田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

和太鼓の迫力に圧倒される!

2025-03-10 19:35:15 | ステージ & エンターテイメント
 日本の伝統芸能である和太鼓は日本人の感性を激しく揺さぶる。太鼓の音が最高潮に達した時、私は一種のトランス状態に陥ったような感覚となってしまった。新芸能集団「乱拍子」、そして和太鼓サークル「嵐」のステージは素晴らしかった!

     

 昨日(3月9日)午前、札幌市子どもの劇場やまびこ座で開催された「東日本大震災子どもを守ろうよの会」の第15回公演に行ってきました。
 公演は大きく芸能公演と演劇公演に分かれていました。両者ともに感動が大きかったので、二日分けてレポートすることにします。

 ということで、本日は芸能公演の部についてレポします。
 芸能公演については、前述したように新芸能集団「乱拍子」、和太鼓サークル「嵐」、そしてアイヌ舞踊の「ラポラポラ」が出演しました。

 新芸能集団「乱拍子」は、和太鼓を柱にしながら、獅子舞や虎舞なども組み入れ、新しい太鼓の響きを生みだしている札幌の芸能集団だそうです。
 また和太鼓サークル「嵐」は、障害者(ダウン症の子ども達)を中心としたサークルで、「乱拍子」の指導を受けながら和太鼓の楽しさを追求しているグループだということです。
 さらに「ラポラポラ」は、リムセ(踊り)・ウポポ(歌)などの習得や、慣習、歴史などを学び、その継承と社会への発信を目的として活動している集団ということです。

    
    ※ 老若男女が相集う「乱拍子」の皆さんの舞台です。

 圧巻はやはり「乱拍子」の舞台でした。総勢18人は老人から小学生まで、あらゆる世代の方々の集団でしたが、それぞれが相当に訓練されているらしいことを窺わせてくれました。一糸乱れぬというか、ほとんど綻びを見せず、時に静かに、時に激しく、縦横にバチを操り、やまびこ座のホールいっぱいに響き渡る太鼓の響きに酔いました。

 和太鼓サークル「嵐」の皆さんのステージも見事でした。「乱拍子」の方にリードされながら、懸命にバチを振るう姿に感動させられました。一人ひとりが生き生きとした表情を見せてくれていたのも印象的でした。

    
  ※ 「乱拍子」の方(左)のリードを受けながら、バチを振るう「嵐」のメンバーです。

 私が務めていた某小学校にも和太鼓の伝統が伝わっていました。ある時、学校を巡回するAET(英語指導助手)の方が学校訪問をされた際に、「日本文化を伝えよう!」という催しをした際に和太鼓を披露したところ、AETの方に大変喜ばれた体験があり、和太鼓の魅力が外国人にも伝えられたことを実感した体験があります。                   

 二つの和太鼓の演技とは少し異質だったのが「ラポラポラ」の皆さんによるアイヌ舞踊でした。私はこれまで何度もアイヌ舞踊を観た体験がありますが、私のようなアイヌ文化を深く理解できていない者にとっては、どうも画一的に見えてしまうところがあります。実際は一つ一つの所作に意味があるのだと思うのですが、そのことを観客たちに伝えるような工夫はないものか、といつも思うのですが…。

 最後に三者が一堂に会する中で、「乱拍子」の皆さんが獅子舞を披露し、ステージ上で三者がそれぞれの技を披露し、大盛り上がりで「芸能公演の部」は終了しました。
 
 ※ なお、公演中の写真撮影はNGとのことで、残念ながら公演の様子を写真でお伝え出来ませんが、ウェブ上で公開されている写真を掲載しますので雰囲気だけを感じ取ってください。



大人の味?マンドリン E「そよ風」

2025-03-05 14:33:13 | ステージ & エンターテイメント
 いわゆる大人のマンドリンアンサンブルといった趣きの演奏会だった。25名の奏者の顔ぶれを拝見したところ、初老の方が目立つ構成で音は正確に刻んでいる印象だったのですが、力強さにはやや欠けるかなぁ、というのが正直な印象だった…。

      

 3月2日(日)午後、白石区民センターホールにおいて「マンドリンアンサンブル そよ風」の演奏会が開催されたので、白石区まで遠征してマンドリンの音色を楽しみました。
 アンサンブルを指導・指揮する島崎洋氏は多彩に活動されている方のようです。自ら札幌アルカディア室内管弦楽団でチェロ奏者として活動する一方、市内外の5つものマンドリンや弦楽合奏団などを指導されている方だとプログラムで紹介されていました。
 そのような島田氏の指導を受けているだけあって、アンサンブルの紡ぎ出す音は正確に刻まれている、といった印象でした。

        
     ※ マンドリンアンサンブル「措よ風」を指導・指揮する島崎洋氏です。

 例によって演奏された曲目を紹介すると…
 〖第1部〗 「クラシック・マンドリンオリジナル・テレビドラマ番組テーマ曲」と題して
  ◇F.シューベルト/至福
  ◇A.カッペレティ/マンドリン賛歌「フローラ」
  ◇S.ラニエーリ/プレリュード
  ◇武藤理恵/Last Dance
  ◇さだまさし/「北の国から」のテーマ
  ◇さだまさし/Birthday
 〖第2部〗 「女性シンガーソングライター・卒業ソングメドレー特集」と題して
  ◇広瀬香美/ロマンスの神様
  ◇椎名林檎/おとなの掟
  ◇尾崎亜美/オリビアを聴きながら
  ◇松任谷由美/ユーミン・メドレー(「ひこうき雲」、「真夏の夜の夢」)
  ◇藤巻亮太ほか/卒業ソングメドレー Part 2 「3月9日」(レミオロメ
    ン)~YELL」(いきものがかり)~さくら(独唱)(森山直太朗)                                     
  ◇千葉和臣ほか/卒業ソングメドレー Part1(「贈る言葉」(海援隊)~
    「卒業」(斉藤由美)~「卒業写真」(荒井由実)~「卒業」(尾崎豊)~ 
    「翼をください」(赤い鳥)
[アンコール]◇小椋佳/愛燦燦

    
    ※ 演奏するマンドリンアンサンブル「そよ風」の皆さんです。

 演奏を聴いていて、私の中で特に印象に残ったのはS.ラニエールの「プレリュード」、広瀬香美の「ロマンスの神様」でした。また、さだまさしの「北の国から」のテーマ曲は、あのメロディーを聴かされただけでテレビの場面が蘇ってくる感じがしました。
 ただ前述したように、演奏陣全体が初老の方が多く、しかも第一マンドリン、第二マンドリン、マンドラは全員が女性ということもあってだろうか?力強さにはやや欠けるかなぁ、という印象でした。
 私がこれまで聴いてきた北大のチルコロ・マンドリニスティコ「アウロラ」や明大マンドリン倶楽部、月寒高校マンドリン部などは、いずれもが若い奏者たちだったこともあり、そのあたりの違いがあったようでした。

 しかし、生涯学習の一環(?)として取り組まれている「そよ風」の皆さんの真摯な演奏は、何の楽器も奏でることができない私からしたら、とても羨ましく感じました。
 「そよ風」の皆さんのますますのご活躍を願うばかりです。



Kotoni Classic vol.35

2025-02-27 19:47:01 | ステージ & エンターテイメント
 それぞれがキャリア十分の4人が紡ぎ出す音は安定していて、聴いていて耳に心地良いものでした。西区はこのような上質のコンサートを定期的に無料で提供してくれているのが羨ましく思うのですが…。

     

 一昨日(2月26日・水)午後、西区役所地域振興課が主催する「Kotoni Classic」と題するクラシックコンサートが西区民センターで開催され参加しました。
 出演は「アンサンブル・クレセント」という4人からなる弦楽四重奏のコンサートでした。
 出演者名は、
  ◇第一ヴァイオリン   森本 千絵さん
  ◇第二ヴァイオリン   森 由紀子さん
  ◇ヴィオラ       猿渡美穂子さん
  ◇チェロ        山田 慶一さん

という結成3年目となる4人の方々でした。4人はそろそろヴェテランの域に差し掛かるキャリア十分の方々でした。

   
   ※ 演奏前のステージの様子です。

 例によって演奏された曲目を紹介すると、(作曲者名/曲名の順)
 ◇E.エルガー/愛の挨拶
 ◇作詞、作曲者不明(文部省唱歌)/冬景色
 ◇A.ヴィバルディ/四季より「冬」
 ◇ヒュート・パリ―/弦楽四重奏曲第1番 ト短調から 第1楽章
 ◇F.クライスラー/愛の喜び
 ◇E.サティ/ジュ・トゥ・ヴ
 ◇J.シュトラウス2世/美しき青きドナウ
 ◇P.チャイコフスキー/弦楽四重奏曲第1番 ニ長調から 第1楽章
[アンコール]
 ◇P.チャイコフスキー/弦楽四重奏曲第1番 ニ長調から 第2楽章(アンダンテ・カンタビーレ)

 ラインナップを眺めて、この種の初心者向けのコンサートはわりあい耳馴染みの曲を取り上げてくれるのが私には嬉しいかぎりです。演奏された半数以上の曲は私にとっては馴染みがあり、心楽しく聴かせてもらいました。

 一方で、アンサンブル・クレセントさんたちの思いを込めた曲目も挿入されていました。そのような一曲がヒュート・パリ―の「弦楽四重奏曲第1番 ト短調」でした。まず作曲したヒュート・パリ―という方がクラシック界ではそれほど高名ではない方のようです。ウェブ上で調べても彼の名を見出すことはできませんでした。
 しかし、クレセントさんたちは密かに彼の音楽を評価し、コンサートで取り上げ演奏しているようです。
 またコンサートの最後に持ってきたチャイコフスキーの「弦楽四重奏曲第1番 ニ長調」も彼らにとって思い入れのある曲のようです。アンコールでも取り上げたほどですから…。

 私たちクラシック初心者にとっても、そして演奏されたクレセントの皆さんにとっても充足感を感ずることができる巧みなラインナップでした。

    
※ 例によってコンサート中の写真撮影はNGですが、コンサート終了後の挨拶の場面は許されると考えて一枚撮らせていただきました。

 ところでリード文でも触れましたが、西区ではこうした催しが多いように感じています。Kotani Classicfは今回で35回目の開催というのですから羨ましいかぎりです。また、東区でも定期的に区民向けのコンサートが実施されているようですが、中央区ではこうした定期的なコンサートが見当たりません。それぞれの区の考え方もあるとは思いますが、できればこうした催しを私が住む中央区でも計画していただければなぁ、と願うのですが…。



北翔大学ウィンドオーケストラコンサート

2025-02-23 19:53:48 | ステージ & エンターテイメント
 総勢60名の大編成の迫力あるサウンドを楽しみました。「レ・ミゼラブル」や「キャンディード序曲」といった耳馴染みのある曲も織り交ぜながらの2時間のステージは迫力一杯のステージでした。

     

 昨日(2月22日)午後、北翔大学札幌円山キャンパスにおいて、「北翔大学ウィンドオーケストラコンサート」が開催されたので駆け付けました。札幌円山キャンパスは我が家から近く、時折り学生さんたちの発表会等が開催されるので、できるだけ駆け付けるようにしています。

 渡されたプログラムによると、「北翔大学ウィンドオーケストラ」は、教育学科音楽コースの「合奏」を履修している学生によって構成されているそうです。いわば音楽合奏を専門に学んでいる学生ということでしょう。メンバーの中にはもちろん4年生も多く、彼らにとってはこのオーケストラで演奏するのが最後の学生(11人)も加わっていました。
 反対に、今春新たに北翔大学教育学科に入学予定の9名も「入学前プログラム」という形で加わっているということでした。

 当日演奏された曲目は次のとおりでした。
 【第1部】
  ◆ R.ガランテ/レイズ オブ ザ サン
  ◆ J.V.ロースト/カンタベリー コラール
  ◆ C.ミシェル・シェーンベルク/ミュージカル「レ・ミゼラブル」より
 【第2部】
  ◆ L.バーンスタイン/キャンデード序曲
  ◆ G.ガーシュイン/パリのアメリカ人

 こうして演奏曲目を並べてみると、純粋のクラシック曲というよりは、セミクラシックといった曲目のラインナップのように思われます。
 演奏は、学生たちを日常的に指導されている教育学科音楽コースの教授・千葉圭説氏の指揮で演奏されました。
 コンサートは前述したように迫力あるサウンドで、私たち聴衆を楽しませてくれました。ただ、ちょっと気になったところもありました。
 それは私の耳には、どうしても音に雑味(こんな音楽用語があるのかは知りません)のようなものを感じられたのです。私にはそのことが気になりました。
 音楽の専門的なことなど全く分からない私が感じたことですから、あるいはまったく的外れのことかもしれません。

 いずれにしても千葉教授によると、音楽コースで学ぶ学生は、将来音楽教員を目ざしている学生と聞きました。大学で学んだことを教育現場で思う存分に発揮して後輩たちを導いてほしいと思います。

新進気鋭の音楽家の若々しい音を聴く

2025-02-22 11:44:11 | ステージ & エンターテイメント
 それはほんのさわりでしかなかったけれど、本年度「札幌市民芸術祭新人音楽会」の大賞を受賞された3人の音楽家たちのコンサートでした。札幌市役所ロビー内に彼らの素晴らしい音が広がったひと時でした。

      

 昨日(2月21日)正午、札幌市役所一階ロビーにおいて今月の「市民ロビーコンサート」が行われるのを知って駆け付けました。
 今回は、本年度の「札幌市民芸術祭新人音楽会」の大賞を受賞された3人の音楽家の皆さんのコンサートでした。その3人とは…、演奏順に (※はピアノ伴奏者)
 ◆鈴木 勇太さん(フルート)    ※ 渡部 美蕗さん
 ◆大野 浩司さん(声楽・バリトン) ※ 山田 結花さん
 ◆三上慎太郎さん(ピアノ)

 演奏された曲目は、
 ◇鈴木 勇太さん  M.タンナー/ヒマラヤ組曲より Ⅰ、Ⅱ、Ⅴ
 ◇大野 浩司さん  モーツァルト/「フィガロの結婚」より「すでに訴訟に勝っただと?」
 ◇三上慎太郎さん  バルトーク/ルーマニア民俗舞曲

 コンサートはいずれも時間の制約があったのだろうか?それぞれ6分、5分、4分半と、ほんのさわりを披露されたという印象でした。
 三人ともにさすがに大賞を受賞された方々だったので、それぞれが瞬時に私たちを彼らが描く世界に導く力量を備えている方々と思いました。
 その中でも圧巻だったのはバリトンの大野さんのステージでした。素晴らしい声量の持ち主で、市役所一階ロビー全体に響き渡る歌声は他を圧していたように思われました。大野さんの歌声を一度音楽大ホールで聴いてみたいと思わせられるひと時でした。
          
  
 また、最年少受賞となった三上慎太郎さん(大谷大学3年)の繊細にタッチと、時に力強く鍵盤を叩きつけるような演奏は、もはや一流の演奏家の感さえ思わせるものでした。
    

 鈴木さんのフルートもヒマラヤの広大な景色や厳しい山容を思い出させてくれるような演奏でしたが、残念ながら私がフルートの音の良さについて無知だったことで、ちょっと印象が薄まってしまった感は免れませんでした。
         

 いずれにしても、僅かな時間の中で将来有望な音楽家たちの演奏を間近に聴くことができたことは幸せな時間でした。


北翔大 教育学科音楽コース 卒業演奏会

2025-02-09 19:18:45 | ステージ & エンターテイメント
 4年間の大学での学び、いやそれ以前からの修練の集大成としての発表会に立ち会うことができた。11人の卒業生は、一人ひとりが真摯に自分の音楽に向き合った瞬間だったと思われる。その場に立ち会えたことを感謝する思いだった。
 
 昨日(2月8日)午後、北翔大学札幌円山キャンパスで開催された教育文化学部 教育学科の音楽コースの「第8回 卒業演奏会」を聴くことができました。
 第8回ということは歴史が浅いかな?と思われ、調べたところどうやら音楽コース自体は2013年度に開設されたようです。(大学そのもののルーツは1939年に遡ります)

 今年の卒業生は男性7名、女性4名の計11名の方が卒業演奏会で演奏しました。
 その内訳は、声楽が4名、管楽器演奏が7名といった内訳でした。
 それぞれの演奏について評することは私にはとてもできることではないので、ここでは卒業演奏会全体の感想をレポさせていただこうと思います。

      

 プログラムの中で、音楽コースの指導者の挨拶の中で卒業生のほとんどは、この春から教員として教壇に立つ学生がほとんどである、と述べています。つまり、彼らはこれまで培ってきた音楽的な教養と技術を後輩たちに教え伝えていく立場と、同時に自らの音楽も追求していくということでしょうか。
 しかし、中には音楽で身を立てていくという思いを持っている方もいるのでは?と想像します。
 そうしたことを思いながら卒業演奏会の演奏に耳をそばだてました。

 そうした思いで聴いていると、私には管楽器演奏陣よりも声楽の方たちの方がややプロに近いのかなぁ、という印象を持ちました。特に男子学生の声量やパフォーマンスが堂々としていたのが印象的でした。
 管楽器演奏の演奏者の方は今一歩かな?という思いでしたが、はたしてどうなのでしょうか?
 ただ、日本において(あるいは北海道において)声楽で身を立てるという環境はとても狭き門かなという思いもあります。
 一方、管楽器の方は道内のプロウィンドオーケストラが誕生したり、民間の音楽教室なども多数存在するようです。そうしたところでの活躍の場もあります。

 はたして11名の卒業生がどのような道を歩むのかも興味があるところです。
 卒業生の大半が教師の道を歩むということですが、どうか北海道内の音楽シーンを盛んなものとするための一助として活躍されることを願いたいと思いながら会場を後にしました。               


圧倒的な存在感 倉岡陽都美さん「道銀文化財団ARTIST BANK 2025」 

2025-02-03 17:59:40 | ステージ & エンターテイメント
 倉岡陽都美さんのソプラノは圧倒的な存在感は会場を圧した感があった。対するテノールの荏原孝弥さんは繊細な表現力に優れていたように思われた。ピアノ伴奏の鎌倉亮太さんの柔らかなピアノタッチも二人に劣らず聴かせてくれました。

     


  昨日(2月2日)、昼と夕方、札幌コンサートホールKiataraの小ホールにおいて2度にわたって道銀文化財団が主催する「ARTIST BANK 2025」 が行われ、私は両方ともに参加しました。
 出演はソプラノの倉岡陽都美さテノールの荏原孝弥さピアノ伴奏の鎌倉亮太さんの三人で、昼公演も夕公演も同じ顔ぶれでした。
 なお、昼公演の方には、三人以外に大谷大学音楽科の学生&卒業生6人が「冬のファンタジアアンサンブル」として加わりました。
 内容的には昼公演が子どもにも親しめるような楽曲を中心にして、夕公演は本格的なオペラの曲や歌曲が中心となっていたため、両者ともに違った意味で楽しめました。

 両者のプログラムを紹介すると…、
【昼公演】冬のファンタジア~歌とピアノであそぶ 音楽の広場~
 ◇ヴェルディ/歌劇『椿姫』より「乾杯の歌」  (倉岡陽都美、荏原孝弥)
 ◇メンケン/『美女と野獣』より「美女と野獣」  (冬のファンタジアアンサンブル)                                                                                                      
 ◇メンケン/『アラジン』より「ホール・ニュー・ワールド」  (冬のファンタジアアンサンブル) 
 ◇ロイド・ウェーバー/ミュージカル『キャッ』より「メモリー」 (倉岡陽都美) 
 ◇木村弓/『千と千尋の神隠し』より「いつも何度でも」  (倉岡陽都美、荏原孝弥)
 ◇ベッリーニ/歌劇『ノルマ』より「清らかな女神よ」 (倉岡陽都美 +冬のファンタジアアンサンブル)   
 ◇ヴェルディ/歌劇『リゴレット』より「女心の歌」  (荏原孝弥)
 ◇モーツァルト/ピアノソナタ第11番 第3楽章「トルコ行進曲」 (ピアノソロ 鎌倉亮太)
 ◇デンチァ/ナポリ民謡「フニクラ・フニクラ」 (荏原孝弥)
 ◇ヴェルディ/歌劇『リゴレット』より「ジルダとマントヴァ公爵のデュエット」  (倉岡陽都美、荏原孝弥)
〔アンコール〕ナポリ民謡/オー・ソレ・ミーヨ (出演者全員で)


【夕公演】冬の華やぎ~歌とピアノで紡ぐ音の世界~
 ◇ヴェルディ/歌劇『椿姫』より「乾杯の歌」  (倉岡陽都美、荏原孝弥)
 ◇ロッシーニ/「誘い」 (倉岡陽都美) 
 ◇ロッシーニ/「踊り」  (荏原孝弥)
 ◇ベッリーニ/「優雅な月よ」 (倉岡陽都美) 
 ◇ベッリーニ/「追憶」 (荏原孝弥)
 ◇中田喜直/「サルビア」 (倉岡陽都美) 
 ◇中田喜直/「さくら横丁」 (荏原孝弥)
 ◇木下牧子/「おんがく」 (倉岡陽都美) 
 ◇木下牧子/「夢みたものは」 (荏原孝弥)
 ◇ガスタルド/「禁じられた音楽」 (倉岡陽都美、荏原孝弥)
 ◇ショパン/幻想ポロネーズ 変イ長調 作品61  (ピアノソロ 鎌倉亮太)
 ◇プッチーニ/歌劇『ラ・ボエーム』第1幕  (倉岡陽都美、荏原孝弥)
〔アンコール〕木下牧子/「ひばり」  (倉岡陽都美、荏原孝弥)

と盛りだくさんの内容でした。(とは云っても一曲一曲がそれほど長い曲ではないので、昼公演は約1時間、夕公演は約1時間30分の公演でした)
 
 さて出演者それぞれの感想ですが、何と云っても倉岡陽都美さんの存在感が抜群でした。今や北海道のオペラ界、歌曲界で最も輝いているのが倉岡陽都美さんではないかと思われるのですが、その圧倒的な声量は会場内を圧していたような感じでした。彼女はイタリア在住15年というキャリアを誇り、本場で活躍されていたということですが、それもむべなるかなといったステージでした。

 また、荏原孝弥さんは声量的には倉岡さんと比べるとやや線が細いかな?と思われましたが、日本の歌曲を歌った時に彼の発音の良さに気付きました。クラシックの場合、現地語(イタリア語、ドイツ語)で発音されるので言語としての発音の優劣はまったく分かりません。ところが、日本の歌を歌った場合、その違いを聴き分けることができました。荏原さんもまたイタリア在住6年ということで本場で活躍された方だということでした。

 そしてピアノ伴奏の鎌倉亮太さんは全曲を弾き通したのですが、そのピアノタッチの柔らかさ、そして長時間にわたり全曲を弾きこなすスタミナに驚きました。鎌倉氏は、大谷大学音楽科の准教授として後輩の指導に当たりながら、社会人の西区オーケストラを指揮監督をし、さらには道内の主要な演奏会で現役のピアノ奏者として活躍するという八面六臂の活躍です。今や道内クラシック界においてなくてはならない存在の方のように思われます。

 こうした素晴らしい音楽家の方々が演奏するコンサートを堪能することができた昨日一日でした。



迫力のサウンド 札幌ブラスバンド 

2025-02-02 20:00:34 | ステージ & エンターテイメント
 団員82名が紡ぎ出すサウンドは迫力十分にhitaruの高く広い場内に響き渡りました。北海道の社会人吹奏楽界をリードする自負が感じられた定期演奏会でした。また客演で札響のチューバ奏者の玉木亮一氏の演奏も見事でした。

      

  昨日(2月1日)夜、札幌文化芸術劇場hitaru札幌ブラスバンドの第37回定期演奏会が開催されたので聴いてきました。
 札幌ブラスバンドについては、一昨年の11月23日に、旭山公園通地区センターで開催された「ふれあいコンサート」に出演した際に聴いて、「これは他の社会人バンドとレベルが違うぞ!」感じたので、今回の定期演奏会には迷いなくチケットを購入しました。

 午後6時開演しましたが、まず演奏者(団員)の多さに驚きました。とても目測で数えられる人数ではありません。幸いプログラムに全員の名前が記載されていましたから、それを数えてみるとなんと82名でした!おそらく札幌の社会人吹奏楽界では最大では、と思われます。
 その82名が紡ぎ出す音(サウンド)はもう迫力十分です。最初の曲「イーグルクレスト序曲」から会場内を圧倒しました。

 例によって、 この日演奏された曲目紹介すると…、
〖第1部〗
 ◇ジェームズ・バーンズ/イーグルクレスト序曲
 ◇ジュリー・ジル―/美しき人生
 ◇マーティン・エレビー/チューバ協奏曲 (チューバソロ 玉木亮一)
〖第2部〗
 ◇福島弘和/吹奏楽のためのエッセイ Ⅱ
 ◇オットリーノ・レスピーギ/交響詩「ローマの松」
      第1楽章 ボルゲーゼ荘の松
      第2楽章 カタコンブ付近の松
      第3楽章 ジャニコロの松
      第4楽章 アッピア街道の松

 以上でしたが、さすがに定期演奏会ということで遊び(?)はなく、いずれもが本格的な吹奏楽曲が並んだような印象です。
 私に専門的な評はできませんが、一人ひとり力量が確かだからでしょう、全体が紡ぎ出す音に乱れを感ずることはありませんでした。
 ただ、私のような素人には本格的な楽曲が多かったせいか、第二部に入るといささか疲れのようなものを感じたのも事実です。
 興味深かったのは、チューバのソロを担った響の玉木亮一さんの演奏です。チューバソロなどなかなか聴く機会がありませんが、この日はチューバの細やかなテクニックを十分に聴かせてくれました。

          

 これだけの多人数の奏者をまとめる音楽監督兼指揮者の米田浩哉さんの力量も相当なものだと拝察します。略歴を拝見すると、札幌ブラスバンドの指揮だけではなく、他団体やオペラの世界でも活躍されている方のようです。
 また、札幌ブラスバンドは吹奏楽コンクールにも積極的に出場し、北海道を代表して全国大会にも度々進出しているバンドだということです。そうした名声が多くの後輩たちを惹き付けて今日があるのだと思われます。

     

 札幌ブラスバンド…、ちょっと古風なバンド名ですがこれからも注目していきたいと思います。



涙のチケット購入物語

2025-02-01 16:06:35 | ステージ & エンターテイメント
  “涙の…” とはちとオーバーな表現ですが、今回ほどわたしのようなアナログ人間は時代に取り残されつつあるなぁ…、ということを実感させられたことはありませんでした。行列を作ってチケットを購入するなんて、相当にダサいことなのです。

  3月14日(金)、北ガスグループが札幌交響楽団を招請して「北ガスグループ クラシックコンサート」を開催することを知りました。しかも入場料が全席1,000円という格安で提供されるという朗報です。
 そのチケットの発売日が本日2月1日だったのです。
 友人と語らい、3人で鑑賞することにしたのですが、それぞれが事情を抱えていて私が購入に赴くのが最善と考え手を挙げました。


 そして本日、午前10時販売開始ということで、きっと沢山の人たちが押し掛けるだろうと予想し、私は8時40分に家を出ました。
 地下鉄を乗り継ぎ、札幌コンサートホールKitaraに着いたのは9時15分でした。
 Kitaraの扉は当然閉まっていて、その前に数人の人が列を作っていました。私はもっとたくさんの人たちが押し掛けているだろう、と予想していましたが意外でした。私が列に並んだときは前から6番目でした。

 チケットの販売開始までの冷たい戸外での45分間は長く感じました。ただ、風もなく雪も降っていなかったコンディションだったのが幸いでした。私は持参した文庫本に眼を通しながら時間をやり過ごしました。
 チケットを購入しようとする人の列はだんだんと長くなってきました。販売開始時には50人くらい並んでいたのではないでしょうか?

   
   ※ 開扉15分前くらいに並んだ列の状況です。この後も続々と人が集まりました。

 販売開始の直前、チケットセンターの係の方が並んでいる列のところに来て、各人に番号札を手渡しました。私は「6番札」を受け取りました。
 そして係の人がこう話されました。「午前10時より、窓口、電話、インターネットで同時に発売が開始されます。場合によっては購入できないことも考えられますので予め了承ください」と…。

   
   ※ 私がいただいた6番札です。

 午前10時、ようやくKitaraの扉が開け放たれ、順に入館することができました。
 チケットセンターの窓口には3人の係の方が販売にあたっていました。
 窓口の上方にはモニターが掲げられていて、チケットが販売されるたびに座席の色が販売済みの色に変化していきました。
 最初の3人が購入手続きをしている間に、モニターの方では次々と販売済みのマークに変えられていきます。(インターネット上での購入で次々と席が埋まっていったのです)
 販売開始の直後だったからだろうか?ずいぶん購入に手間取っています。おそらく希望した席が次々と決まってしまい、席の希望に戸惑っていたようです。
 6番目の私が窓口に立った時には、すでに1階席は完売となっていました。おそらくそのほとんどはインターネットからの購入者によって占められたのでしょう。
 私がかろうじて選べたのは2階席正面の前から3番目の列に3席連続で購入することができました。

   
   ※ なんとか無事に購入できた鑑賞券です。

 列の6番目、寒空に45分も突っ立っての結果でした。
 1階席正面の席を確保した人たちは温かい部屋から、パソコンの前に座って極上の席を確保したのです。
 アナログ人間を悲哀さを痛感しました。
 
 実は私には20年近く前の話になりますが、インターネットを通じて「吉田拓郎&かぐや姫 2006つま恋」のチケットを購入しようと試みたことがありました。もっともそれは今回のケースとは違い、インターネットオークションで競り落とそうと試みたのですが…。
 いくら試みても購入に至ることができなかった、ということがトラウマとなっていたのです。
 そのときのことをブログに記していますので、再掲します。

あぁ・・・つま恋は遠い     2006-05-16
 
一週間前、「吉田拓郎&かぐや姫 2006つま恋」が当面の関心事だと記し、ネットオークションでチケットを入手すべく、帰宅後はPCに張り付きオークションに参加しているのですが、ことごとく落札できないでいます。
 私としては、席はどこでもいいのですが、ペアで4万円(販売価格より1万円上乗せ価格)を限度として参加しているのですが、いつも締め切り直前に引き上げられて落札できないでいます。
 コンサートの希少価値からいって、1万円程度では無理なのでしょうかね?
 う~ん、それ以上の値を出すのは厳しいなぁ・・・、ということで「つま恋」が遠くなってきたかな、というのが偽らざる現在の心境です。くやしいなぁ。

 このことが私の中ではどこかトラウマとなり、インターネットからの購入に及び腰となっていたようです。それでは今や通用しないということですね。
 次回、もし機会があればやはりここは挑戦してみなければいけないと強く思った本日の顛末でした。



えっ!?札響じゃないの? キタラ防災訓練コンサート 

2025-01-31 17:02:55 | ステージ & エンターテイメント
 えっ!?札響じゃないの? 演奏したのはある意味で避難訓練コンサートに相応しい札幌市消防音楽隊だったのです!消防音楽隊のポップで軽やかな演奏はそれはそれで楽しめたのですが…。

       

  “うつけ” を自認する私ですが、今回は典型的な“うつけ”ぶりを露呈してしてしまいました(涙)。
 某日、知人から「Kitaraの防災訓練コンサート」の無料チケットを譲ってもらい、「札響のコンサートを無料で聴けるとはラッキー!」と思い喜んで、昨日(1月30日)札幌コンサートホールKitaraに向かいました。
 入場する際にチケットを見てみると、そこには小さく[吹奏楽/札幌市消防音楽隊]と記してあるではありませんか! ガーン、気付くのがあまりにも遅すぎました。私は消防音楽隊の演奏を聴き、避難訓練に参加することにしました。

 吹奏楽団としてはけっして多人数ではない、私が数えたところ25名くらいの吹奏楽団でしたが、耳馴染みのある曲を軽やかに演奏し、楽しませてくれました。
 演奏された曲目を列挙すると…、
 ◇peppe & 穴見真吾/Mela!
 ◇久石譲/人生のメリーゴーランド
 ◇いけたけし 他/DRAGON BOOL medley
 ◇大野克夫/名探偵コナン メインテーマ
 ◇井上大輔/め組のひと
 ◇服部良一/東京ブギウギ
 ◇葉加瀬太郎/情熱大陸コレクション
〔アンコール曲〕 ◇中川博之/好きですサッポロ

 コンサートでは、三曲目が終わったところで場内にサイレンが響き渡り、避難訓練が実施されました。訓練では「サイレンは鳴っても指示があるまで席を離れないように」とアナウンスがあり、やがて誘導員の指示に従い、凡そのグループがつくられ誘導員に引率されるように避難しました。
 避難した場所はキタラのホワイエだったのですが、全体の避難が無事に終了した時点から、しばらくの間、何の指示も出されなかったところにやや準備不足を感じました。

 

 コンサートの方ですが、避難訓練を終えた後、4曲目から再開されました。再開される時点で、消防音楽隊と日ごろから交流があるという大谷大学音楽科の学生が9名ほど加わって演奏が再開されました。
 9名が加わったことによって、やはり音に厚みが増し、より聴き応えのある音として私の耳には伝わってきました。
 特に私は「め組のひと」の演奏がよりよく伝わってきた感じがしました。

 消防音楽隊の演奏を私はこれまで何度か聴いたことがあるのですが、私は指揮の菅原克弘さんの指揮ぶりがとても気に入っています。
 菅原さんの指揮は、動きは小さく派手ではないのですが、消防音楽隊の軽やかな音を体現するかのように体全体でリズムを取り、時折り掲げる左手の動きのタイミングの良さに魅かれるところがあります。

 菅原さんの指揮と共に、これからも軽やかで楽しい音楽を札幌市民に届けてほしいと願っています。