、団体職員ということだ。このことがどう影響するのか、私には測りかねるがより良い仕組みとして設立されたものであってほしい。

 介護保険の内容については、複雑すぎて内容を熟知するまでには至らなかった。自分や周りに切実な問題としてのしかかってきたときに、まずは地域包括支援センターの窓口を訪れることだと今回の講座で教えられた。

 講座では、介護保険以外のサービスについて知ることができた。内容を伺っているとサービスの内容は市町村によって違っているようだが、身体が不自由となった高齢者に対するさまざまなサービスが実施されていることを知ることができた。私の率直な感想は、日本の社会福祉についてはいろいろ言われるところもあるが、「けっこうセーフティーネットはしっかりしているのでは」と感じたのは甘すぎるだろうか?

       

       ※ 講座を担当していただいた社会福祉士の渡邊優美氏はやさしく丁寧に講義していただいた。

 というのも、講座の最後に講師とのQ&Aコーナーとなったとき、実際に介護に携わっている人や、町内会でお世話係をされている方から、実際の運用にかかわって苦情や要望が出てきたところにこの仕組みの難しさがあるのかもしれない。

 講座の趣旨である「これからに備えて」ということであれば、もう少し真剣に受講し、介護保険のサービス、その他について熟知せねばならないのだろうが、私の場合はどこかに「まだまだ」という思いがあるようである。そんなことではいけないのだが…。

 

 なお、老後問題については、ブログ「夢逢人かりそめ草紙」が連日さまざまな角度からレポされている。興味のある方はそちらを参照されることをお勧めします。https://blog.goo.ne.jp/yumede-ai


きのとやファーム店 本日オープン!

2019-11-27 18:28:37 | 札幌Cafe紀行

 「たまごかけごはん」がこんなに美味しいものなんだと初めて知った思いだった。長時間寒い戸外に並んでようやく入店できた「きのとやファーム店」に併設された「きのとやカフェ」で卵かけご飯に舌鼓を打った…。

             

            ※ 行列に並んでいるときにスタッフから手渡されたオープンのパンフレット

 久々の食(店)レポである。洋菓子の専門店「きのとや」が新しいコンセプトの店をオープンしたと聞いた。そのコンセプトとは…

 おいしいお菓子のために、始めたこと。

 お菓子作りに必要な主な素材は、たまご、ミルク、バター、生クリーム、佐藤、小麦粉など、酪農や農業から授かる“大地の恵み”です。なかでも「たまご」と「ミルク」にこだわり、きのとやは、直営の養鶏農場と酪農農場「ユートピア」を始めました。

 “おいしいたまごとミルクから、おいしいお菓子を作る”そんな夢がふくらんで、きのとやファーム店が誕生しました。

       

        ※ 「きのとやファーム店」の全景ですが、よ~く見てください。店の周りを入店を待つ客が並んでいます。

 新しもの好きの私は車で40分かけて清田地区に開店した「きのとやファーム店」に向かった。すると店の前は長蛇の列だった。いまさら引き返せない。寒空の列に並ぶこと50分、ようやく店内には入れたのだが、店内でもまたまた長蛇の列…、菓子を購入できるところまで到達するのにさらに30分はみてほしいとスタッフが言っていた。すると意外や意外!併設のカフェの方は直ぐには入れるというではないか!「きのとやファーム店」限定品(オムレット、たまごプリンなど)がすでに売り切れと知らされていたこともあり、急遽予定を変更してカフェに直行した。

      

      ※「きのとやカフェ」です。こじんまりした客席20席程度の店内です。

      

      ※ カフェから見える庭です。外側から撮っています。夏にはテラス席もできるようです。

 カフェでのねらいは、このカフェの呼び物の一つ「ユートピアのたまごかけごはん」(税込み500円)である。私は迷いなく卵かけご飯と「たまごポテトサラダ」「ユートピアのおいしい牛乳」をオーダーした。

 やがて提供された「ユートピアのたまごかけごはん」は、ごはんが普通盛り、たまご2個、香の物4品にほうじ茶が付いていた。(スタッフからはごはんが1杯までおかわりできますという案内があった)

      

      ※ これが絶品の「ユートピアのたまごかけごはん」です。左上は特注の「たまごポテトサラダ」です。

      

      ※ お勧めの「ユートピアのおいしい牛乳」です。

 たまごをかき混ぜて解き、醤油(こだわりの醤油とか)を軽くかけて、さっそくいただいたところ、これが旨い!! 私はふだんの生活で卵かけご飯など食べることがない。数年に一度日本旅館に泊まったときの朝食に生卵が付いてきたときに食べるくらいで、どちらかというと苦手にしていたのだが…。それがなんの副食品もないのにすいすいと喉を通るのだ。香の物4品もそれぞれ上品で口直しにはちょうど良かった。たまごが2個付いているということは「おかわりをどうぞ!」という意味と解するが、それほどお腹が空いていたわけではなかった私はおかわりは辞退した。

 「たまごポテトサラダ」はゆで卵がたっぷりと入っていたが、これは必ずしも必要がなかったかな?という感じである。食後に出してもらった「ユートピアのおいしい牛乳」はくせがなく美味しい味だった。牛乳もふだんはほとんど飲まない。しかし、着席した際に「ユートピアのおいしい放牧牛乳」との案内があったので、試しにとオーダーしたのだが、キャッチコピーに偽りはなかった。

 レジで精算を済ませると、オープン記念ということで「ユートピアのおいしいたまご4個入」がプレゼントされた。 

     

 ※「きのとやファーム店」限定の左から、「オムレット」、「たまごのプリン」、「プレミアムザクザク」です。(HPから拝借)

 清田地区は我が家からはちょっと遠いが、限定品の「おいしいたまごのオムレット」(税込324円)、「おいしいたまごのプリン」(358円)、「放牧牛乳のプレミアムザクザク」(270円)、近日発売予定という「ユートピアのおいしい飲むヨーグルト」(価格未定)を試食・試飲するために是非とも再訪したいと思っている。

       

  ※ こちらもHPから拝借したいかにも美味しそうに見える「ユートピアのたまごかけごはん」です。(さすがにプロですね)


琴似工業高校定時制演劇部公演「ロボタン」

2019-11-26 16:50:31 | ステージ & エンターテイメント

 平成27年度に全道高校演劇で最優秀賞に輝き、私に深い感動を与えてくれた琴似工業高校定時制演劇部がTGF(札幌劇場祭)のステージに登場すると知り、「さっぽろスクール音楽祭」を中座して駆け付けたのだが…。

         

         ※ 開演前のステージを撮らせてもらいました。

 11月24日(日)15時から「シアターZOO」において、琴似工業高校定時制演劇部の「ロボタン」と題する演劇が上演されたので期待をもって出かけた。

 事前に配布された資料によると、劇の内容は次のように紹介されていた。

 「工業高校定時制ロボット研究部。ほぼ活動休止状態。たった二人の部員がなんとかしてロボットコンテストに出場したいと考えるが、肝心のロボットを作ることができない。一人が講じた禁じ手の秘策。常識の通じない乱入者を加えロボットコンテストを目指すが…。」

 私の感想をはじめに述べれば、期待が大きかっただけに「やゝ、残念かな…」というのが正直な感想である。その大きな要因は酷なようだが、やはり脚本にあるのかな?と思われた。これまでも何度か触れたことがあるが演劇、特に高校演劇において優劣を分けるのは脚本の力にある、と私は思っている。その点、前述した内容の紹介のように劇が展開されていないように私には思えたのだ。演じた3人の部員は十分に熱演していたし、観客の心も掴んでいたように思えた。

          

          ※ 今回出演した3人のキャストです。HPから拝借しました。

 しかし、高校演劇がおかれている状況は部員確保が大変だと伺っている。そうした中でも生徒数そのものが激減しているという定時制高校において部員がたとえ3人とはいえ活動を継続し、札幌劇場祭に堂々と参加している姿に感動をおぼえる。

 前述した感想も年齢が大きく離れたお爺ちゃんが抱いた感想であって、会場内では若い観客を中心にキャストの演技に笑いも生まれていた。終演時には大きな拍手に包まれたことから公演そのものは成功だったといえる。

 ただ一言、お爺ちゃんファンから要望を伝えるとすると、ストーリー展開において紹介記事にあるようなシーンを挿入することで観客の理解を得るという手法をぜひ取り入れてほしいなぁ、と思った。

 状況は厳しいのかな?と思われるが、これからも琴似工業高校定時制演劇部が長く存続し、元気な舞台を見せてほしいと思う。その際はぜひ駆け付けたいと思っている。


第15回 さっぽろスクール音楽祭

2019-11-25 18:16:55 | ステージ & エンターテイメント

  音のシャワーを浴び続けた半日だった。札幌市内の小・中・高校で音楽活動をしている団体が年に一度一堂(キタラ)に会してその成果を市民に披露する「さっぽろスクール音楽祭」を楽しんだ。

         

     ※ 「合唱」の部の最後に参加した小学校の合唱クラブ全員による全員合唱があり、大きな歌声が会場いっぱいに響いた。

 札幌では11月中にSAPPORO ART STAGE 2019と称して、音楽、美術、演劇など文化的催しを集中して開催している。その一環として札幌コンサートホール(キタラ)において「さっぽろスクール音楽祭」が開催された。     

 音楽祭は「合唱」と「器楽・吹奏楽」の二部構成となっていて、参加団体は「合唱」においては小学校が7校、中学校が3校(1校だけ小学校と合同で)、高校が2校の計13団体が参加した。「器楽・吹奏楽」は小学校が11校、中学校が13校、高校が3校の計27団体が参加した。このほか、特別演奏としてHBCジュニアオーケストラとジュニアオーケストラ浜松が管弦楽の演奏をした。ということで総計42団体が参加するという大音楽祭だった。

        

        ※ HBCジュニアオーケストラの演奏です。

 私は音楽祭の初めから午後2時30分まで各団体の音に耳を傾けたのだが、この日同じ「SAPPORO ART STAGE 2019」に参加している琴似工業高校定時制演劇部の演劇を観劇するために中座したために後半の中・高生の吹奏楽を聴くことができなかった。

 音楽祭の初めは「特別演奏」のHBCジュニアオーケストラジュニアオーケストラ浜松の二つの団体の演奏だったが、HBCは「威風堂々」他を、浜松は「白鳥の湖」を演奏してくれたが、どちらも本格的な指導を受けている団体とあって上質な音楽を披露してくれた。

       

       ※ ジュニアオーケストラ浜松の演奏です。

 続いて「合唱」の部に入った。小学校から順に演奏したのだが、各校の人数の少なさが気になった。前半の4つの小学校は15~35人という少なさだった。一方、60~80人の多人数を擁する学校の場合、子どもたちの無駄な手の動きが目障りだった。多人数のため指導が行き届かないのだろうか?「合唱」の部で印象に残ったのは、札幌市立真駒内曙中学校の合唱だった。部員数僅か11名と合唱をするには圧倒的に不利な人数であったが、取り上げた曲が「奄美島唄」だった。「奄美島唄」の独特な発声法を見事に体得して歌う島唄は聴いている者たちを幽玄の世界へ誘ってくれるような力があった。また、本年度の高校の部で最優秀賞を獲得し、全国大会出場を決めているという札幌第一高等学校の合唱は「さすが!」という完成度の高さを示してくれた。

         

        ※ 「奄美島唄」を歌い上げる札幌市立真駒内曙中学校合唱部のみなさんです。

 続いて「器楽・吹奏楽」の部に移った。私は前述したように途中から高校の演劇を観劇するために中座せざるを得なかったため、小学校の7団体のみの演奏を聴いた。こちらも人数の少なさが目立った。中には団員が7名という学校もあった。私が聴いた中で存在感を放ったのは札幌市立中の島小学校の金管バンド(ジャズバンド)だった。中の島小の金管バンドはサッポロシティジャズのパークジャズライブで何度か聴いているが、子どもたちの力量は小学校の中では群れを抜いているといって良いほどの演奏を披露してくれた。

        

        ※ 力量の確かさを発揮した札幌市立中の島小学校の金管バンドのみなさんです。

 前述したような事情もあり、全ての演奏を聴くことができなかった(特に中高生の吹奏楽)ことは残念だった。

 文中で何度か触れたが、合唱にしても、吹奏楽にしても、その構成人数の少なさが少し気になった。外部の人間にとって内部の事情は分かりかねるが、現代の子どもたち、そしてその親たちの志向が多様化し、学校で行う音楽系のクラブ(部活)に人が集まりづらい状況が生まれてきているということなのだろうか??

 

※ 主催者は撮った写真をネットなどでアップするのを避けてほしいということだったが、それは個人が特定されることを避けることだと解釈した。私の写真は個人を特定することは難しいくらい遠いところからの撮影だったので、その雰囲気を伝えるためにも最小限使用させてもらった。請う!了解。


サッカーは分からない…コンサ敗戦

2019-11-24 19:23:44 | スポーツ & スポーツ観戦

 サッカーは分からない。今季の戦績からいっても、選手個々の力量からいっても、「勝てるだろう」、「勝てるはずだ」と思っていた昨日の対磐田(ジュビロ)戦、1対2であえなく敗戦。肩を落としてスタジアムを後にする私だった…。

        

        ※ この日の対戦チームを掲出したオーロラビジョンです。

 コンサにとっては今シーズンこの日まで残り3戦を残して大きな目標がなくなり、ある意味で「消化試合」の様相を呈していた対磐田戦だった。だからスタジアム観戦をするかどうか迷ったのだが、久しく観戦していなかったこと(約一ヵ月ぶり)、そして入場者一万人にオリジナルのスクイーズボトルが配布されるということから観戦を決めた。ところが!意外や意外!試合開始一時間前にドームに着いたときにはスクイーズボトルの配布は終了していた。結局この日の入場者は19,785人とのことだった。

        

        ※ 試合の後半に入る前に場内は暗転し、赤い灯に包まれました。

 この日の対戦相手のジュビロ磐田はJ1で最下位に沈み、この日の戦い次第では来シーズンのJ2降格が決定となる試合だった。一方のコンサは目標だったJ13位以内に入りACL出場が目標だったが、それは叶わなかったものの、チーム内に日本代表が2人、オリンピック代表が1人、韓国・タイの代表がそれぞれ1人ずつと、素晴らしい陣容が揃ったチームとなり、明らかにコンサが絶対優勢な試合と思えた。

     ※ コンサドーレの日本代表&他国代表に選出された選手一覧(試合前のアップ時のものです)

         

        ※ 日本A代表の鈴木武蔵選手

        

        ※ オリンピック代表(U-23)の菅大輝選手

        

        ※ 日本A代表の進藤亮佑選手

        

        ※ タイ代表のチャナテップ選手

        

        ※ 韓国代表のク・ソンユン選手

 それなのに結果は真逆だった…。何故だったのだろう?素人なりに考えてみた。まずは「決定力不足」があげられる。試合はコンサがいつ得点するか、という試合展開だった。何度も何度も得点チャンスを作った。ところがフィニッシュが決められない。決定力が足りない、というのは日本サッカーの弱点とも言われているがコンサの場合も深刻である。二つ目は「不可解な審判の判定」である。この点については完全にコンササポーター目線であるが、昨日はあまりにも不可解なレフェリングが多かったと言わざるを得ない。スタジアムで観戦する場合、どうしてもコンサ側に立って試合を見てしまうことは避けられない。だから私が指摘することが必ずしも冷静な目で見たものではないということは断っておかねばならない。それにしてもである。後半開始早々、ロペスが1対1を振り切りネットを揺らしたがファールの判定でノーゴールの判定だった。はたしてファールを取られるほどプレーだったとはともえ思えなかった。また、鈴木武蔵選手がボールをもってPA内に入り倒されたプレーにファールは与えられなかった。その他でも不可解な判定が目立っていたが、試合終了直前コンサがCKから貴重な同点弾を深井が記録したのもつかの間、アディショナルタイムでコンサがPA内で相手を倒したプレーがPKと判定され、決勝点を与えることになってしまった。

 サッカーは分からない…。サッカーは難しい…。だから惹かれるのか?来シーズン、さらに強くなったコンサドーレを見てみたい。

        

        ※ 試合前、津軽三味線の吉田兄弟が会場内で三味線の音を響かせました。


菅原氏、齋藤氏 北海道の可能性を語る

2019-11-23 16:58:19 | 講演・講義・フォーラム等

 「北ガスフォーラム」のパネルディスカッションにおいて、食の分野にも進出してきた(株)カネカの菅原会長、農林水産通で知られる元農林水産大臣の齋藤氏、それぞれが北海道の可能性について寺島氏と共に語った。

  11月18日の「北ガスフォーラム」は寺島実郎氏の基調講演(昨日レポした)に続いて、「北海道の持続的な発展に向けて(課題と展望)」と題して、(株)カネカの取締役会長菅原公一氏と、衆議院議員で元農林水産大臣齋藤健氏が登壇し、寺島実郎氏がコーディネーターとして行われた。

           

          ※ 日本総合研究所会長の寺島実郎氏

 「北ガスフォーラム」に日本を代表するような方々が集ったのは、寺島実郎氏が(株)北海道ガスの顧問を務めていることから、寺島氏がお二人の知己に声掛けして実現したようだ。

               

               ※ (株)カネカの会長を務める菅原公一氏

 (株)カネカの会長の菅原氏はまずサスナビリティクライシスについて触れた。サスティナビリティとは広く認知されつつあるが「持続可能性」のある社会をめざすということだが、2017年に「パリ協定」が採択されたこともあり世界的コンセンサスが得られているが(最近トランプ大統領がそこからの離脱を表明したが)、その持続可能性が危機に瀕しているという。それは①エネルギーの危機であり、②環境の危機であり、③食と健康の危機があるという。菅原氏はカネカが化学する会社として、化学の面から「食と健康」面の危機克服に寄与したいと述べた。そして具体的には(株)カネカ北海道を起ち上げ、食の宝島でもある北海道において、食の安全を確保しつつ食の確保に努めたいと語った。またカネカでは健康寿命を延ばす「テロメア」という遺伝子の開発に取り組んでいるとも語った。なお、菅原氏は寺島氏と同年代(72歳)であり早大の同窓生でもある。その上に、北海道生まれという共通項をもち、道産子の特性を「冬の神様の贈り物」と称して3点あるとした。その3点とは、①楽観的、②プラス思考、③最後まで諦めない、ということだそうだが、果たして現在の道産子はどうだろうか?菅原氏が信ずるような道産子でありたいと思うのだが…。

               

               ※ 衆議院議員で元農林水産大臣の齋藤健氏

 次に元農林水産大臣の齋藤氏であるが、齋藤氏は日本の農林水産・食品業は曲がり角に来ているという。それは日本の人口減少が今後ますます顕著になってくるからだという。一方で世界的には人口がますます増加の傾向にあることに着目すべきだという。世界の人口が増加する中、世界的には日本食ブームが起こっていることに着目すべきだと齋藤氏は云う。つまり齋藤氏は「日本食」をもって世界のマーケットに打って出ることが日本の農林水産業を守る一方策ではないかと主張した。そのためにはカネカのように一次産業と二次産業とのコラボも必要であると云う。また、「日本食」が世界のマーケットに打って出るには「日本食を体験」してもらうことが必要であると…。そのためには外国人観光客の誘致も必要となると話された。そうした状況の中で、北海道は農林水産業のスケールが大きく、従事者の年齢が若いことが大きなアドバンテージとなっていると指摘した。つまり北海道は日本の食糧基地としてだけではなく、世界の食糧基地としての可能性を秘めているとした。

 菅原氏、齋藤氏ともに、北海道の可能性について熱くエールを送っていただいたが、これまでも同種の話を何度も聞いた覚えがある。そうした声を励みとしてさまざまな実践・試みも聞こえてくるようになった。各分野において日本をリードする三人の方々からその可能性を示唆された北海道である。その声を励みにしてより本格的にチャレンジする人材・法人が現れてくることを道産子の一人として期待したい。

 

※ ブログが投稿できないと大騒ぎ(?)しましたが、どうやら旧来の姿に戻ったようです。ホッとしました。お騒がせしました。今後ともよろしくお願いします。


寺島実郎氏が見る世界と日本、そして北海道

2019-11-22 13:24:59 | 講演・講義・フォーラム等

 寺島実郎氏は云う。「平成の30年間、我々日本人は“そこそこうまくいっているんじゃないかシンドローム”に陥ってはいなかったか」と…。しかし現実を見ると世界経済の中でも日本の落ち込みはかなり深刻だと指摘した。そこで寺島氏は…。 

 11月18日(月)午後、札幌グランドホテルにおいて「北ガスフォーラム」が開催され参加した。フォーラムは、基調講演とパネルディスカッションの二部構成だった。

 基調講演は日本総合研究所会長など数々の肩書を持ちテレビなどでも活躍されている寺島実郎氏が、パネルディスカッションはその寺島氏に加えて、(株)カネカ会長の菅原公一氏と衆議院議員で元農林大臣の齋藤健氏が登壇するという錚々たる顔ぶれだった。

               

 基調講演は寺島氏が「世界の構造変化と日本、そして北海道の進路」と題して話された。寺島氏の講演会においていつも寺島氏の姿勢には敬服の念を抱きながら拝聴している。それは寺島氏の講演では必ず氏が様々な場で発表した論文とか、講演内容とかをまとめた100頁を超えようとする冊子を受講者に配布することだ。今回もその例に漏れず137頁に及ぶ「寺島実郎の時代認識」と題する2020年新年号速報版なるものが配布された。講演は当然その冊子を資料として用いながらのものとなった。

                            

 話の初めは寺島氏が学長を務める多摩大学がある多摩地区と北海道との意外な関りについてから始まった。多摩地区に誕生した「八王子千人同心」が歴史の変転の中で北海道とも関りがあったということだが、この部分については深追いしすぎるとまとまりがつかなくなりそうなので割愛したい。

 そして本題に入った。平成の30年間の中で日本は世界の中で埋没していったという。寺島氏の言葉を借りると“転がり落ちる日本”だったという。それなのに日本全体では“そこそこうまくいっているんじゃないかシンドローム”に陥っていたと指摘した。寺島氏はその事実を用意された資料を基に説明した。それによると世界のGDPのシェアの変遷を見ると一目瞭然である。1988(平成の始まり)年には16%であったものが2000(平成20)年には14%となり、2018(平成30)年には6%まで割り込んでいる。さらに10年後には3%にまで落ち込むのではないかと専門家は予想しているそうだ。その間に台頭してきたのが言わずもがなの中国である。2018年には16%となりまったく日本と立場が反対となった。その間、アメリカやヨーロッパ(EU)はあまりシェアの変化は見られない。(このあたりは先日の野村證券の池上氏の話とも合致する)

 そうした実状にある日本が目を向けるべきは“アジアダイナミズム”であるという。世界の経済の動向はいまや中国一国だけでなく、アジア全体が勢いを増していることは誰もが指摘するところである。「日本復活の鍵はアジアにあり」と寺島氏は示唆したのだ。

 寺島氏は非常に印象的な言葉を使用した。それは地球を“メルカトール図法”で見るな、ということだ。つまり地球を地球儀的に見ると、中国の船舶が日本海を経由するとロシア、アメリカに意外に近いという事実に目を向けろ!と…。これからは日本海物流が盛んとなることに注目すべきだと強調された。また、“ジェントロジー”という言葉も使われた。この言葉を寺島氏は「高齢者社会工学」と訳した。つまりこれから少子高齢化がますます顕著となる日本において、高齢者の活用がやはり日本復活の鍵を握ると示唆したのだと理解したい。

 寺島氏のお話は残念ながら1時間という限られた時間だった。日本復活、そして北海道の進路について具体的に論及するだけの時間はなかった。その時間は次のパネルディスカッションに委ねたようだ。事実、パネルディスカッションでは登壇したお二人から具体的な提案をお聞きすることができた。そのことについては明日のブログでアップしたい。

 

 ※ あれこれと試みていたところ、偶然にも旧状に復帰することができました。まだ安心はできない状態ですが、ともかく復帰第一信を投稿します!


解決せず

2019-11-21 21:18:16 | その他

トラブルはいまだに解決しておりません。
夢逢人さんからアドバイスをいただき、そのことへの返信をしてもアップされないようです。
ブログの新たな開設に導かれましたが、なんとか旧状に回復したいとgoo事務局に問い合わせ中です。なんとかなるといいのですが……。