田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

「春の北大構内」観察会

2022-04-30 12:34:50 | 環境 & 自然 & 観察会

 8日ぶりの自然観察会は自然の移り変わりの速さを実感させてくれた。エゾエンゴサクが、バイケイソウが、エゾノトリカブトが、8日前とは場所は違えども大きく成長していた。そしてこの日の成果は、キバナノアマアがスプリングエフェメラル(春の妖精)の一つだと知ったこと。そしてタンポポに「帯花」という変異種があることを知ったことだった。

 昨日(29日)午前、北海道自然観察協議会主催「春の北大構内」観察会に参加した。どこの観察会も女性の参加者が目立つが、この日は都心に近いということもあってだろうか?ざっと見て6~70人の参加者がいたように思えたが、そのうち実に9割は女性の方のように思えるほど、女性パワー炸裂の観察会だった。

   

 さて、私は8日前の4月21日に野幌森林公園の「春の花を見つけよう」観察会に参加したが、植物達の様子はその間しっかりと成長を遂げていた。

 エゾエンゴサクは今が盛りのようで、群生して花の競演を演じていた。

   

   

   ※ どうも私のカメラでは接写をするとピントが甘くなってしまうようです。

 バイケイソウは8日前には固く葉を閉じていたのに、大きく葉を開き存在感を示していた。写真は撮らなかったがオオウバユリの葉も光沢ある葉を広げていた。

   

   ※ 大きく育ったバイケイソウです。毒草だそうです。

 また、猛毒で知られるエゾノトリカブトも背丈を伸ばし、妖しく立っていた。

   

   ※ エゾノトリカブトも妖しく成長していました。

 8日前の観察会ではまだ目にすることができなかったニリンソウ、アズマイチゲ、オオバナノエンレイソウなどの花も数輪目にすることができ、これからはこれらの花たちが山野において主役に躍り出るであろうと予感させられた。

   

   ※ この日はまだ一輪でしたが、これから二輪の花を群生してくれるはずです。

   

   ※ キバナノアマナの間に咲く純白のアズマイチゲです。

   

   ※ 北大の校章にもなっているオオバナノエンレイソウです。

 講師(ガイド)の佐野氏は専門は木本の方のようで木について詳しく説明されたが、私は木本に弱く、あまり熱心に聞いてはいなかったのだが、それでもブナの木の若葉、カエデの真っ赤の春芽、ハリギリ、ハンノキ、カツラなどを教えていただいたが、まだ自信をもって見分けることが未だにできていない。

    

   ※ 札幌地方では自生しないブナの若葉です。

   

   ※ ブナの木肌と若葉です。

   

   ※ カエデの赤く染まった春芽です。(下の写真も)

   

   

   ※ 構内の中央ローンを流れるサクシュコトニ川です。真ん中に聳える木はハリギリです。  

   

   ※ 同じくハリギリです。キハダに特徴があります。

    

   ※ サクシュコトニ川の傍に立つハンノキま若葉です。下の写真はハンノキの全体像です。

       

   

   ※ 葉の形に特徴があるカツラの若葉です。下はカツラの木の全体像です。

         

 北大構内を歩く中、満開の時期を迎えたサクラの木があった。それはとても鮮やかだったが、近寄ると桜の花びらが丸いボールのように固まって咲いていて、私も初めて見るサクラの花だった。ガイドの方はその種の同定に迷っていたようだが、一応エゾヤマザクラではないかということだった。

   

   

 今回の観察会の成果としては、前述したようにキバナノアマアを初めて目にしたこと(いや、これまでは見れども見えずだったかも…)、また、タンポポの帯花という変種を初めて見ることができたことだった。

   

   

   

    ※ この帯花は同じ茎に花を二輪、三輪と付けています。

   

 それにしても北海道大学の構内は自然がいっぱいである。私たちのこの日歩いたコースも北大構内の一部に過ぎない。こうした豊かな自然が都心に近いところに存在することが貴重である。それがまた市民に開放されていることは札幌市民にとって幸せなことである。この僥倖がこれからも続いていくよう、私たち一人ひとりがマナーを遵守しながらお邪魔したいものである。

   ※ 北大構内の別のところで目にした満開のサクラの花です。

   

   


北区歴史と文化の八十八選巡り №2

2022-04-29 08:44:29 | 札幌市・北区歴史と文化の八十八選巡り

 「北区歴史と文化の八十八選巡り」の第2弾をなかなか投稿する機会がなかった。本日ようやく№2を投稿したい。「偕楽園跡」、「清華亭」、「新選組隊士永倉新八来訪の地」、「佐藤昌介像」の四つについてレポする。

〈5〉偕楽園跡

 偕楽園は明治4年、開拓使によって造られた日本で初めての都市公園と言われている。当時は幾多の施設が設けられて賑わったようだが、開拓使の廃止と共に土地は人手を転々とするなどして公園としての機能は失われていったという。そのあたり経緯について、説明する銘板が公園跡の近くにあったので転写することにしたい。

「明治4年(1871年)開拓使は、この地に市民の憩いの場である『偕楽園』を設置しました。日本の公園制度は明治6年の太政官布達によってはじまりますが、これにさきがけて開設された偕楽園は日本の最初期の公園といえます。かつてこの周辺一帯は「ヌプ・サム・メム(野の傍らの泉地)」と呼ばれ、泉が湧きサクシュコトニ川の清流が流れる景勝地でした。これに加え、偕楽園内には農業試験場やサケマスふ化場などが整備され、産業振興施設としても活用されていました。敷地内の清華亭は「開拓使貴賓接待所」として設けられた施設で、現在は札幌市の有形文化財に指定されています。当時の札幌市民に親しまれていた偕楽園ですが、明治15年に開拓使が廃止されると、土地の売却が行われたり周辺の市街地化が進むなど、時代の流れとともにその姿が変わっていきました。現在の「偕楽園緑地」はかつての偕楽園の一部分であり、くぼんだ地形に先人の親しんだ水辺の面影をとどめております。」

   

   ※ 偕楽園跡が建物の間から覗くことができるところに写真のような説明板がありました。

 銘板の説明にあるように、くぼ地に微かな当時の面影はうかがえるものの周りは住宅に囲まれていた。それでも小さいながら当時の一部分が「偕楽園緑地」として保全され、緑地内にはベンチなども配されて市民の憩いの場となっているのが救いのように思えた。

   

   ※ 偕楽園緑地の入口です。

   

   ※ 訪れた時(4月19日)には凹地にはまだ雪が残っていました。

   

   ※ 緑地内は小奇麗に整備されていました。

 なお直接的には関係ないが「偕楽園緑地」内に石川啄木の歌碑が建立されていた。啄木の在札期間はわずか2週間であったが、その間に詠ったものと思われるが「アカシアの街樾(なみき)にポプラに秋の風 吹くがかなしと日記(にき)に殘れり」と詠っている。

   

   ※ 緑地内に建てられていた石川啄木の歌碑です。

〔住 所〕 北区北7条西7丁目

〔訪問日〕 4月19日

 

〈6〉清華亭

 その「偕楽園緑地」の一角に建っているのが札幌市の有形文化財に指定されている「清華亭」である。外観はやや古びた木造家屋であるが保全され、内部も公開されている。周囲を見渡したところ北区制作の説明板は見当たらなかったが、札幌市の有形文化財に指定されていることからそのことについての説明板があった。しかし、内容的には主として偕楽園全体を説明しているように思えた。そこでより清華亭を説明した文章がウェブ上で見つけたので、それを掲載することにする。

   

   ※ 清華亭の門です。清華亭はこの大木の陰に建てられています。

「この建物は明治13(1880)年、札幌の最初の公園であった偕楽園に、開拓使の貴賓接待所として建てられました。開拓使長官黒田清隆が「水木清華亭(みずきせいかてい)」と名付け、明治天皇行幸の際に休憩された由緒ある建物です。外観は洋風な印象でありながら、内部は漆喰塗で大きな張出し窓が広がる洋室と、縁側のある和室を並べた和洋折衷様式となっています。明治19(1886)年の道庁設置とともに民間に払い下げられました。その後北海道史研究家らによって組織された保存会の所有を経て、昭和8(1933)年、札幌市へ寄付されました。」

とあった。訪れた時は内部が開放されていたので見学させていただいた。見学できるところは和室と洋室の二部屋だけだった。清華亭はあくまで接待所としての機能であり、宿泊所としての機能は有していなかったようだ。

   

   ※ 清華亭の玄関です。意外に質素な造りです。

   

   ※ 清華亭の建物を横から撮ったもものです。

   

   ※ 明治天皇が札幌行啓の際に休憩所とされたのが清華亭です。そのことを記した記念碑です。

   

   ※ 明治天皇がご休憩をされたであろう清華亭の洋室です。

   

   ※ 清華亭内に展示されていた偕楽園全体のジオラマです。清華亭はジオラマの一番上部に位置しています。

〔住 所〕 北区北7条西7丁目

〔訪問日〕 4月19日

〈7〉新選組隊士永倉新八来訪の地

 永倉新八というと新選組で勇名をはせた人物として知られる。新選組においては二番組々長や撃剣師範を務め土方歳三や沖田総司と並ぶ剣客として恐れられた。後に近藤勇や沖田総司と対立したこともあり、新政府軍に敗れてからは松前藩への帰参が認められ小樽に移住した。それからは樺戸集治監の剣術師範や北大剣道部の指導に当たり県道の型を指南したという。その当時の北大の道場が現北大本部の北西に位置していたことから、その近くの北大の塀のところに表示があり、歩道上には化粧タイルが埋め込まれていた。 

   

    ※ 永倉新八の足跡を示すのは歩道にたてられた写真の説明板だけでした。

   

   ※ その説明板の足元に化粧タイルが埋め込まれていました。

   

   ※ 道端に立てかけられていた説明板です。

〔住 所〕 北区北9条西5丁目北海道大学正門前

〔訪問日〕 4月19日

〈8〉佐藤昌介像

 北海道帝国大学の初代総長である佐藤昌介の銅像は、北大本部(北大正門を入って直ぐ)の庭園に設置されていた。

 佐藤昌介は札幌農学校1期生としてクラークの教えを受けたが、その後アメリカに留学し、帰国して札幌農学校教授、校長などを経て、大正7(1918)年に北海道帝国大学初代学長に就任した。現在の北海道大学は、札幌農学校として設立され、その後東北帝国大学札幌農科大学となったが、大正7年に北海道帝国大学として独立したが、その際に奔走しその後大学の基礎を築いたことから「北大育ての親」と呼ばれている北大初期の立役者である。なお、佐藤氏の専門は「農業経済学」である。

 銅像が建てられている場所は、その立役者に相応しい場所に建てられているように思えた。

   

   ※ 右側の建物が北大本部の事務管理棟です。その脇に佐藤昌介像が建立されていました。

   

   

    

〔住 所〕 北区北9条西5丁目北海道大学構内

〔訪問日〕 4月19日  


池江璃花子の母、子育てを語る

2022-04-28 15:41:50 | 講演・講義・フォーラム等

 日本水泳界の至宝、池江璃花子は白血病に罹ったにも関わらずそこから復活し、昨年の東京オリンピック代表選手となったのは記憶に新しい。そんな池江選手を女手一人で育てた母親美由紀さんが子育てについて語った。

 4月26日夜、アスティ45において北海道大学と札幌市立大学の共催による「こころとカラダのライフデザイン」講演会があり参加した。この講演会はリレー講演となっていて、今回は第2回ということで池江璃花子の母親、美由紀さんが『あきらめない「強い心」をもつために』と題して講演された。池江美由紀さんは璃花子の母親というだけではなく、東京経営短期大学こども教育学科特別講師、EQWELチャイルドアカデミー本八幡教室代表・講師という顔も持っている方だそうだ。つまり彼女は単なる母親ではなく、幼児(こども)教育の専門家でもあるということだ。

          

 彼女の履歴を見ると1995年に子どものための能力開発教室を開設している。その教室名の冠に「EQWEL」という名が付いているのが気になった。講演ではその点に触れなかったので調べてみたところ「EQWELチャイルドアカデミー」のHPに次のような言葉が見つかった。「イクエルの「EQ」とは、頭の知能指数を示す「IQ」とは別の「心の知能指数」を表しており、どんな困難に直面しても解決手段を考えていく精神を養うことを教育理念として掲げています」つまり「EQWEL」とは「EQ」+「WEL」の造語のようで「心の知能指数を育むことで上手く育つ」的な意味を持たせたように思われる。

 池江氏は1995年の教室開設以来30年近く代表・講師を務めるとともに、1男2女を育て上げて今日を迎えているようである。池江氏は幼児教育を始めた理由を次のように語った。「どんな親から生まれた子どもでも、適切な刺激や環境を与えれば優秀に育つことができる」と…。そうした思いで育てた3人の子どもたちは、それぞれ立派に育ってくれたと話された。

   

   ※ 池江親娘です。左が璃花子選手、右が美由紀氏です。

 池江氏は30年近くの幼児教育の実践から子どもたちに「強い心」を育てることが大切であるとの考えに至ったようだ。その「強い心」を子どもに持たせるために大切なことは、

① 自分を信じること。

② 人間力を育てること。

③ 本人力をつけること。

の三つが大切であると強調された。そしてこれらは子どもの力だけではこれらを身に付けることができない、として子どもの成長には「親御さんの影響が大きい」と指摘し、「幼児教室では、親の教育が大事である」と話を締めた。

 そして現役の子育て世代、さらには 未来のパパやママに対して「①育てたように子は育つ。②毎日楽しく。③自分らしく。」とエールを送られた。

          

          ※ 池江美由紀氏の著書です。

 お話をうかがい池江氏が「EQ」=「心の知能指数」に着目されたことについては私も賛同したい。「EQ」については次のように説明されているのをネット上で見つけたので紹介すると、「EQとは、感情をうまく管理し、利用する能力のことで、心の知能指数とも言われる。遺伝などの先天的な要素が少なく学習によって高めることができる」とされている。

 特に幼児教育において、この点に注目されたことは炯眼に値すると思われる。

 ※ 使用した写真は全てウェブ上から拝借しました。


マクンベツ湿原のミズバショウ

2022-04-27 15:55:09 | 環境 & 自然 & 観察会

 石狩市郊外のマクンベツ(真勳別)湿原のミズバショウは私がこれまで見たミズバショウの中では最も広大な群落と思えた。純白の仏炎苞が湿原の中に清楚な香りを振り撒いているように映った。そして幻のあのミズバショウが!

   

   ※ マクンベツ湿原の入口です。木道は石狩川に向かって真っすぐに伸びています。

 ブログ友のsyokannさんから「マクンベツ湿原のミズバショウは今が盛りで、そのうえ幻のハゴロモミズバショウ(羽衣水芭蕉)を目撃した!」という情報を得て、昨日(26日)駆け付けてみた。マクンベツ湿原は、石狩川の河口近くに広がる湿地帯である。

 午前10時ころ現地に着いたのだが、先客が数組あったくらいでそれほどの混雑ではなかった。湿原には石狩川の水辺に向かって真っすぐの木道が敷設されていた。

   

 木道に入るとすぐにミズバショウの群落が広がっていた。その規模が大きい!おそらく私がこれまでに見たミズバショウの群落の中で最大ではないかと思えた。syokannさんからの情報どおり、今が最盛期と思われるほど純白の仏炎苞も大きく生育していた。

   

   

      

   

   

 私の今回の目的は、マクンベツ湿原のミズバショウの群落を見ることと、その群落の中から見ることができるというハゴロモミズバショウを目撃することだった。

 ハゴロモミズバショウ(羽衣水芭蕉)とは、マクンベツ湿原において研究者がミズバショウの仏炎苞に包まれた中心にある円筒状の部分に黄色い花が多数集まった肉穂花序があるが、その肉穂花序に仏炎苞に似た質の白い付属片が付いている個体群を発見したそうだ。この変異型が一過性の奇形ではなく、複数の地域に広がっていることが分かり、新品種として「ハゴロモミズバショウ」と命名されたようだ。

 私は妻と一緒に目を皿のようにして一つ一つのミズバショウを肉穂花序に白い付属片が付いていないか探し歩いた。目が届く範囲を隈なく探したがなかなか見つけることが出来なかった。そのうちに木道の端に着いてしまい、眼前には石狩川の大きな流れが広がっていた。

   

   ※ 雪解け水のため水量豊かに流れる石狩川です。

 木道を折り返して戻る際にも、私たちは一つ一つの肉穂花序を丁寧に見つめ続けた。なかなか見つからず、諦めかけた時に一つの肉穂花序の下の方に白いものを認めることができた。syokannさんの写真ほど白い付属片がたくさん付いてはいなかったが、その後にも同じような株を2株見つけることができ、間違いなく「ハゴロモミズバショウ」であると確信した。

   

  ※ よ~く見てください。写真真ん中の肉穂花序の白いものが付いています。下の写真ではそれがはっきりと…。

   

   

 見つけた株はいずれも木道からは離れたところだったため、私のカメラでは小さくしか写らなかったために、「ハゴロモミズバショウ」の写真だけはトリミングして掲載することにした。

 1時間程度の探索劇だったが、貴重な花を探すことはけっこう心楽しいことだな、という新たな発見があった。 


造成中のエスコンフィールドを見てきました!

2022-04-26 07:59:49 | その他

 北広島市の郊外に造成中の北海道日本ハムファイターズの新本拠地「エスコンフィールド北海道」がいよいよその威容を見せてきた。これまでの球場とはイメージがずいぶん違う外観である。現在の様子を外から眺めてきた。

  

  ※ エスコンフィールド北海道の完成予想図です。(屋根が開いた状態ですね)

 24日(日)、北広島市にコンサートを聴きに行ったが、せっかくの機会だったので現在造成中の新球場「エスコンフィールド北海道」の現在の姿を見てきた。新球場は北広島駅から約1.5キロということだったので、ウォーキングを兼ねて歩いて向かった。

   

   ※ JR北広島駅西口(円い屋根が見えるところ)です。周りには何もなく閑散としていました。

 駅から出て、新球場が造成されている北広島市の「北広島レクリェーションの森」方向へ足を向け、5分も歩かぬうちに新球場の特徴ある三角の屋根が目に入ってきた。それからが意外に遠い。20分ほどかけて丘陵を降りて橋を渡り、再び丘陵を上ると「北海道北広島高校」に至り、隣り合うようにして造成中の新球場「エスコンフィールド北海道」の三角形のガラス壁が目の前に聳えていた。

   

   ※ 駅から歩き始めて5分。樹間から特徴のある新球場が見えてきました。夏は木の葉が繁り見えないかな?

   

   ※ 丘陵を降りるともうすこしはっきりと三角屋根が見えてきました。

 新球場は工事中のためにもちろん傍に寄ることはできない。遠くから、できるだけあちこちの方向から写真を撮った。この日は日曜日とあって、次々と車に乗った人たちが現れて写真を撮っていた。私のように単に物見高いだけなのか?いやいや多くの人が新球場に期待しているということだろう。それは新球場が単なる野球場ではなく、野球を核としたこれまでにはなかった「ポールパーク」としての完成を目指していることが人々の期待を増幅させているのではないだろうか?どんな球場となるのか?そして野球が開催されていなくとも来てみたくなる「ボールパーク」になるのか?期待して完成を待ちたいと思う。

   

   ※ 丘陵を上り返したところに北広島高校があり、その奥に新球場の三角屋根が見えます。

   

   ※ この角度から見ると、手前のコンクリートの塔が関係ありそうですが、どうやら関係なさそうでした。

   

   ※ かなり新球場に接近しました。周辺整備はまだこれからのようです。

   

   ※ 新球場の側面です。まだまだ工事中といった感じです。

   

   ※ その側面には球場名「ESCON  FIELD」の表示が付けられていました。

   

   ※ 新球場の横には話題のマンションも建設中でした。

 私にとって意外だったことがこの日一つ明らかになった。それは新球場が考えていたよりは札幌から近いということが分かったことだ。私はこの日、地下鉄東西線で新札幌まで行き、新札幌からJRで北広島に向かった。すると新札幌⇔北広島間は時間にして10分程度だった。意外に近いのである。私が住んでいるところからすると、札幌ドームへ行くのとそれほど変わらない時間で行けるのではないか、と思われた。これは意外な発見だった。JRは新球場の傍に新駅を造ることにしているというから、ますます利便性は向上する。

   

   ※ 新球場の図解です。三角形のガラス壁はがいやせきの方向ですね。屋根は開閉式です。                

 私自身はそうではあっても新球場にそれほど頻繁には行かないのではと思うが、意外な発見だった。


北広島市「春の音楽会」

2022-04-25 16:21:48 | ステージ & エンターテイメント

 若手音楽家らしく挑戦的、実験的な曲に挑戦する人もいれば、オーソドックスな名曲に挑む人もいた。それぞれが意欲的な演奏を披露してくれた北広島市の「春の音楽会」だった。

         

 昨日(24日)午後、北広島市芸術文化ホール「花ホール」において「第22春の音楽会」が行われたので足を延ばしてみた。演奏会のサブテーマが 「~2021年ロビーコンサート出演者による~」 となっていた。ということは、昨年芸術文化ホールで開催されたロビーコンサートに出演者した音楽家たちが一堂に会する音楽会ということらしい。

   

   ※ JR北広島駅東口に建つ「北広島市芸術文化ホール」の外観です。

 プログラムは次のようになっていた。

 ◆按田佳央理(フルート)・浅井良子(フルート)

協奏的大二重奏曲 ト長調 Op.39より/クーラウ

 ◆鈴木初(コントラバス)・仲鉢莉奈(ピアノ)

メンデルスゾーン風協奏曲/ボッテジーニ

 ◆渡邊萌愛(オーボエ)・鈴木京(ヴァイオリン)・田坂佳那(ピアノ)

ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 第一楽章、第三楽章/J.S.バッハ

 ◆代田将也(トロンボーン)・山本千尋(トランペット)・荒川真央(ピアノ)

    ①ファンダンゴ/トゥリン ②リベルタンゴ/ピアソラ

~~~~~ 休 憩 ~~~~~

 ◆川越明由美(サキソフォン)・佐藤香奈(ピアノ)

    ヴァイオリンソナタ第5番 へ長調 Op.24 「春」/ヴェートーベン

 ◆岩田真由美(ピアノ)

    「鏡」より/ラヴェル ①2.悲しい鳥たち ②4.道化師の朝のう歌

 ◆宿田有希(ピアノ)

    ポロネーズ第6番 変イ長調 Op.53「英雄」/ショパン

 ◆藤本望帆(ピアノ)・荒川真央(ピアノ)

    「動物の謝肉祭」より/サン=サーンス

     ①第7曲 水族館 ②第12曲 化石 ③第13曲 白鳥 ④第14曲 フィナーレ

 この中から残念ながら2曲目の鈴木初さん、仲鉢莉奈さん、4曲目の山本千尋さんが事情により出演されなかった。そのため4曲目は急きょ曲名が変更され「トロンボーン協奏曲」に変更するとアナウンスがあったのだが、作曲者は聞き取ることが出来なかった。

   

   ※ 「花ホール」の内部を入場直後に撮りました。

 出演者の経歴を見ると、いずれもが音楽大学を卒業して道内各地で演奏活動されている若手の方ばかりである。基礎がしっかりしているので、どの演奏も聴き応え十分だった。そうした中、リード文でも触れたが「トロンボーン協奏曲」やラヴェルの「鏡より」などの演奏はかなり難解であり、実験的な演奏にも聴こえてきた。一方、「ポロネーズ」や「動物の謝肉祭」などは私も何度か聴いたことのある曲で、心地良く聴くことができた。

 これから伸びようとしている若手音楽家の演奏を聴くことは成熟した音楽家の演奏を聴くのとはまた違い興趣がある。これからも機会があれば聴いてみたいと思っている。


ぶんぶんクラブ・ラグビー講演会

2022-04-24 17:10:57 | 講演・講義・フォーラム等

 縦の明治、横の早稲田と称される大学ラグビーの両雄の型を作ったのは、明治の北島、早稲田の大西の両監督だという。その伝統は脈々と受け継がれ今も両校の特色となっている、と元明治大学ラグビー部監督の丹羽政彦氏は語った。

 昨日午後、北海道新聞社「道新プラザDO—BOXにおいて「ぶんぶんクラブ・ラグビー講演会」が開催され参加した。講演会は第1部で札幌山の手高校ラグビー部総監督の佐藤幹夫氏が、第2部で元明治大学ラグビー部監督の丹羽政彦氏が講演された。

 第1部の佐藤氏のお話は以前にも伺ったことがあったが、国士舘大学でいわゆる昔の大学運動部の厳しさを体得して卒業するも、就職には苦労されたようだ。北海道各地の高校の代替教師を続ける中で、1988(昭和63)年に札幌香蘭高校が男女共学となり「札幌山の手高校」が誕生する際に体育教員として採用されたそうだ。その際にラグビー部を起ち上げ、さまざまな苦労を重ねながら苦節12年、2000(平成12)年に遂に南北海道の頂点立つことが出来たという。それ以降は破竹の15連覇で北海道におけるラグビー名門校に育て上げたという。その間にラグビーWCの2015年のイギリス大会、2019年の日本大会において日本代表の主将を務めたリーチ・マイケル選手を高校時代に育て上げたことは多くの人が知るところである。

          

 時にユーモアを交えながら訥々と語る佐藤氏のお話はただ単に札幌山の手高校をラグビーの強豪校に育て上げただけではなく、そこにラグビー精神を基礎とした 人間教育” をされていたことが聴く者の共感を呼ぶお話だった。

    

 第2部の丹羽氏は留萌管内の羽幌高校出身で明治大学において俊足ウィングとして名高い吉田義人選手と同期で、吉田選手とバックスでコンビを組んで明大黄金時代を支えた名選手である。ここでまた私がお邪魔する。1991(平成3)年のお正月に私は家族で東京で過ごし、1日がサッカーの天皇杯決勝戦、2日には大学ラグビー選手権の準決勝戦、そして3日にライスボウル決勝戦とスポーツ三昧のお正月を過ごした。当時大学ラグビーは最盛期で入場券が手に入らず、国立競技場の前でダフ屋から高額の入場券を入手し、満員の中で観戦したことを覚えている。その準決勝第2試合で明治大学は京産大と対戦し、前半リードされるも吉田選手の鮮やかな逆転トライで勝利したことを記憶しているが、その試合で吉田選手とバックスでコンビを組んでいたのが丹羽政彦氏だったという。私にとっては遠い昔を思い出させてくれたエピソードだった。

   

 その丹羽氏は、明治大と早稲田大のラグビーの違いについて解説してくれた。明治はFWを前面に立ててぐいぐいと前へ押すという「縦のラグビー」を志向した。対する早稲田はバックスの展開力を活かす「横のラグビー」を志向するというように対照的な両チームである。対照的なのは監督についてもそのことが言える。明治は北島忠治監督が実に67年間も監督の座にあり、彼が標榜した「前へ」は部の伝統ともなっている。対する早稲田は度々監督が変わっている。その中で大西鐵之助監督は早稲田が不振となるたびに監督に復帰し、都合3度も監督を務めたいわば早稲田にとって伝説の監督である。大西監督はラグビーを理論的に解析し、それを戦術に落としこんだ理論派として知られ早稲田の展開ラグビー(横の早稲田)を産み出した人として知られる。

    

 ことほど左様に明治と早稲田は対照的である。面白いと思ったのは、明治の人は「早明戦」「明早戦」と呼ぶのが普通だと聞いていたが、明治OBである丹羽氏は普通に「早明戦」と称していた。また恩師・北島監督より大西監督のことを詳しく語っていた。これは丹羽氏がバックスというポジションだったことと関係するのではと思われた。つまりバックスの人にとっては展開ラグビーの方が試合に絡む時間が多くなる。そのこともあり丹羽氏は密かに大西監督のラグビー理論に憧憬を持っていたのかな?などとうがった見方をしてしまった。(そんなことはないと思うが…)

    

 丹羽氏がなぜ早明ラグビーのことを触れたかというと、実は5月1日に札幌ドームで早明ラグビーの対戦が実現するのだ。(もちろんオープン戦だが)そしてこの日、講演を聴いた人には観戦チケット(A席 3,000円)がプレゼントされたのだ。5月1日、私は早明ラグビー戦を堪能したいと思っている。

※ 講演会の写真はNGだったので、全てウェブ上から拝借しました。

※ タイトルの「ぶんぶんクラブ」とは、北海道新聞の読者サービスをする部局のことです。


NHK札幌の8K画面を再び

2022-04-23 15:49:25 | ステージ & エンターテイメント

  NHK札幌の8K画面を再び観賞する機会を得た。私にとって懐かしのルーブル美術館の展示を微細に映し出す画面にはため息が出るほどだった。同時に放映された「星野源LIVE in New York」は私にとって退屈極まりないものだったが…。

       

 NHK札幌は新社屋が完成し、8K大画面スタジオを設置したことで積極的に公開の機会を作っているようだ。今回も公開されることを知り応募したところ運良く招待券が舞い込んだ。題して「8Kプレミアムセレクション~高画質と高音質の世界~」を昨夜楽しんだ。8K大画面スタジオのことについては以前にも説明したことがあるが、私の目測で縦4m、横6mほどの280インチ大画面である。また、音響装置としては22.1chの立体音響だという。

   

   ※ 以前に私が撮った8K大画面スタジオの様子です。おいてある椅子と比べて画面の大きさがお分かりいただけると思います。

 その大画面に映し出されるこの日のラインナップは次のとおりだった。

◆「DOMOWORLD~どーもくんの謎解き~」

◆「ルーブル 時を超える美」

◆「星野源LIVE  in New York

 「どーもくんの謎解き」は、大昔、たくさんのどーもくんが暮らす様子が画面いっぱいに現れ、その様子を見ながら出された問題を解いていくといういわばクイズ番組のような構成となったものだった。

  

  ※ 写真のようなどーもくんが画面いっぱいにいろいろな動きをしていました。

 私の期待の「ルーブル 時を超える美」は、世界の美術品が集まる広大なルーブル美術館を8Kで撮影した映像だった。その中でも特にレオナルド・ダ・ヴィンチ作「モナリザの微笑」を詳細に紹介していた。圧巻は肉眼で絵の傍に寄ったとしても見えない、画の表面に経年劣化による細かなひびが入っている様子を微細に映し出している画面を観て、8K画像の凄さを実感した思いだった。

   

  ※ パリ・ルーブル美術館のエントランスです。ガラスのピラミッドが存在感を誇っています。

 リード文で「私にとって懐かしのルーブル美術館…」と記したが、私にとって青春の思い出の一つであるが今から半世紀前の1968~1969年にかけてヨーロッパ・アジア貧乏旅行を敢行した際に、ルーブル美術館を訪れ、「モナリザの微笑」「ミロのヴィーナス」などを実際に自分の目で見た経験があるのだ。当時は現在ルーブル美術館を象徴するように建っているガラスのピラミッドも建設されていなかった時代である。今回提供された映像では「モナリザの微笑」を含めて僅か4点の所蔵品の紹介にとどまったが、もっともっと多くの所蔵品(美術品)を紹介してほしかった、というのが偽らざる思いである。

          

          ※ 説明の必要もない「モナリザの微笑」です。

 そして最も時間を割いて放映されたのが「星野源LIVE in New York」だった。星野源は今最も勢いのあるミュージシャンの一人のようであるが、現代のミュージックシーンには縁遠い私にとっては彼の音楽の良さをよく理解できない、というのが本音である。力まない、軽い感じの音が今若者たちには好まれているのだろうか?星野源ファンにとっては堪らない時間だったのだろうが、私にとっては退屈極まりない時間だったが、22.1chの立体音響を堪能できたということでヨシとしょうか。

    

    ※ 星野源のニューヨークでのライブの様子です。

  NHKには、「この8K大画面で大自然の映像をたっぷりと堪能したい」とアンケートに記入して午後8時過ぎに帰路に就いた。

 ※ 掲載した写真は1枚を除き、他は全てウェブ上から拝借しました。

札幌の🌸が開花しました❣

 昨夜雨が降り、今朝は晴れたが肌寒い気温だったので「どうかな?」と思いながら標本木のある気象台の庭に正午過ぎに行くと、なんと枝先の付いていた蕾が開花しているではないか!ネットを見ると、気象台も開花を宣言したようだ。ようやく北国札幌にも春がやってきました!!

    

    

    

                                    


野幌森林公園観察会「春の花をみつけよう」

2022-04-22 15:09:06 | 環境 & 自然 & 観察会

 春の花が全開!というにはやや早かったが、さまざまな花たちの全開前の様子を観察することが出来た。今回もまた北海道ボランティア・レンジャー協議会のレンジャーさんの適切な案内によって楽しく植物観察をすることができた。   

 昨日21日(木)、野幌森林公園ふれあい交流館北海道ボランティア・レンジャー協議会の共催による観察会「春の花をみつけよう」が開催され、参加した。昨日は北海道内で真夏日を記録したところもあったそうだが、札幌も23.2℃と高い気温となり、アウターを脱ぎたいくらいの陽気の中での観察会となった。

   

   ※ 開会式の様子です。参加者は30名を超えていたようです。

 観察会は盛況で参加者が30名を超えていたように思われる。この種の観察会ではどこも女性の姿が圧倒的なのだが、昨日は男性の姿も目立った観察会だった。そうしたこともあり、今回は私を含めて3名のグループに菅さんという女性のレンジャーの方が説明役として就いてくれた。

 観察したコースは観察会によく使われる「エゾユズリハコース」だったが、リード文で触れたように目にした春の花たちはいずれも開花したばかりで、最盛期はもう少し後になると思われた花たちをカメラに収めた。

◆エゾエンゴサク

   

   ※ エゾエンゴサクはまだポツポツといったでした感じでした。

◆フクジュソウ

   

   ※ フクジュソウも目立ちましたが、最盛期はもう少し先かな?と思われた。

◆ナニワズ

   

   ※ ナニワズは一か所でしか目にすることができませんでした。

◆ザゼンソウ

   

   ※ ザゼンソウはけっこう目にしましたが、外側の暗紫色の苞だけで、中にできるクリーム色の花の部分肉穂花序はどのザゼンソウでも確認できませんでした。

◆ミミコウモリ

   

   ※ 葉の形がコウモリの羽に似たことから名付けられたようだが、初めて知ることのできた山野草でした。

◆バイケイソウ

   

   ※ 毒草の一つバイケイソウですが、こうした葉が閉じている状態では今まで気づくことが出来ませんでした。

◆マイヅルソウ

   

   ※ マイヅルソウの幼葉の状態で見るのも初めてでした。

◆ミズバショウ

   

   

   ※ ミズバショウも最盛期は一週間後くらいかもしれません。

◆フッキソウ

   

    ※ フッキソウは山野草ではなく、木本に分類されるそうです。   

「エゾユズリハコース」の散策路脇で目立ったのが、猛毒で知られるエゾノトリカブトである。もう至るところに、といった感じで成長した時には注意しなければならない。

   

   ※ 猛毒のエゾノトリカブトは野幌森林公園では散策路のいたるところに繁茂していました。

 これまで何度聞いても私の中に定着しなかったアキタブキ(フキノトウ)の雄株、雌株について、雄株の方が花が外に開いているのに対して、雌株は先端に色が付いていて花が開いていない違いをようやく見分けることができ、今度は定着できるだろう。

   

   ※ 雄株は白い花がきれいに開いています。

   

   ※ 雌株は花が閉じた状態なので容易に見分けられます。

 その他、木本についても詳しく説明されたのだが、花芽や葉芽が高いところにあることもあって、私にはイマイチ理解できなかったのが残念だった。

    

    ※  この時期、カツラの木の枝先には赤い芽が付き、木全体が赤みを帯びています。

   

   ※ ふれあい交流館の近くにあったエゾノバッコヤナギの雄花です。(あるいは雌花かも?)

   

   ※ ナナカマドの葉芽だそうです。

    

    ※ ふれあい交流館の傍に植わっていたエゾノキヌヤナギの雄花かな?  

 コースの後半、陽気につられて舞い出てきたクジャクチョウがフキノトウの雄株に止まっているところをカメラに収めることが出来た。

   

   ※ フキノトウの蜜を吸うクジャクチョウです。

 前回の観察会でも感じたことだが、北海道ボランティア・レンジャー協議会のレンジャーの方々の知識の豊富さ、説明の丁寧さには感心し、頭が下がる。そのことが観察会を終えた時の満足感に繋がっている。

   

   ※ エゾユズリハコースで観察する参加者です。

 今季はこれからもできるだけ各種観察会に参加していきたいと思っている。

◆今日の🌸の標本木

 開花直前と言われる札幌のサクラですが、本日正午過ぎに気象台の標本木のところへ行ってみましたが、まだ蕾の状態でした。開花予報では今日か?明日か?と言われているが、田舎おじさん予報ではもう少し先かな?とも思われますが、はたして???

    

    

 サクラの隣の梅の花は開花していました。

    

      


美しい話し方とは?

2022-04-21 16:16:13 | 講演・講義・フォーラム等

 「美しい話し方」など私には特別な関心はないと思っていたのだが、内容的には「相手に伝わりやすい話し方」的なお話だったので、私にとっても参考になる内容の講座だった。

 昨日午後、(公財)北海道学習協会が主催する「ほっかいどう学」かでる講座の今年度第1回目の講座があった。テーマは「美しい話し方~報道番組の裏側~」と題してフリーアナウンサーの長谷川宏和氏が講師を務めた。

     

 長谷川氏というと北海道民のシニア以上の方にはHTBテレビのアナウンサーを長年務めていた方なので記憶されている方もいらっしゃると思う。長谷川氏は21年間HTBに勤めた後、平成10(1998)年に退職され、その後はラジオを中心にフリーアナウンサーとして活動されているとのことだった。

 お話は、アナウンサーとして身に付けた「正しい話し方」と、TV時代に体験した報道番組に関することの二つの話題について話された。その中から前半の「正しい話し方」についてレポしてみたい。長谷川氏は「早口で話すことには意味がない。正しい話し方はゆっくりと正しく話すことである」と強調された。特に言いにくい言葉をゆっくりと正しく話すことが肝要である、として「見守られながら」とか、大相撲の力士名の若貴景(わかたかかげ)を例示として挙げられた。

 そして「話し方の五つの基本」を示された。その五つとは…、

 ① 発声 ~ 大きい声を出す(腹式呼吸を心掛ける)

               世の中に大きな声を出す人が少ない、とも指摘された。  

 ② 発音 ~ 一音一音正しく発声することが大切である。そのため正しく口を開くことである、と指摘された。

 ③ アクセント ~ アクセントとは声の高低である。例として「はし」を挙げられ「橋」と「箸」と「端」の違い説明していただいた。

           このアクセントが標準語と関西弁では全く違うと指摘した。

 ④ 鼻濁音 ~ ガ、ギ、グ、ゲ、ゴを鼻にかけること指すが、これらの単語が2文字目以降に来た時には鼻濁音で発声することが正しいそうだ。

 ⑤ 無声(音)化 ~ この説明が難しい。「さちこ」の「ち」、「まちこ」の「ち」、

           「つき」の「つ」、「きく」の「き」の発音は無性音だという。無性音を言葉で説明するのは難しい。上記の言葉を実際に発してみて、単音で発する場合との違いを感じてほしい。

     

 続いて「話し方にメリハリをつける四つのテクニックを教えていただいた。そのテクニックとは…、

 〈1〉大小(強弱)

 〈2〉高低

 〈3〉緩急

 〈4〉間を取る

 以上のようなテクニックを駆使すると、話がより相手に伝わりやすくなるとした。そして最後に長谷川氏は、そうしたテクニックも大切だが、より大切なことは相手に伝えようとする「気持ち・心」、さらには「視線」が重要であるとした。     

 人の前で話をする機会などそれほどあるとは思えないが、日常の話し方の中にも応用できることが含まれている内容で参考になった。

        

 今年も様々な人材がラインナップされた「ほっかいどう学」かでる講座がこれから毎月開催されるのが楽しみである。