田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

札幌Cafe紀行 №108 PRONTO 札幌駅地下街店

2012-03-31 20:24:13 | 札幌Cafe紀行
 PRONTO=すばやく…、さしずめカフェのコンビニ版といったところだろうか? リーズナブルな価格設定で若者に人気があるカフェのようだ。軽く夕食をと考えてパスタを食した。         

 この日は午後と夜と二つの講演会をはしごだった。お腹が空いちゃ講演に集中できないと思い、小腹を満たすため友人と二人で札幌駅地下街のアピア(札幌駅の地下街はパセオ、ステラプレイスス、アピアと名前が分かれていて分かりづらい!!)にある「PRONTO」に入った。

          
          ※ アピアのフードウォークの一角にあるPRONTOのエントランスです。

 店に入って直ぐのところにカウンターがあり、そこでオーダーをして清算を済ませるプリペイド方式である。
 フードメニューはパスタが主流でたくさんの種類があったが、私はノーマルに「茄子とベーコンのスパゲティ」(690円)と「アイスカフェラテ M」(300円)をオーダーした。
 店内は休日、しかも夕食時とあって若者で混雑していたが、オヤジ二人組はなんとか空席を見つけることができた。

          
          ※ 店に入ったから直ぐにカウンターでオーダー、そして清算します。
    
 PRONTOは全国展開をしているチェーン店のようで、札幌市内にも6店舗あるようだ。店は、17時30分を境にしてカフェタイムから、バータイムに移行するようで、カフェタイムはソフトドリンクとパスタ、スィーツだが、バータイムになるとビール、ワインなどのアルコールとそれに適したフードも提供されるようである。

          
          ※ 店内はご覧のように若者でいっぱいでした。

 やがて調理されたパスタが運ばれてきた。
 パスタもカフェラテも「まあ、それなりに」という感じで、価格から考えたらGOODである。味にうるさくなくとにかくあまり時間をかけずにお腹を満たしたいという方には適している店といえる。

          
          ※ 写真は私が食した「茄子とベーコンのスパゲティ」です。

 カフェタイムから、バータイムに移行することで店舗を有効活用するというPRONTOスタイルは、これらのトレンドの一つになるかもしれないと思った。

          
           ※ こちらはアイスカフェラテのMサイズです。

【PRONTO 札幌駅地下街店 データー】
札幌市中央区北5条西4丁目 札幌駅南口広場地下街
電 話  011-209-3432
営業時間  7:00 ~ 17:30(カフェタイム)
     17:30 ~ 23:00(バータイム)   
定休日  無
座 席  61席
駐車場  有(2,000円以上で1H無料)
入店日  ‘12/03/24

札幌麺紀行 95 ラーメン菅家

2012-03-30 22:30:04 | 札幌麺紀行 & グルメ紀行
 岩のりと鶏がらスープのマッチングが絶妙の岡本ラーメンは久々に塩ラーメンの美味しさを満喫させてくれました。
 
 久々の麺紀行のレポートです。麺が嫌いになったわけではなく、このところすっかり家麺になってしまい、麺店に行くチャンスを逸していました。
 久々の麺紀行は以前から一度行ってみたいと思っていた札幌駅近くの「菅家(かんや)」でした。菅家は北濃ビルの地下のフードストリートの中の一店としてありました。

          
          ※ 地下の食堂街(フードストリート)にあった菅家のエントランスです。

 店内はカウンター席とテーブル席があり、一人で訪れた私は当然のようにカウンター席に案内されました。
 スタッフに「ここの一押しは何ですか?」と問うたところ「岡本ラーメンの塩が一番のお勧めです!」(780円)と教えてくれたので、「じゃ、それを」と注文しました。
 昼時だったこともあって、次々とお客さんが入ってきます。

          
          ※ 菅家のカウンター席の様子です。

 やがて「岡本ラーメン 塩」が出てきました。
 丼の表面は写真のように黒と緑で埋め尽くされています。小さく刻んだ岩のりとネギで埋め尽くされていたのです。
 まずはスープを一口。「旨い!」久々に塩味の絶品スープに出会った感じです。鶏がらスープに岩のりと刻み葱が味に深みを与えているようです。
 麺は多加水でコシがあり、歯応えのある縮れ麺ですが、これが塩味に良く合います。
 チャーシューも柔らかく、味が良く染みていました。

          
          ※ 刻んだ岩のりとネギでびっしり埋まった「岡本ラーメン 塩」です。

 なお、なぜ菅家(かんけ)において「岡本ラーメン」なのか伺いたいと思っていて失念してしまいました。ウェブ上ではこの店の常連さんであった“岡本さん”が好んだラーメンだったということです。(果たしてその真偽は?)

          
          ※ 菅家のメニューです。真ん中に大きく描かれているのが「岡本ラーメン」です。

 塩ラーメンというと、私は故郷津別町で高校時代の同級生が経営している「西洋軒」の塩ラーメンの味が密かに一番だと思っているのですが、その味に勝るとも劣らない美味しい塩ラーメンでした。(津別町の「西洋軒」の塩ラーメンをレポートした投稿はこちら  )

【ラーメン菅家(かんけ) データー】
札幌市中央区北4条西1丁目 北農ビル地下1階
電話    011-261-0117
営業時間  平日 11:00~15:30  17:30~21:00
      土曜 11:00~15:00
定休日   日曜・祝日
駐車場   有(1,500円以上の食事で1H無料)
座席    19席
入店日   ‘12/3/24

雪の三角山 ~ 大倉山を往く

2012-03-29 22:09:32 | 北海道低山紀行 & Other
 好天の上、気温がかなり上がった昨日(3月28日)三角山から大倉山まで尾根づたいを歩いた。久しぶりの山行に私の体は悲鳴を上げていたが、天候も相俟って心地良い汗をかくことができた…。 

 春の訪れとともに眠っていた体を覚まそうとこのところ意図的に毎日ウォーキングを続けています。(と言ってもまだ半月ほどですが…)
 その一環として、三角山~大倉山の縦走(縦走というほどでもないのですが…)を思い立ちました。以前から夏には三角山~大倉山~小別沢の縦走をやってみたいと思っていたのですが、今回はその冬バージョンとしてショートカットした計画です。         

 自宅から車で三角山の「山の手コース登山口」に向かいました。これまで何度か三角山に登ったときは全て「緑花会コース」からでしたが、今回は大倉山を下りた後に車をピックアップするのに都合の良い山の手コースにしました。

          
          ※ 「山の手コース」の登山口です。登山者の踏み跡はもう少し右側にあります。

 三角山は市民に人気のコースですからコースは踏み固められているはずと思いましたが、もしものことを考えザックにスノーシューを括り付けてスタートしました。
 登山口(自然歩道入口)からいきなりジグザグの急坂が続きます。好天無風とあってすぐに汗が噴き出てきました。足元は踏み固められていましたが、雪は好天で気温が上昇していたために(当日は6℃まで上がったとか)柔らかく水分を含んだ雪でした。
 急坂の登行はそれほど長い時間ではなくやがて平坦な林道に出たのですが、少し行くと林道ではなくショーツカットしたコースがあったのでそちらを選択して再び急坂を登ることにしました。

          
          ※ 三角山、大倉山は人気コースですので登山者たちの踏み跡が写真のようについています。         

 久しぶりの山行とあって無理することなく、ゆっくり登り続けました。葉を付けていない木々の間からは西区の街並みが見えてきます。
 どこかに春の気配が感じられないかとあちこちに目をやりながら登りました。木々の芽はもちろん芽吹きの準備をしているのだろうと思いますが、今回は雪の上に飛び出した虫たちに注目しました。名前は分からないのですが二匹の小さな虫をカメラに収めることができました。

          
          ※ 写真のように樹間から西区の街並みが見えてきました。

          

          ※ 好天に誘われて雪の上に這い出してきた虫二種です。どなたか名前を教えてください。

          

 小一時間かけて三角山の頂上に達しました。晴れていたこともあって札幌の街並みがくっきりと見渡せました。
 小休止した後、大倉山を目ざして再スタートしました。

          
          ※ 三角山頂上の標識です。

          
          ※ 三角山の頂上からの眺めです。写真に写る山は円山です。

 するといきなり急激な下りが現れました。気を付けないと滑り落ちていきそうです。ポール(ストック)もアイゼンも用意していなかったので慎重に降り続けました。
 上りもまた急で何度か滑る場面もありましたがなんとやり過ごしました。

          
          ※ 三角山から大倉山に向かう急激な下り坂です。下から登ってくる人がいます。

          
          ※ 反対に上り坂です。もっと急なところもありました。

 尾根づたいに何度かの上り下りを続けたあと見覚えのある大倉山ジャンプ場のスタート台の建物が見えてきました。
 ジャンプのシーズンはすでに終わっていますが、観光客のためにリフトは動いていました。

          
          ※ 大倉山にはこれといった山頂標識はなく、方向標識を写して代わりとしました。スノーシューを括り付けたザックと共に…。

          
          ※ ジャンプ台スタート地点付近から札幌市内を眺めたところです。

 ジャンプ台の横には階段が設けられていて、そこを辿ってジャンプ台の下まで降りました。ジャンプ競技があるときは賑わうブレーキングトラック付近も少数の観光客が見える程度で静かに佇んでいる風情でした。

          
          ※ ジャンプ台の横には写真のような階段が造られています。

          
          ※ ジャンプシーズンを終え閑散としていた大倉山ジャンプ競技場の全景です。

 大倉山ジャンプ競技場から住宅街を通り、車を置いた山の手コース登山口に帰りました。
 今年もまたできるだけ機会を見つけて札幌近郊の低山を上ってみようと思っています。
 その一つとしてぜひとも夏には三角山~大倉山~小別沢の縦走をやってみたいと思います。
   
          
          ※ おまけの写真です。実は大倉山を下りていくとクリスタルハウスという鏡張りの建物があったので、いたずら心で写した一枚です。
 

温暖化によって海洋生物が移動している?

2012-03-28 22:29:02 | 講演・講義・フォーラム等
 海洋(海底)の状況を調査研究することを業務とする講師は、長年水中を観察してきて海水温の上昇によって海洋生物が両極方向に移動していると感ずるという。その現状はいかに? 

 「温暖化ってどんなこと?」というテーマのもと、作家・林心平氏が各界の専門家と対談するシリーズも第6回目となり今回が最終回となった。3月24日(土)環境プラザ(北区北条8西3丁目 札幌エルプラザ2F)においてその最終講座が行われた。

          

 今回の講師はフィッシャーマンズコンサルタントを経営する海藤齋氏です。
 海藤氏はまず各種のデーターを示します。
 ・海水温は過去100年で0.74℃上昇した。
 ・これからの100年で1.7~4.0℃の上昇が予想される。
 ・1880年~2000年の間に海水面が20㎝上昇した。

 そして具体的現象として、秋サケの捕獲量が減少傾向にある。南極海のオキアミも減少している。最近日本近海を賑わすエチゼンクラゲは本来は渤海や黄海が繁殖地なのが北上してきた。また、過去は北海道で獲れなかったバフンウニ(エゾバフンウニとは違う)が石狩湾で獲れるようになった。等々…。海洋生物が両極方向に移動していると…。

 さらに温暖化の影響として日本海沿岸の磯焼けが進んでいるという。私が言うまでもないが磯焼けが進むと魚類は寄り付かなくなる。
 ここで海藤氏が興味深いデーターを提示してくれた。それは海底の藻場の二酸化炭素吸収量が陸上の森林のそれのおよそ3倍もあるということだ。
 そのため磯焼け対策として、温暖化対策の一つとして、人工の藻場の造成が急がれていると話を締め括った。

          

 その後、林氏との対談、会場との質疑応答があったが、特記すべき事柄は特になかったように思われた。

 さて、「温暖化ってどんなこと?」のシリーズは今回で終了であるが、各分野の専門家の方々によれば各所において大なり小なり温暖化傾向を示しているようだ。
 その温暖化が長い地球の歴史の中で起こっている間氷期が原因であるとする説もあるが、多くが指摘するのは人為的な影響によって二酸化炭素の排出量が増え、それによって起こっている気温の上昇であるとしている。
 
 人為的に起こしたことは、人為的に解消していかねばならない。
 そんなことを考えた今回の「温暖化ってどんなこと?」シリーズだった…。

TPPでどうなる日本?!

2012-03-27 20:40:24 | 講演・講義・フォーラム等
 TPP問題が今一つ分からない? はたして日本にとってTPPに参加することが国益に適うことなのか否か?それが分からない。そこでタイトルのようなフォーラムに参加してみた。う~ん?? 

 野田首相は言う。「TPPはビートルズのようなものである」と…。つまり「アメリカはジョンで、日本はポールであり、どちらが欠けても成り立たない」という。
 本当だろうか??

          

 フォーラムは3月24日(土)北海道建設会館で、「日本の食と農業を考える会」の主催で開催された。
 フォーラムは農業経済学が専門の大田原北大名誉教授の話から始まった。
 大田原氏はTPPに反対の立場の方であるが、TPPはアメリカが内需拡大策に失敗して、輸出倍増計画のためにその相手として日本が欠かせない相手として参加を求めているという。

 TPPはもともとチリ、ニュージーランド、ブルネイ、シンガポールの4ヶ国で始めたものに、アメリカ、マレーシア、ペルー、ベトナムが加わり8ヶ国で協議が進んでいるが、その中に日本を加えようと(日本が加わろうと)しているものである。
 アメリカが日本の参加を望むのは、アメリカを除く7ヶ国の合わせたGDPが日本の1/2程度でしかなく、アメリカにとって日本が参加しなければ輸出倍増の目論見が適わないため強く日本の参加を促していると大田原氏は指摘する。
 そうした裏事情を聞くと、野田首相の言うTPPビートルズ論も皮肉な意味ではうなづけるのだが…。

 そしてTPP=環太平洋戦略的経済連携協定といいながら、アジアの成長国である韓国、中国、インド、台湾、フィリピン、インドネシアなどが参加していないことも気になる点である。

 大田原氏はTPPへの参加によって日本の農業が壊滅的な打撃を受けるだけではなく、日本が誇る国民皆保険制度も崩壊の危機に瀕するという。また、教育や福祉の面でもこれまでの日本の制度が脅かされる危険があり、TPPは日本にとって何一つ良いことがないと断言します。

          

 なのになぜ日本政府はTPP参加に舵を切ったのだろうか?
 TPP参加に賛成あるいは推進する側の考えも聞いてみたいと思った。
 新聞報道によると、翌25日に札幌市内でTPPに賛成・反対の両者によるシンポジウムが開催されたようだが、残念ながらそれを聞くことはできなかった。

 政治の課題に対して国民の100%の理解なんてことはありえないことであるが、できるだけ国民の理解を求めながら進めていくことが民主主義の世の中では求められることだろう。果たして現政府はその努力を十分にしているだろうか?
 拙ブログではできるだけ政治的な問題には関わらないようにと心掛けてきたつもりだった。しかし、私たちの生活に直結する問題については時には声を上げねばと思った次第である。
 

札幌Cafe紀行 №107 祝・まめカフェ

2012-03-26 22:39:48 | 札幌Cafe紀行
 北海道神宮の道路向かいにあるカフェです。なんともユニークな店名だと思ったのですが、スタッフに伺うとやはり場所柄を意識したネーミングとのことでした。 

          
          ※ 店のエントランスですが、店内の雰囲気とは少し違うような…。

 「祝・まめカフェ」は昨年12月に開店したカフェだそうです。店内は新装らしく真新しい雰囲気が漂っていました。
 「祝(しゅく)」とはユニークなネーミングだと思い伺ったところ、やはり北海道神宮でいろいろなお祝い事を終えた後に寄ってほしいという願いがあるとのことでした。

          
          ※ 店内はご覧のように落ち着いた雰囲気が漂っています。

 そして「まめカフェ」というくらいですから、メニューは豆にこだわっています。
 黒豆茶に黒豆コーヒーと…。そして「どらケーキ」や「祝・だるま焼」の中に入る餡の材料はもちろん豆類です。
 
 私はガイドブックを見て、入店する前から「黒豆茶」(350円)、「祝・だるま焼き」(1個180円)と決めていたので、そのとおりオーダーしました。すると、「だるま焼きは黒餡と白餡どちらにしますか?」と聞かれ、思わず「どちらも」とお願いしました。

          
          ※ 写真では黒豆が浮いているのが見えにくいのですが、たくさんの黒豆が使われています。

 黒豆茶は黒豆を炒った上で熱湯をかけたものと思われますが、とても香ばしい香りと味がして、甘いだるま焼きとは相性が良いと思いました。「柔らかくなった黒豆もどうぞお召し上がりください」と木製のスプーンも用意されていました。
 問題は「祝・だるま焼き」です。薄い皮の中に餡がびっしり詰まっていてとても美味しかったのですが、さすがにオヤジに2個はきつ過ぎました。
 それでも頑張って(こんなところで頑張らなくてもいいのですが)2個を平らげることができました。
 メニューには餡に使用した豆の種類の説明がありました。黒餡は「しゅまり小豆」、白餡は「きぬてぼ白豆」と出ていました。

          
          ※ こちらが熱々の「祝・だるま焼き」です。

 店内には雑貨が陳列され即売されているようでしたが、それがベトナム製とかインドネシア製だったのはなぜなのだろうか?
 豆にこだわった「まめカフェ」…、北海道神宮へお参りに行った帰りに寄ってみるのもいいんじゃないでしょうか?

          
          ※ 店内にはこうした雑貨がたくさん陳列されていました。
 

【祝・まめカフェ データー】
札幌市中央区宮ケ丘3-3-8 神宮ハイツ1F
電 話  011-611-1800
営業時間 10:00 ~ 19:00     
定休日  無
座 席  30席
駐車場  有(4台)
入店日  ‘12/03/22

映画 73 ゴーストライター

2012-03-25 20:15:31 | 映画観賞・感想

 これは面白い!! ゴーストライター…、本人に代わって陰で文章を書く人である。この映画ではイギリス首相だった人の自伝を書こうとしたゴーストライターの身の上に起こるサスペンスである。息つかせぬ展開で観る者を最後までスクリーンに惹きつけてくれた。

               
               ※ これは英語版(本国用?)のポスターです。真ん中に立つのは主演のユアン・マクレガーです。
 
 つい先日(3月17日)蠍座で「大津波の後に/槌音」を観たばかりなのだが、そのとき入手した蠍座の館主が綴る「蠍座 通信」に書かれていた文章に魅かれて3月23日再び蠍座を訪れた。館主が綴った「ゴーストライター」を紹介する文章を少し長いが全文紹介してみます。

「『戦場のピアニスト』のロマン・ポランスキー監督による傑作サスペンス。ベルリン映画祭で最優秀監督賞を受賞したほか日本のキネ旬ベストテンでは外国映画部門で『英国王のスピーチ』などを押しのけ、堂々のベストワンに選出された。ゴーストライター(代筆屋)として元イギリス首相の自叙伝の執筆を依頼されたユアン・マクレガーは、取材のために元首相の過去と周辺を調べていくうちにさまざま不可解なことに気付きはじめる。御年79歳、ポランスキーの達意の名人芸が冴えわたる。簡素にして典雅、老練にして清新、2時間8分、いささかもダレさせるところがない。さらにあざやかすぎる幕切れ!これはラストシーン名場面の一つに加えてもいいぐらいのものだ。映画全体をおおう灰色の雨雲の絶妙な雰囲気描写。フェリー、バイク、車、そして自転車という乗り物の扱いも要注目である。ところでピアース・ブロナンが演った役は明らかに「ブッシュの飼い犬」とまで呼ばれたトニー・ブレア前首相のパロディ。前首相の悪口に近いネタを使って陰謀サスペンスをつくるなんざ、イギリス人たちも懐が深いってもんだ」

          
          ※ 左が元首相役のピアース・ブロナン、右が主演のユアン・マクレガーです。

 館主の文章はこの映画の魅力を余すところなく伝えてくれている。おうおうにして映画を提供する側は過剰な表現をしがちであるが、蠍座の館主の文章にはそれが感じられない。だから文章を信頼して映画館に足を運ぶのだ。
 館主が言うとおり、まさに「ゴーストライター」はダレることなく、最後まで観る者を惹き付けて離さない。
 いつも思うが、映画は監督次第だということをこの映画は如実に語ってくれた。
 えっ? 最後の幕切れはどうなんだって? う~ん、やっぱりそれはご本人が確かめるのが一番なんでしょうねぇ…。

 蠍座での「ゴーストライター」の上映は残念ながら明日3月26日が終映である。

《映画鑑賞日 & 鑑賞館 ‘12/03/23 蠍座》


札幌Cafe紀行 №106 エミリア

2012-03-24 22:24:00 | 札幌Cafe紀行
 取り澄ましたイタリアンレストランというよりは、街中の庶民的なイタめし屋さんといった感じのイタリアンカフェです。東京の名店で修業されたという主人自慢のパスタを食しました。 

 妻が外出したために昼食をどこかでと考え、自宅から近い札幌医大病院の近くのイタリアンパスタの店「エミリア」を訪れました。私がレポートしているCaféに属するかどうかは微妙なところですが、あまり固く考えずにレポートとすることにしました。

          
          ※ エミリアのエントランスです。ちっょとおしゃれ感がね…。

 店内はお世辞にもおしゃれな内装とは言えず、街中の庶民的なお店といった感じです。ご夫婦で切り盛りしているらしく、ホール担当の奥さんも飾り気なく接客してくれます。
 私はランチセットのパスタをオーダーしました。ボローニャ風ミートソース+サラダ+ドリンクで880円とリーズナブルです。
 奥さんは「うちは本格的なアルデンテで芯が残る茹で方ですがよろしいですか?」と聞かれたので、固い麺が苦手な私は「柔らかめで」とお願いしました。

          
          ※ まだお客さんが入らない前のテーブル席です。

 パスタが出てくるのを待っていると、昼時とあって次々とお客さんが入ってきました。付近ではけっこうな人気店のようです。
 やがてボローニャ風ミートソースが出てきました。特別凝った風でもなく、お皿もごく普通の皿といった感じです。パスタはアルデンテではないといいながらも、それなりにコシがあって私にはやや固めに感じ歯ごたえがありました。ソースはトマトベースにひき肉を和えたもので塩気が効いた美味しいソースでした。

          
          ※ こちらがボローニァ風ミートソースです。

 セットのコーヒーは意外と言っては失礼ですが、酸味とコクが良くマッチしていて美味しいコーヒーでした。

          
          ※ 食後に出されたコーヒーですが、横のお冷のグラスが面白いでしょう?

 店名の「エミリア」とは、イタリア北西部のロマーニア州をエミリアとも称すことからとられたようです。そしてボローニャ風と名付けるのは、ロマーニア州の州都がボローニアであることからロマーニア州域で広がったスパゲッティのレシピによって主人が作っているということなのだと私は解釈しました。
 ボローニャ風ミートソース…、お試しあれ!

【エミリア(EMILIA) データー】
札幌市中央区大通西15丁目ニューライフ大通公園1階
電 話  011-613-5688
営業時間 11:30 ~ 15:00
     17:30 ~ 22:00
定休日  日・祝日
座 席  36席
駐車場  無
入店日  ‘12/03/13

映画 71 大津波のあとに &  72 槌音

2012-03-23 21:42:18 | 映画観賞・感想

 典型的なドキュメンタリー映画である。2本のフィルムとも東日本大震災で蒙った津波の傷跡を追ったドキュメンタリーである。あれから一年、改めて津波の凄まじさを画面を通して感じた…。 

 蠍座の館主は言う。「たとえば私のように被災地へ行かなかった者たちが見ておくべき映画である」と…。そういう意味では私もまた見なければならない映画だった。
 そしてさらに、「原発の事故以来、放射能汚染への関心が極大化する一方で、地震とりわけ津波がもたらした惨劇がいつしか後方にしりぞいてしまった印象がある。あらためて確認するまでもない。瞬時のうちに2万人に近い人命を奪い、甚大な数量の家屋と建物を破壊し消し去ったのは、津波である」と館主は語っている。

 映画「大津波のあとに」は津波の被害から2週間しか経っていない宮城県石巻市の様子を撮っている。ナレーションもない、BGMもない。聞こえてくるのはカメラに付けられたマイクを通じて聞こえてくる風の音だけ…。時折、監督でありカメラマンである森元氏が質問し、それに答える地元の人の声が入っているのみである。

          
          ※ 映画ではこのような場面がこれでもかといったように次々と映し出されます。

 画面を見ている者を変に煽り立てるようなナレーションもなく、淡々と、ただ淡々と被災地の惨状を74分間にわたって写し続けたことによって、見ている者には逆に胸にせまってくるものを感じた。
 フィルムの中で石巻市立大川小学校の卒業式の様子が写されていたが、卒業生たちの虚ろな表情は彼らが蒙った精神的打撃の大きさを物語っているようだった。

          
          ※ 大川小学校の卒業式で虚ろな表情で歌を歌う卒業生たちです。

 映画「槌音」は岩手県大槌町出身の大久保監督が被災後にカメラも持たずに故郷に帰ったとき、その惨状を見てスマートフォンの動画機能を使って撮影した映像と、被災前に撮り貯めていた故郷の映像を巧みに編集しているものである。被災前の平和で穏やかな故郷と、被災した後の瓦礫に埋め尽くされた故郷を対比するように映し出すことによって、いかに津波の被害が大きかったかを雄弁に画面は語っている。

 二つの作品は加工することなく、惨劇の様子をフィルムに刻み付けた。(いや今の時代はフィルムなど使いませんね)
 被災地がやがて復興し日常が戻ってきたとき、惨劇の記憶も徐々に薄れてくるに違いない。記憶が徐々に薄れてくるにつれ、二つの作品は徐々にその価値を高めていくのではないだろうか…。

《映画鑑賞日 & 観賞館  ’12/03/17 蠍座》


健闘及ばず女満別高校ナイン

2012-03-22 21:48:01 | スポーツ & スポーツ観戦
 エース二階堂が投げた。4番芳野が打った。しかし女満別ナインは健闘及ばず九州学院に0対6で敗れた。敗れはしたものの、女満別ナインは攻守にはつらつとした動きを見せ甲子園に爽やかな風を残した…。 

 スコアだけを見ると両チームの力の差がそのまま出た試合だったと言われそうである。
 しかし女満別の側から見ると、試合の入り方さえ違っていればとの思いが残る。
 今日の試合の勝負の綾は、初回、それも九州学院の先頭打者溝脇選手と女満別の二階堂投手との攻防にあったと私は思う。

          
          ※ キャッチャーのサインを覗き込む二階堂投手です。今日の写真はすべてテレビの画面を写したものです。

 二階堂は大舞台に臆することなく自慢のスピードボール(142~3キロ)が走り、得意のスライダーにもキレがあるように見えた。
 その二階堂のボールに対して、溝脇は前に打球は飛ばないものの、二階堂のボールをことごとくファールにして逃れるのだ。数えていなかったが、おそらく7~8球を要した末に二階堂は根負けしたような形で四球与えてしまった。
 嫌な予感がした。そしてその予感は的中してしまった。
 その後二階堂は相手打線から2三振は奪うものの、その間に盗塁、内野安打、四球などを与え二死満塁から手痛い適時打を続けて浴び、アッという間に4点を献上してしまった。
  
 野球に「たられば」はないというが、もし溝脇選手を打ち取っていたとすれば試合展開はかなり変わっていたのではないかと思えてならない。先頭打者を打ち取ることで二階堂投手には気持ちに余裕が生まれ、後続に対しても自信をもって立ち向かうことができたのではと思うからだ。
 九州学院から言えば、横溝がそれだけ優れた選手であったということだろう。事実、試合後の勝利監督インタビューでも「初回の横溝の粘りが大きかった」と相手監督もこの攻防が試合の鍵だったと見ていたようだ。


          ※ 二階堂投手の力感溢れる投球夕フォームです。

          

          

          

 その後の二階堂は強力な九州学院打線に良く立ち向かい10奪三振を奪い、2失点に抑えただけに初回の攻防が惜しまれる。

 一方女満別打線はというと、有言実行、各打者はフルスィングで相手投手に立ち向かった。特に3番近藤、4番芳野はそれぞれ2安打するなど力負けはしていなかった。
 しかし、打線がつながらない。チーム全体で6安打したものの散発的に終わり得点には至らなかった。
 フルスィングは思い切りが良く見ていて好ましくも映るのだが、フルスィングを意識するあまりポイントがやや後ろとなり主力打者以外は相手投手の術中にはまっていたように見えたのだがどうなのだろう。
 ただ、鈴木監督はそんなことは百も承知の上でそのように指導していたのだとも思う。

 女満別ナインは走者に出たとき、打者も走者もベンチからサインを受け取る際に腕を高く挙げてベンチを見る動作は甲子園でもしっかり実行されていたのは、円山球場でそのことを見た私には嬉しかったことだ。

 二階堂投手も、他のナインも相手に臆することなく、思い切りよく外連味のないプレーを終始見せてくれたことが私には一番嬉しいことだった。
 女満別ナインにはまだ夏がある。いやその前に春の北海道大会がある。ぜひとも北見地区を勝ち上がって、成長した姿を円山で見たいと思う。
 二階堂の、女満別ナインの捲土重来を心から期待している。