映画を観終えた後の率直な感想は「あゝ、良い映画を観たなぁ…」という思いでした。日本のどこにでもある公立の一小学校の一年間を追ったドキュメンタリーです。監督はその学校の営みから「それは日本の小さな社会」を写す鏡と受け取ったようです。
昨日午後、以前から気になっていた映画「小学校~それは小さな社会」をシアターキノで観た。気になっていたということは、元小学校教師として今の小学校の実状を少しでも知りたいという純な気持ちからでした。
映画は、イギリス人の父と日本人の母を持つ山崎エマ監督が、日本の公立小学校、インターナショナルの中高一貫校を卒業し、アメリカの大学に進学したのだが、その山崎監督がアメリカで過ごすうちに、自分の強みが日本の公立小学校で身に付けた“規律と責任" に由来しているのではないかと気づき、日本の公立小学校(世田谷区立塚戸小学校)で150日、延べ4,000時間に及ぶ長期取材を実施して本作を完成させたそうです。
映画はこれといったストーリーはもちろん、ナレーションもテロップさえもない映像が、ただひたすら流されます。その中、特に新一年生と最高学年の六年生に焦点を当てて描かれています。
4月、入学したばかりの1年生は挙手のしかたや廊下の歩きかた、掃除や給食当番など、集団生活の一員としての規律と秩序について初めて学ぶ。そんな1年生の手助けをする6年生には、最高学年としての自覚のようなものが垣間見えます。
私も新一年生を担任した際は、集団生活にスムーズに入っていくために、あれやこれやと指導したことを想い出しました。一方、高学年を担任した際は高学年として低学年の見本となるよう、そして学校をリードしていく自覚を求める言葉かけが多かったと思います。
※ 日本の学校のように給食当番や掃除を子ども自身がする国は少数派だといいます。
そうした日本の教育の実状について、映画のレビュー欄を拝見すると、賛否両論が並びますが、特に我が国の教育を批判的に見る方々の厳しい表現が目立ちます。曰く、集団の中で協調性を指導するあまり同調圧力が生まれ、それが“いじめ" に繋がっていると…。あるいは個性的な人間が育たない。etc、etc……。
しかし、一方では教育大国として名高いフィンランドなどでは、日本の教育が驚きをもって受け止められ4ヵ月のロングランヒットを記録しているとも伝えられています。
学校教育という営みは、子どもを持つ全ての親が関心を抱くことから、誰もが評論家にもなるという一面があります。そのこと自体は悪いことではありません。ただ、どうしても親は学校教育の負の側面に目が行きがちなところがあるのではないかと思います。
個性が育たないという我が国の教育ですが、そのことに対して改善の動きがあることにも目を向けてほしいと思いますし、反対に諸外国から評価されるような我が国の教育の良さにもぜひ目を向けてほしいものです。
そうした日本の教育の実状について、映画のレビュー欄を拝見すると、賛否両論が並びますが、特に我が国の教育を批判的に見る方々の厳しい表現が目立ちます。曰く、集団の中で協調性を指導するあまり同調圧力が生まれ、それが“いじめ" に繋がっていると…。あるいは個性的な人間が育たない。etc、etc……。
しかし、一方では教育大国として名高いフィンランドなどでは、日本の教育が驚きをもって受け止められ4ヵ月のロングランヒットを記録しているとも伝えられています。
学校教育という営みは、子どもを持つ全ての親が関心を抱くことから、誰もが評論家にもなるという一面があります。そのこと自体は悪いことではありません。ただ、どうしても親は学校教育の負の側面に目が行きがちなところがあるのではないかと思います。
個性が育たないという我が国の教育ですが、そのことに対して改善の動きがあることにも目を向けてほしいと思いますし、反対に諸外国から評価されるような我が国の教育の良さにもぜひ目を向けてほしいものです。
※ 写真のように靴箱にきちんと上履きが揃えられているのは異様な光景でしようか?
映画は三月、六年生の小学校からの卒業、そして一年生が次の入学式で新一年生を迎える器楽合奏の準備に取り組む姿を映し出します。
一年生を優しく指導しながら修了させ、他校へ移動する女性教師、ちょっと厳しいが六年生の指導に全力でぶつかる熱血教師が卒業生を送り出し涙する場面で終わります。
けっして劇的でもなく、現在の学校教育のあるがままの姿を映し出した映画「小学校~それは小さな社会~」は、元小学校教師に懐かしさと日本の学校教育の伝統が引き継がれているんだなぁ、というどこかに安堵感を与えてくれたような映画だった…。
映画は三月、六年生の小学校からの卒業、そして一年生が次の入学式で新一年生を迎える器楽合奏の準備に取り組む姿を映し出します。
一年生を優しく指導しながら修了させ、他校へ移動する女性教師、ちょっと厳しいが六年生の指導に全力でぶつかる熱血教師が卒業生を送り出し涙する場面で終わります。
けっして劇的でもなく、現在の学校教育のあるがままの姿を映し出した映画「小学校~それは小さな社会~」は、元小学校教師に懐かしさと日本の学校教育の伝統が引き継がれているんだなぁ、というどこかに安堵感を与えてくれたような映画だった…。