田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

Kotoni Classic vol.35

2025-02-27 19:47:01 | ステージ & エンターテイメント
 それぞれがキャリア十分の4人が紡ぎ出す音は安定していて、聴いていて耳に心地良いものでした。西区はこのような上質のコンサートを定期的に無料で提供してくれているのが羨ましく思うのですが…。

     

 一昨日(2月26日・水)午後、西区役所地域振興課が主催する「Kotoni Classic」と題するクラシックコンサートが西区民センターで開催され参加しました。
 出演は「アンサンブル・クレセント」という4人からなる弦楽四重奏のコンサートでした。
 出演者名は、
  ◇第一ヴァイオリン   森本 千絵さん
  ◇第二ヴァイオリン   森 由紀子さん
  ◇ヴィオラ       猿渡美穂子さん
  ◇チェロ        山田 慶一さん

という結成3年目となる4人の方々でした。4人はそろそろヴェテランの域に差し掛かるキャリア十分の方々でした。

   
   ※ 演奏前のステージの様子です。

 例によって演奏された曲目を紹介すると、(作曲者名/曲名の順)
 ◇E.エルガー/愛の挨拶
 ◇作詞、作曲者不明(文部省唱歌)/冬景色
 ◇A.ヴィバルディ/四季より「冬」
 ◇ヒュート・パリ―/弦楽四重奏曲第1番 ト短調から 第1楽章
 ◇F.クライスラー/愛の喜び
 ◇E.サティ/ジュ・トゥ・ヴ
 ◇J.シュトラウス2世/美しき青きドナウ
 ◇P.チャイコフスキー/弦楽四重奏曲第1番 ニ長調から 第1楽章
[アンコール]
 ◇P.チャイコフスキー/弦楽四重奏曲第1番 ニ長調から 第2楽章(アンダンテ・カンタビーレ)

 ラインナップを眺めて、この種の初心者向けのコンサートはわりあい耳馴染みの曲を取り上げてくれるのが私には嬉しいかぎりです。演奏された半数以上の曲は私にとっては馴染みがあり、心楽しく聴かせてもらいました。

 一方で、アンサンブル・クレセントさんたちの思いを込めた曲目も挿入されていました。そのような一曲がヒュート・パリ―の「弦楽四重奏曲第1番 ト短調」でした。まず作曲したヒュート・パリ―という方がクラシック界ではそれほど高名ではない方のようです。ウェブ上で調べても彼の名を見出すことはできませんでした。
 しかし、クレセントさんたちは密かに彼の音楽を評価し、コンサートで取り上げ演奏しているようです。
 またコンサートの最後に持ってきたチャイコフスキーの「弦楽四重奏曲第1番 ニ長調」も彼らにとって思い入れのある曲のようです。アンコールでも取り上げたほどですから…。

 私たちクラシック初心者にとっても、そして演奏されたクレセントの皆さんにとっても充足感を感ずることができる巧みなラインナップでした。

    
※ 例によってコンサート中の写真撮影はNGですが、コンサート終了後の挨拶の場面は許されると考えて一枚撮らせていただきました。

 ところでリード文でも触れましたが、西区ではこうした催しが多いように感じています。Kotani Classicfは今回で35回目の開催というのですから羨ましいかぎりです。また、東区でも定期的に区民向けのコンサートが実施されているようですが、中央区ではこうした定期的なコンサートが見当たりません。それぞれの区の考え方もあるとは思いますが、できればこうした催しを私が住む中央区でも計画していただければなぁ、と願うのですが…。



DVDフォーラム「こころの名山 日本霊山紀行」

2025-02-27 11:11:50 | 「めだかの学校」関連
 名山紀行ではない。‟霊山紀行” である。つまり神聖な山であり、霊域の山々を巡るDVDなのです。 今回取り上げられた5つの山は名山でもあるのですが、その山々の霊的側面を取り上げたDVDだったのですが…。

      
 一昨日(2月25日・火)、私が所属する「めだかの学校」は、2月の2度目の学習会を実施しました。内容は会員が保有するDVD「こころの名山 日本霊山紀行」というDVDを視聴し、会員同士で感想を語り合うというものでした。
 今回は10巻のシリーズの中の1巻を視聴するものでした。DVDは全10巻で日本の霊山50山を取り上げています。今回はその中の5山を取り上げたものでした。その5山とは…、
 ◇利尻山
 ◇岩木山
 ◇恐山
 ◇鳥海山
 ◇早池峰山
 このうち恐山を除き、4山は全て「日本百名山」に含まれている名山でもあります。

     
     ※ 荒涼とした光景が広がる恐山です。

 恐山は、活火山の一つとして「山」と形容されていますが、カルデラ湖の周辺には樹木などは生育せず灰色の世界に包まれた異様な光景が広がっています。そうした特異な光景から霊場の一つとして名高いのですが、他の4山と同様に「山」と形容するには無理があるような気がします。

 DVDは、その恐山も含めて5つの山の霊的部分を取り上げています。
 我が国では古来から「山の神」などと称して、地域のおける高い山、登るのが困難な山などを信仰の対象としています。
 ですから、日本百名山にも選出されているような4つの山は、それぞれが地域を代表するような山ですから、いずれも麓に神社が祀られ、山頂には奥宮と称する小さな祠が建立されていました。
 そしてそれぞれ山では、地域の人々の安全や豊漁、豊作祈願が行われています。
 DVDの包装箱には、収録された内容を短く次のように説明しています。
 ◇利尻山 ~ 航海の安全、豊漁祈願、…海から信仰する山
 ◇岩木山 ~ 津軽農民の信仰の山、豊作祈願祭「お山参詣」
 ◇恐山   ~ 秋の大祭に見る信仰と世俗
 ◇鳥海山 ~ 威厳と美しさをあわせ持つ出羽の秀峰
 ◇早池峰山~ 山麓に残る早池峰伝説。神楽が響く神の山

 こうした地元に古くから言い伝わり、引き継がれてきた信仰に関わる言い伝えや行事は、単にDVDを視聴するだけで、地元の住民の方々の山を信仰する気持ちを理解することが難しいのかもしれません。特に道産子である私たちはそうした伝統的な言い伝えや習わしには関心が薄いという傾向もあります。
 視聴後の感想、話し合いは、残念ながら山岳信仰に関わる感想などはほぼ皆無でした。
 感想の多くは、自らの登山体験を語られる方、あるいは恐山を観光的に訪れた感想を語る方など、DVDの趣旨に沿うような感想は語られませんでした。

   
   ※ 私も息絶え絶えになりながら登頂を果たした利尻山を海上が仰いだ図です。

 さて、私はどう話したかというと、私もやはり話の中心は登山体験のことでした。私は現役をリタイア後、一時熱心に登山に取り組んだことがあり、低山を中心に道内の山100座登頂を目標にして、それをなんとか2020年に達成しました。その中で感じたことを山岳信仰と絡めてお話させてもらいました。
 つまり、多くの山を登っているうちに「山は、権力が在ろうとなかろうと、あるいはお金持ちであろうとなかろうと、山は誰に対しても平等である」ということを私は体験上感じたのです。山は誰もが辛い思いをし、それに耐えて登頂の喜びを味わう。
 そうした行為、思いが、あるいは人々が山を信仰の対象としたのではないだろうか?と…。
 上手くは話せませんでしたが、そうした思いを皆さんの前で話させてもらいました。
 その山からも体力の衰えに伴い、遠く離れてしまったなぁ…、というちょっと寂しい気持ちが今の私を覆っています…。



JICA海外協力隊 「帰国報告会」

2025-02-26 16:52:12 | 講演・講義・フォーラム等
 道内から世界各地の開発途上国に派遣され、活躍してきた5人の道産子が各国での活動した様子を報告するのを聴きました。それぞれの地で事情は違うものの現地でやりがいを感じながらの2年間だったようです。
      

 一昨日(2月24日・月)午後、札幌国際プラザで開催されたJICA海外協力隊 「帰国報告会」に参加し、協力隊員たちの活動報告を聴きました。

 JICA…、というと私などは直ぐに「青年海外協力隊」を頭に描くのですが、今回報告会に参加してみると、JICA海外協力隊というのは、「青年海外協力隊」、「海外協力隊」、「日系社会青年海外協力隊」、「日系社会海外協力隊」、「シニア海外協力隊」、「日系社会シニア海外協力隊」と実に多岐にわたる協力隊の総称として、JICA海外協力隊と称していることが分かりました。
 その応募条件はさまざまですが、対象年齢は20歳から69歳と幅広く、、今回報告された方々の顔ぶれも拝見すると、60代2人、40代2人、20代1人、という年代と思われた顔ぶれで、それぞれ現地で2年間の活動を終え帰国された方々でした。
 
 それぞれの派遣国と現地での職種について記すと、
 ◇Aさん女性)   パラオ/小学校教育
 ◇Bさん男性)  カンボジア/土木
 ◇Cさん(男性)    エジプト/青少年活動
 ◇Dさん(男性)  ブラジル/ソフトボール
 ◇Eさん((男性)    チリ/作業療法士
という方々でした。
 お話を伺いながら、それぞれどのような形で応募されたかというと、Aさんは小学校教員として勤務される中で現職のまま協力隊に派遣され、帰国後再び道内の小学校に勤務されているようでした。
 Bさん、Cさんは、日本で定年退職された後、協力隊に応募された方のようでした。
 Dさんは、某市役所に勤務されていて、職場の制度を利用して協力隊に参加され、現在は元の職場に勤務されている方です。
 Eさんは、某病院で作業療法士として勤務されていましたが、そこを退職されて参加した方のようで、帰国後はまた別な職場で作業療法士をされているようでした。

      
      ※ カンボジアでの体験を報告するBさんです。

 報告を聴いていて特徴的だったのはBさんでした。
 Bさんは、今回が初めてではなく、これまでブータン、コロンビア、そして今回のカンボジアと実に3度も協力隊として派遣されている方だということでした。また、現地での任務もかなり専門的な技術等の指導援助でした。(但し、JICAの規則を見ると、海外協力隊としては派遣は2度までということですから、あるいは現職時代にも別な形で派遣経験のある方かもしれません)
 私は現地での任務がかなり専門的に聞こえたので、報告後の質問タイムの際に「差支えない範囲で現職時代のことを教えてほしい」とお願いしました。すると、Bさんは道庁に勤務され農業土木の技師をされていた方だということが分かりました。きっとBさんの技術は現地で重宝されたものと想像されます。

 反対にCさんは、元理科教員だった方のようでしたが、理科教員としての派遣枠がなかったために、専門ではない青少年活動(社会教育)で派遣されたそうですが、専門ではなかったこともあり、いろいろとご苦労されたようでした。ただ帰国前には任務にも慣れ、最後の半年はやりがいを感じながら任務を終えることができた、と語っていました。

     
     ※ 派遣された現地チリの民族衣装を纏い報告するEさんです。

 その他の方々も、それぞれの任地で、現地の人々と関わり合いながら、喜怒哀楽を共にしながら2年間の有意義な派遣生活をされたことを聴くことができました。
 私も現職時代には海外日本人学校への派遣を希望していました。かなり実現に近づいたのですが、結局踏み切ることができずに自ら希望を取り下げた経緯があります。
 ですから、海外で活躍された方々のお話を聴くことにとても興味があります。

 報告された方々のような体験は今からは望むべくもありませんが、そうした方々のお話はこれからも機会があれば聴いてみたいと思っています。



札幌市中央区新庁舎オープン騒動記

2025-02-25 21:16:37 | その他
 “騒動記” とはちとオーバーかもしれないが、いや~疲れました。戸籍謄本一つ取得するのに、実に2時間10分も待たねばなりませんでした。私と同様に「新庁舎はどんなもんだい?ついでにあの証明書を頂いてこよう」と考えた区民が殺到したようでした。

 本日投稿予定のトピックは別にあったのですが、この種の話題は新鮮なほど興味を抱いてくれる方が多いのでは?と考えね急遽入れ替えることにしました。
 本日は私は午前、午後と私が所属する「めだかの学校」の会議と事業に参加し、午後3時過ぎに会場のかでる2・7を後にしました。
 帰りに少し寄り道をして、新装なった中央区役所によって庁舎を見学するとともに、以前から取得なくてはと考えていた戸籍謄本を取得するために中央区の新庁舎を訪れました。
 新庁舎の外観は派手さを抑えた茶色の枠取りが特徴の渋めの印象でした。
 建物は地下2階、地上6階建てのものでした。
 
     
※ 新庁舎の全景は撮るのが大変だったので、いただいたパンフの写真を借用しました。新庁舎奥の円形の建物は札幌プリンスホテルです。

 いただいた資料によると、建物は次のような構成となっていました。
 ◇地下1・2階 駐車場
 ◇地上1階   区民ホール、区民ギャラリー、他
 ◇地上2階   区民センター、図書室、区民向けの会議室、集会室、視聴覚室など
 ◇地上3階   総務企画課、戸籍住民課、年金保険課、保健福祉課
 ◇地上4階   保健センター(健康・子ども課)、関連する健診フロアなど
 ◇地上5階   保健課、その他社会福祉協議会など
 ◇地上6階   総務企画課、地域振興課、大会議室

    
   ※ 1階のエントランスです。左側が区民ギャラリー、右側が区民ホールです。

 旧庁舎との大きな違いは、区民センターと、健康・福祉関連の部署が同じ建物に集約されたことでしょうか。
 さらに特徴としては、区民が市に対して届け出をしたり、証明書の発行を依頼したり、介護保険などの手続きをしたりという、区民と区役所が直接かかわるフロアを3階に集中させたということのようです。
 4階より上の階は、少し特別な課題や事情を抱えた方が相談したり、指導を受けるための階ということのようです。

    
 ※ 2階の区民センターです。右側が事務室でその奥の左右に各部屋が連なっています。

 さて、騒動記の方です。
 私は15時20分に区役所に着きました。そして1階、2階をさぁーっと見た後、目的の3階に上がりましたが、まず人数を多さに驚きました。多くの区民が住民票の発行、国民年金の加入申請、住所変更届、児童手当の申請、等々何らかの発行を待っている人たちでした。

    
    ※ 3階の各種の手続きをを待つ人たちです。

 私は目的の戸籍謄本の発行を申請するため、近くにいた区役所の説明員に聞きながら申請書を作成しました。
 その申請書を受付に持っていくと、順番を記したカードが配布されました。そのカードには「E131」と記されていました。
 さあ、それからが大変でした。待てど暮らせど「E131」は呼ばれないのです。それもそのはず、私と同様にカードを持って待つ人がざーっと見て200人近くもいるのですから…。

 待つ、待つ、待つ……、1時間半近く経過したでしょうか?ようやく「E131」が呼ばれて、窓口で係の方に申請書を手渡しました。すると今度は、「窓口13番で呼ばれて戸籍謄本が発行されます」と案内を受け、またまた待機です。
 これはまたしばらく待たされると覚悟した私は、まだ見学していなかった4階、5階を見て回りましたが、やはりこちらは一般の市民が対象でないとみえ、フロアにそれぞれドアが設置されていました。私の姿を認めて「見学ですか?」と問いかけてきました。頷くとフロアについて一応の説明をしてくれました。

    
    ※ 4階の保健センターですが、閑散としていました。
    
    ※ 5階の保健課ですが、こちらも人はほとんど見当たりませんでした。

 6階はさらに入りづらいのではと思いパスして、3階フロアに戻りました。
 そして待つこと、今度は1時間。午後5時30分。ようやく戸籍謄本を手にすることができました。その間、実に2時間10分。私は疲れ果ててしまいました。私が帰路に就いたときもまだ待つ人は100人以上いたように思われます。区役所の担当職員が解放されたのは何時だったのでしょうか?

    
 ※ 私が帰路に就いた17時30頃でもご覧のようにたくさんの区民が手続きを待っていました。

 初物に弱い(私も含めて)日本人の独特の光景だったのかもしれません。
 そして改めて教えられた思いです。それは、この類の申請は区役所の窓口などではなく、出先の「まちづくりセンター」やコンビニなどもっと手軽に申請&発行してもらえるところがあるので、そちらを利用する方が賢明なのでは、という結論でした。
 ふーっ、疲れたぁ-。



映画 「知事抹殺」の真実 №391

2025-02-24 19:43:54 | 映画観賞・感想
 2006年9月、5期18年に渡り、福島県知事を務めていた佐藤栄佐久知事が突然辞任した。当時私は遠い他府県のことと、大して関心を持つことはなかった。しかし、この辞任の陰には巨大な権力の翳があったというのだが…。

     

 一昨日(2月22日)夜、白石区のライブバー「ハニービー」というところで映画「『知事抹殺』の真実」の上映会がありました。
 この映画の上映会を知ったのは、先月末エルプラザにおいてエルプラシネマ「決断 運命を変えた3.11 母子避難」を観賞した際に、ゲストとして招待されていた福島原発事故避難民の一人である鈴木哉美さんからの紹介でした。
 知事抹殺…とは穏やかではありません。私は俄かに興味を抱き、観賞してみたいと思いました。

 予め私は佐藤栄佐久氏のことについて調べてみました。
 佐藤氏は大学卒業後(東大卒)、父親の事業(紳士服の製造業)を手伝いながら青年会議所の活動で頭角を現し、1983年に自由民主党公認で参議院議員に当選します。これを機に事業の方は弟(祐二氏)に継承したということです。
 そして1988年には、前任者の引退を受け、福島県知事選挙に立候補して当選し、以降4回連続して当選しますが、5期目の任期途中に弟(祐二氏)の汚職疑惑に関連して追求を受けたことから、辞表を提出して辞職しました。さらにその後栄佐久氏は収賄容疑で逮捕されたという事件です。

 佐藤栄佐久氏の政治姿勢は、自民党所属でありながら徹底して県民のための政治を志向した点にありました。当時の国策だった原発推進、道州制の推進、市町村合併などの施策に対して、県民目線からことごとく疑問、あるいは反対の姿勢を取ったようです。そのことが県民から支持され5選も果たしたのです。
 しかし、中央政府は佐藤栄佐久氏の姿勢を苦々しく思っていたのは想像に難くありません。特に国のエネルギー政策の根幹と位置付けられていた原発推進に反対の姿勢を取ったことが全ての問題の始まりだったようです。
    
※ 記者会見をする佐藤栄佐久氏(右側)と映画監督の安孫子亘氏です。

 映画は、栄佐久氏が逮捕され検事から追求を受ける場面の再現シーンから始まります。検事は時の権力を傘にして、執拗に栄佐久氏を責め立てます。栄佐久氏は身の覚えのないことに対して否認を続けるのですが…。
 しかし、知事時代の部下だった福島県職員の裏切りの証言があったり、否認を続けることで栄佐久氏の周辺の人たちにも類が及んでいることに苦しみ、ついには検事の追求に屈し、本人の関与を認める証言をし逮捕されてしまったのです。そして裁判においても有罪判決を受けてしまうという結末でした。

 私は事件に詳細については、正直に言って分かりません。しかし、画面を通して見るかぎり、栄佐久氏が虚言を発しているとはどうしても思えません。栄佐久氏は知事時代、自らを律し、利権に関わるようなことには一切関わらぬように神経を費やしていた知事だとも云われていました。それでも法という名の前に屈してしまったのです。

 魑魅魍魎が跋扈するという政界です。時の権力に楯突くということの怖さを思い知らされた映画でした。そのことを十分に認識しながらも、栄佐久氏の言動には隙があったということなのでしょうか?
 裁判は最高裁まで争われましたが、すでに結審し、栄佐久氏の有罪は確定しました。

 映画は2017年に制作・公開されたものです。映画の最後で栄佐久氏は恬淡としながらも、自らに降りかかった災難について「これから本当の闘いが始まる。私はだれにもできない経験をしたことを伝えていきたい。」と話された。
 あれから8年、栄佐久氏は現在85歳で健在である。栄佐久氏はきっとまだ闘っているのだと思う。

北翔大学ウィンドオーケストラコンサート

2025-02-23 19:53:48 | ステージ & エンターテイメント
 総勢60名の大編成の迫力あるサウンドを楽しみました。「レ・ミゼラブル」や「キャンディード序曲」といった耳馴染みのある曲も織り交ぜながらの2時間のステージは迫力一杯のステージでした。

     

 昨日(2月22日)午後、北翔大学札幌円山キャンパスにおいて、「北翔大学ウィンドオーケストラコンサート」が開催されたので駆け付けました。札幌円山キャンパスは我が家から近く、時折り学生さんたちの発表会等が開催されるので、できるだけ駆け付けるようにしています。

 渡されたプログラムによると、「北翔大学ウィンドオーケストラ」は、教育学科音楽コースの「合奏」を履修している学生によって構成されているそうです。いわば音楽合奏を専門に学んでいる学生ということでしょう。メンバーの中にはもちろん4年生も多く、彼らにとってはこのオーケストラで演奏するのが最後の学生(11人)も加わっていました。
 反対に、今春新たに北翔大学教育学科に入学予定の9名も「入学前プログラム」という形で加わっているということでした。

 当日演奏された曲目は次のとおりでした。
 【第1部】
  ◆ R.ガランテ/レイズ オブ ザ サン
  ◆ J.V.ロースト/カンタベリー コラール
  ◆ C.ミシェル・シェーンベルク/ミュージカル「レ・ミゼラブル」より
 【第2部】
  ◆ L.バーンスタイン/キャンデード序曲
  ◆ G.ガーシュイン/パリのアメリカ人

 こうして演奏曲目を並べてみると、純粋のクラシック曲というよりは、セミクラシックといった曲目のラインナップのように思われます。
 演奏は、学生たちを日常的に指導されている教育学科音楽コースの教授・千葉圭説氏の指揮で演奏されました。
 コンサートは前述したように迫力あるサウンドで、私たち聴衆を楽しませてくれました。ただ、ちょっと気になったところもありました。
 それは私の耳には、どうしても音に雑味(こんな音楽用語があるのかは知りません)のようなものを感じられたのです。私にはそのことが気になりました。
 音楽の専門的なことなど全く分からない私が感じたことですから、あるいはまったく的外れのことかもしれません。

 いずれにしても千葉教授によると、音楽コースで学ぶ学生は、将来音楽教員を目ざしている学生と聞きました。大学で学んだことを教育現場で思う存分に発揮して後輩たちを導いてほしいと思います。

新進気鋭の音楽家の若々しい音を聴く

2025-02-22 11:44:11 | ステージ & エンターテイメント
 それはほんのさわりでしかなかったけれど、本年度「札幌市民芸術祭新人音楽会」の大賞を受賞された3人の音楽家たちのコンサートでした。札幌市役所ロビー内に彼らの素晴らしい音が広がったひと時でした。

      

 昨日(2月21日)正午、札幌市役所一階ロビーにおいて今月の「市民ロビーコンサート」が行われるのを知って駆け付けました。
 今回は、本年度の「札幌市民芸術祭新人音楽会」の大賞を受賞された3人の音楽家の皆さんのコンサートでした。その3人とは…、演奏順に (※はピアノ伴奏者)
 ◆鈴木 勇太さん(フルート)    ※ 渡部 美蕗さん
 ◆大野 浩司さん(声楽・バリトン) ※ 山田 結花さん
 ◆三上慎太郎さん(ピアノ)

 演奏された曲目は、
 ◇鈴木 勇太さん  M.タンナー/ヒマラヤ組曲より Ⅰ、Ⅱ、Ⅴ
 ◇大野 浩司さん  モーツァルト/「フィガロの結婚」より「すでに訴訟に勝っただと?」
 ◇三上慎太郎さん  バルトーク/ルーマニア民俗舞曲

 コンサートはいずれも時間の制約があったのだろうか?それぞれ6分、5分、4分半と、ほんのさわりを披露されたという印象でした。
 三人ともにさすがに大賞を受賞された方々だったので、それぞれが瞬時に私たちを彼らが描く世界に導く力量を備えている方々と思いました。
 その中でも圧巻だったのはバリトンの大野さんのステージでした。素晴らしい声量の持ち主で、市役所一階ロビー全体に響き渡る歌声は他を圧していたように思われました。大野さんの歌声を一度音楽大ホールで聴いてみたいと思わせられるひと時でした。
          
  
 また、最年少受賞となった三上慎太郎さん(大谷大学3年)の繊細にタッチと、時に力強く鍵盤を叩きつけるような演奏は、もはや一流の演奏家の感さえ思わせるものでした。
    

 鈴木さんのフルートもヒマラヤの広大な景色や厳しい山容を思い出させてくれるような演奏でしたが、残念ながら私がフルートの音の良さについて無知だったことで、ちょっと印象が薄まってしまった感は免れませんでした。
         

 いずれにしても、僅かな時間の中で将来有望な音楽家たちの演奏を間近に聴くことができたことは幸せな時間でした。


かんじきクエスト in さとらんど

2025-02-21 19:58:19 | スノーシュートレック & スノーハイク
 “クエスト”…、すなわち「探索」。いわば雪上での宝探しという意味らしい。「これは面白そう!」と勇躍遠路東区のはずれに位置する「さとらんど」まで出かけたのですが…。

    

 昨日(2月20日)、特に予定もなかったことからウェブ上で「北海道新聞 イベント情報」というページをググったら「かんじきクエスト in さとらんど」というイベントがヒットしました。そこの説明では「札幌市が管理する『さっぽろ圏スマートアプリ』を利用し、スノーシューを履いて10ヵ所のチェックポイントを探します。全て制覇した先着420人に景品を進呈」とありました。
 「おゝ、これはあの広いさとらんど内のフィールドを使ってスノーシューを楽しめる上に、宝探し的要素もあって面白そう!」考え、私にでも挑戦的な価値ありそう!と判断してさとらんどまで行ってみることにしました。

 昨日は前夜に降った雪がかなり積もったうえ、朝は ピーカンに晴れ上がり絶好のコンディションです。
 地下鉄とバスを乗り継ぎ、午前11時近く、さとらんどのセンターハウスである「さとらんどセンター」に着きました。広いさとらんど内は冬季間とあって、わずかに保育園児(?)たちが雪と戯れていた以外に人影はなく閑散としていました。

    
    ※ さとらんどセンターの建物外観です。 

 今回私はスノーシューは持参しませんでした。というのもレンタルのスノーシューが300円で借りられると知って、地下鉄やバスを乗り継ぐのであの大きなスノーシューを持ち歩くことに抵抗があったからです。
 センターハウスで手続きをして、アプリをスマホに取り入れ、スノーシューを借り、マップを渡されました。マップを見て、私は「ええっ?」と思いました。そこには箱庭のような狭いところにチェックポイントの箇所が図示されていたのです。(冒頭に提示したリーフレットの写しを参照ください)

    
    ※ 私がレンタルしたスノーシューとストックです。

 思惑とは大違い…。う~ん。しばし考えましたが、よく考えてみるとこれが正解!私が考え違いをしていることを悟りました。
 「さとらんど」は、本来家族連れや子どもさんたちが楽しむ場所として設置されたものです。(と同時に家庭菜園を楽しんだり、農業を理解するための教育的施設です)本格的な探検的要素などとは無縁の施設だったことを私は失念していたのです。

    
    ※ さとらんど内の一風景です。クエストコース内ではありません。

 マップには所要時間20~30分とありました。ちょっとがっかりもしましたが、乗り掛かった舟です。一応体験してみることにしました。
 フィールドの広さは町中の児童公園ほどの広さです。チェックポイントの看板を写真に撮ると、もう次の看板が目に入るのです。しかも、先行者のスノーシューの跡が残り、探検的要素などもまったくないに等しい状態でした。(ただし、途中からなぜかスノーシューの跡が消えていました)
 チェックポイントの看板には、「さとらんど」についての説明、札幌の特色ある野菜(札幌黄、札幌大球)などの説明がなされ、「さとらんど」に対する理解を促す内容となっていました。(さすが教育的施設です)
 全てを巡るのに15分もかかりませんでした。ただし、前日の大雪が降ったことでフィールドの条件は良く、それなりにスノーシューを楽しむことができました。

    
    ※ クエストコース内のチェックポイントにはこうした看板が立てられ、さとらんどのことについての説明がされていました。

 スノーシューのレンタル時間は1時間と言われていたので、少しだけ「さとらんど」内を自由に歩かせてもらいました。こちらは誰も歩いていないバージンスノーの中を気持ち良く歩かせてもらいました。

    
    ※ コースの外、バージンスノーの中を気持ち良く歩き、スノーシューの跡が残りました。

 過去に本格的にスノーシューに取り組んだ経験のある私としては、なんともママゴト的なスノーシューではありましたが、今の私にはこれくらいが適しているのかな?????


日本の米は?日本の農業は? 大丈夫?

2025-02-20 20:12:00 | 講演・講義・フォーラム等
 日本の米を、日本の農業を、多角的に論じる講師(北大名誉教授・荒木肇氏)の論についていくのは大変だった。ただ、荒木氏が日本の現状に対して相当な危機感を抱いていることを論の端々から感ずることができた講演でした。


 昨夜、北海道自治労会館において「労文協リレー講座」の第5回講座が開講された。
 今回のテーマは「持続的な食料供給に向けた農業生産と農的社会の構築」と題して北海道大学名誉教授の荒木肇氏が講演されました。
 荒木氏の専門は、農耕地環境や自然エネルギー利用分野が専門の方のようです。

    

 荒木氏はまず、最近話題の米不足、そして米の価格高騰等について数値を提示して説明されました。それによると、(いずれも1965年と2020年の比較で表記します)


           1965(昭和40)年      2020(令和2)年
  米の国内生産量    12,409 千トン        8,145千トン
  米の国内消費量 12,993 千トン        7,855 千トン  
  主食米        12,037 千トン        7,067 千トン
  稲作農家数       4,884 千戸         698 千戸

 この数値から、米の生産、消費量ともに約50年間で半数近くに激減していることが分かります。さらに衝撃的なのが稲作農家の激減です。稲作農家はこの50年間で14%にまで激減しています。

 こうした背景には、特に “米” の場合は、「食糧管理法」とか、「食糧法」、「改正食糧法」といった形で政府が介在しているため、一概に論ずることはできないのですが国民の食が米中心から多様化してきたこと、兼業農家などの小規模経営の農家が淘汰されてきたことは云える数字かと思われます。
 荒木氏の米作についての論はこうした現況を解説するだけで、その背景について触れることはありませんでした。

 続いて荒木氏が触れたのは、いかに米の品種改良、栽培技術等が進歩発展してきたかということで、こちらが荒木氏の専門と関りがあるようでした。
 それによると、これは米に限らないことですが、各分野での進歩発展には目を見張るべきものがあるようです。特に北海道の “ゆめぴりか” が北海道の地だからこそ誕生した品種であるというお話は興味深いものでした。

 ただ荒木氏の問題意識は、ここからでした。
 現代農業は、さまざまな研究、改良により「収量増」、「食料価格の削減」、「飢餓の削減」ということを実現してきたが、生産と利潤の最大化が目的となって、過剰耕耘、化学肥料の多用、灌漑用水による水の枯渇、科学的防除の過剰使用といった問題が顕在化しているといいます。
 そこで荒木氏は持続的な農業の在り方について、世界的な農業研究者と共同して「アグロエコロジー」(持続的なフードシステムの生態学)という考え方を提唱していると話されました。
 こうなると私の手には負えません。ただ、世界の食糧生産が大きな曲がり角に立っているようだ、ということはおぼろげながら理解できたということでしょうか?

    
    ※ 荒木氏が翻訳人の一員に加わった「アグロエコロジー」の翻訳本です。

 私は荒木氏のお話を聴きながら、過日お聴きした農業経済学者の鈴木宣弘氏が「世界の人口爆発によって食料危機が起こった時、現状の日本の食糧政策では、日本において大量の飢餓が発生する」という言葉が脳裏から離れませんでした。そこで講演後にその点について、荒木氏の見解をお伺いしたのですが、荒木氏はご自身の専門外だからでしょうか?そのことについて直接的にはお答え願えませんでした。
 その時、荒木氏が答えられたことは「農業者が減少している現状を覆し、農業をする人を増やしたい」ということでした。
 農業が魅力ある産業として後継者増を実現させ、我が国の食糧自給率が向上することを願いたいものです。

人形の久月 変わり羽子板

2025-02-19 14:56:21 | 作品展・展覧会等
 大谷翔平に、北口榛花…、さらにはオリンピックメダリストと、やはりスポーツ界のスターが並ぶ変わり羽子板でしたが、「混戦の末に」と題してトランプ大統領と石破茂首相が並んでいたのも昨年の大きな話題でした。

 「毎日ブログを投稿し続けること」を唯一の価値としている拙ブログでは、話題に事欠くことを一番恐れています。本日がそのような日でした。
 本日は夜の講座を受講し、帰宅できるのが午後10時近くとなるため、それからのブログ作成はちょっと厳しいです。
 「どうしようかなぁ…?」と思い惑っている時、4~5日前に新聞の片隅に載っていた「人形の久月」「変わり羽子板」の話題を思い出しました。
 「今どきに羽子板かぁ…」と訝りながらも、。「今日の話題はこれにしよう!」と思い定め、久月札幌店がある白石区菊水に向かいました。

    

 久月札幌店は立派の店構えで菊水の街の一角に出店していて、一階がギャラリーとなっていました。ギャラリーは季節柄店内一杯に雛人形が展示されていました。

    

 その一角というより、中央付近に「第39回 '24 話題の人 変わり羽子板」と題して、10枚の羽子板が展示されていました。
 
   

 その羽子板に付けられたキャッチコピー(?)と話題の人の名は…
 ◇「神様、オータニ様」  大谷翔平選手
      

 ◇「史上最大の下剋上」  三浦大輔監督
      

 ◇「一八冠の大将軍」  真田広之氏/アンナ・サワイ氏
      

 ◇「投げて踊って新女王」  北口榛花選手/AMI選手
      

 ◇「希望を結ぶ凱旋」  小田凱人選手/上地結衣選手
 ◇「恋(ここ)一番の得意技」  角田夏実選手/吉沢恋選手
 ◇「コーチと馬(ウマ)が合った」  加納虹輝選手/馬術馬
 ◇「二十歳の新エース」  岡慎之助選手/藤波朱理選手
 ◇「女性リーダーの新時代」  津田梅子氏/高野由美子氏
 ◇「混戦のすえに」  ドナルド・トランプ大統領/石破茂首相
      
以上10枚の羽子板と18人(馬)の顔(馬)ぶれでした。

 この一覧を見てお気づきと思われますが、10枚中実に7枚がスポーツ関連の羽子板です。昨年はパリオリンピック・パラリンピックが開催されてことが影響していると思われますが、スポーツが人々の共感を呼ぶコンテンツであることを再認識させられた思いです。

      
        ※ この一枚は撮り忘れたためにHPから拝借しました。

 ところで、その中に「コーチと馬(ウマ)が合った」と題して加納虹輝選手と馬事馬が並んだ羽子板が展示されていました。私は加納選手は馬術の選手だと思ったのですが、調べてみると、加納虹輝選手はフェンシング(エペ)の選手でパリオリンピック個人で金メダルを獲得した選手でした。どうも馬術の選手ではないのです。
 これはどう考えたら良いのでしょう?妻とあれこれと話し合ったところ、「加納選手はコーチのアドバイスもあり金メダルに輝いた」、一方「馬術馬」の方は92年ぶりに銅メダルに輝き「初老ジャパン」という愛称とともに一躍人気者となったことから、その両者を馬(ウマ)で掛け合わせたのかなぁ、と苦しい解釈をしてみましたが…。ちょっと捻り過ぎの感がしないでもありません。

 また高野由美子氏についても私は未知でした。調べてみるとオリエンタルランド代表取締役兼CEOとのことで、相当のやり手ということでしょうか?
 この手のものの人選はいろいろと事情があるのかもしれませんねぇ…。

 なお、前述した「今どきに羽子板かぁ…」と訝ったと記しましたが、これも調べたところこの企画展は昨年末に久月浅草橋総本店で開始された後、全国の14の久月店を巡回し、札幌店ではこの時期の開催となったようです。
 お店の方が3月1日からは変わり雛の「今年の期待びな」展があることを教えていただきました。また訪れてみようかな?と思っています。

    

        
 ※ 店内ギャラリーにはさまざまな雛人形が所狭しと展示されていました。いずれもが鮮やかで目の保養になりましたねぇ。