25日(水)札幌国際プラザが主催する「ロシアを知るセミナー」を受講した。
講師は札幌に来てまだ半年というサソツフ・マキシムという若いロシア人だった。さすがに日本に国際交流員として派遣されるだけあって、日本語にはほとんど困らない様子だった。
※ 流暢な日本語でロシアの民族について語るマキシム氏です。
ロシア人の構成は大きく二つに分かれるという。
一つは、スラブ系の民族であるルシ民族で「ルスキー」と称してロシア人の中核をなし、人口の80%を占めるそうである。
一方、それ以外の非スラヴ系の少数民族を含めた全ロシア人を指す言葉として「ロシアニアン」と称する言葉があるそうだ。
今回のセミナーは、その少数民族のことについての紹介だった。
セミナーで紹介された民族を列挙してみる。
◇サーミ人 ◇カレル人 ◇コーミ人 ◇ネネツ人 ◇チェチェン人 ◇オセット人 ◇レズギン人 ◇タタール人 ◇カルムイク人 ◇ウドムルト人 ◇アルタイ人 ◇チェクチ人
といった具合である。
私が少しでも耳にしたことのあるのは、この中でチェチェン紛争でロシア本国と戦ったチェチェン人と、チンギスハンの遠征によって従属させられたことで知ることになったタタール人くらいであった。
人口としては、タタール人の550万人、チェチェン人の150万人が目立つくらいで、他は数万から数十万人という少数民族である。
しかし、それらの民族がそれぞれ独特の文化をもち、それを誇り高く継承していることが紹介された。
特にソ連邦が崩壊し、ロシア共和国が誕生したことで、それまで沈黙を保っていた各民族がそれぞれ民族の独自性を主張し始めているとのことだった。
※ マキシム氏はご覧のように端正な顔立ちをした青年でした。
こうした民族の話を聞くと、我が国のアイヌ民族の問題がそうであったように、ロシアにおいてもまたロシア本国と各民族が、そして民族間同士でいろいろな軋轢を呼んでいるのはないかと想像してしまう。(チェチェン紛争はその一端ではないだろうか?)
こと民族の問題となると、人間は時として理性を失い悲惨な状況を産み出すことがある。ロシアにおいてそうした問題ができれば起こらないことを切に願うばかりである。