田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

金平茂紀氏がウクライナ戦争を語る

2022-11-30 16:44:03 | 講演・講義・フォーラム等

 大手メディアのキャスター(TBS系「報道特集」) として権力に忖度しない発言が一定の支持を得てきた金平茂紀氏が来札し、ウクライナ戦争を、そして日本の政治状況を縦横に語った。

        

 11月27日(日)午後、金平茂紀氏「戦争をさせない市民の風・北海道」の招きで来札し、自治労会館で「ウクライナ戦争が問いかけるもの」と題して講演するのを聴講した。なお副題として「分岐点としての2022年-ウクライナ侵攻/安倍元首相殺害」と掲げての講演だった。

 金平氏は今年69歳になったということだがとても若々しく感じられるが、9月に金平氏の看板番組ともいえるTBS系の「報道特集」のキャスターの座を降りた。そして「特任キャスター」として長期の調査報道に軸足を移すことになったという。このことはこれまでより、より自由に発言できる立場になったということなのかもしれない。

   

   ※ 講演をする金平茂紀氏です。

 金平氏はまず、今回のロシアのやり方はけっして許容できるものではないということを前提としつつ、氏の思いを語った。その一つは「正義論」と「平和論」についてだった。日本はアメリカを旗頭としたロシアの不正義を追求する正義論に立っているが、ロシア側から言えばウクライナは元々がロシア帝国の一部であり、そこに居住するロシア系住民の保護を目的とした正義論に立って侵攻したことを主張している。(それが日本などから言わせたら、到底容認できない正義論ということになるのだが…)ここで金平氏は「平和論(=和平論)」に立って考えるべきではないか、と話された。(と私は解釈したのだが…)あるいは支援疲れも手伝って日本も早晩「平和論」が台頭するのではないか、とも述べられた。

 さて、近代を俯瞰してみた時、2022年は歴史的に見て大きな「分岐点」になるのではないかとも指摘した。奇しくも2022年は戦後77年にあたるという。そして明治維新後に日本が近代化の道に舵を切って(1868年)から太平洋戦争終結までも77年だったそうだ。

 また日本国内に激震が走った1972年から今年2022年はちょうど50年の時を経ているという。1972年がどのような年だったかというと、主な事柄だけを書き出してみると、◆日本赤軍の浅間山事件、◆沖縄返還、◆ベトナム戦争、◆テルアビブ事件、◆日中国交回復、などなど我が国や世界を揺るがす事件が多発した年であることが分かる。

 そして今年2022年は◆ウクライナ戦争、◆コロナ禍(今年だけではないが)、◆安倍元首相銃撃殺害事件、などやはり衝撃的事件が勃発している。金平氏はこの1972年から50年経った2022年にシンボリックな事件が頻発したことは、50年という時間の経過があるにも関わらずどこかシンクロ(共振)しているように思われるとも語った。金平氏は明言はしなかったが、2022年を契機に時代は大きく揺れ動いていくのではないか?と示唆したのではないか、と私は受け止めた。

 そうした激動した時代にあって、最後にメディアの果たす役割について言及された。金平氏は戦争(紛争)当事国のメディアは「自国にとって有利となる報道」、「勝つための報道」をすると明言した。現在のロシアやウクライナの報道を見聞きしていると頷ける点がある。そうした時、第三国のメディアこそ積極的に現場に赴き、真実を伝えるべきではないかと強調された。さすがに現場第一主義を貫いてこられた金平氏の言である。ところが日本のメディアは腰が引けてしまって多くのメディアはウクライナから引き揚げてしまって、メディアの原点である自らの目と耳、あるいは肌で取材するという基本が蔑ろにされているのではないかと嘆いた。

 前述したように金平氏はメディアの第一線から退いた形だが、まだまだ現場第一主義を貫き調査報道を続けるという。そこでの姿こそが後に続く人たちに対しての強烈なメッセージとなるに違いない。金平氏の報道ぶりをこれからも注目していきたいと思う。


前川喜平氏、学校づくりを語る

2022-11-29 13:45:25 | 講演・講義・フォーラム等

 元文科省事務次官の前川喜平氏は、「現代の学校教育は危機にある」と言う。そうした学校教育の現状に風穴を開けようとしている学校法人雙星舎(そうせいしゃ)スコーレの代表:星野人史氏の挑戦にエールを送った。

        

 11月26日(土)午後、北大学術交流会館において学校法人「雙星舎」と、モシリナァスコーレ設立準備会が主催するシンポジウム「学校をつくろう!」に参加した。私はシンポジウムがどのような趣旨なのか理解しないまま、前川喜平氏のお話を伺いたいと参加を決めた。

 シンポジウムの登壇者は、学校法人雙星舎・N PO法人珊瑚舎スコーレ理事長の星野人史氏象設計集団の大亀直子氏北海道アイヌ協会元事務局長の竹内渉氏現代教育行政研究会代表の前川喜平氏が登壇し、司会を小学校PTA会長という桑原さやか氏が担当した。

   

   ※ シンポジウムに登壇された方々です。(一部写真に写っていない人もいます)

 最初に星野氏が学校設立の趣旨・概要などについて次のように説明した。

 学校法人「雙星舎」は、すでに沖縄・那覇市に2001年に初等部、中等部、高等部、夜間中学を開設し、2021年には学校法人となり高等部は法制上の学校となったそうだ(他は以前のまま)そして今、札幌市・星観地区に2025年開設を目指して昼間の初等部・中等部(フリースクールの小学校と法制上の中学校)、そして夜間中学の3課程の準備をしているそうだ。児童生徒数・職員を3課程合わせて100名以内の小さな学校を目指すという。

 学校法人名の「雙星舎(そうせいしゃ)」の意味を配布されたパンフレットでは次のように説明している。

「学校法人名の雙星は二つの星、舎は小さな建物、日本列島の北と南で輝きを放つ二つの学校を表しています。どちらもかつて先住民族が生活の場とし、独自の文化を作りあげてきた土地です。近代国家の日本はその地を併合しました。彼らは差別、抑圧の対象となりました。言葉を奪われ、文化、伝統、習慣なども蔑ろにされた歴史があります。現在も彼らに対する差別は存在しています。文化国家を自認する日本は先住民族に対する過去を直視し、蔑視の目から敬意の目で彼らの文化の基盤となる様々な「観」、自然観や人間観などですが、その「観」を見つめ直すことが必要です。その眼差しは、花綵(かさい)列島と呼ばれる日本列島ょその名の通り、蔑視・差別・抑圧から敬意・交感・共生の花綵に相応しいものに変える力を持っていると思います。眼差しの変容には小さな試みの積み重ねが必要です。それは日常の中で多様な「観」と向かい合うことです。」

 そして札幌市星観に開講予定の学校名を「モシリナァスコーレ」とするのは、アイヌ語で「モシリナ」は大地、「ナァ」は庭を意味し、「大地の庭に建つ小さな学び舎」という意味を込めたという。

 星野氏に続いて、その星野氏の思いを受けて、その思いを具現化する校舎を設計した大亀氏が具体的な設計図をもとに説明された。続いて竹内氏はアイヌ民族の歴史、文化等を正しく伝える学び舎となることへの期待感を語った。

   

   ※ 大亀氏が設計図をひいた「モシリナァスコーレ」の全体構想図です。

 そして前川喜平氏の登場である。前川氏は「今、学校教育がおかしな方向に向かっている」と指摘した。具体的には2007年から「全国学力テスト」が実施されるようになり、学校の序列化、子どものランク付けが進められてきた。さらに2018年からは「道徳教育」が教科として採用された、ことを指摘した。そもそも学校教育は明治時代に森有礼が初代文部大臣として我が国の教育制度を確立したのだが、その学校教育の目的は「日本の近代化に資する」ものであり、そのために軍隊教育を学校教育に取り入れたものが今も底流に流れているとした。そうした中で今の教育界においては「学校教育からの大量脱出」が顕著になってきたと前川氏は指摘した。2021年の不登校児童・生徒の総数は24万5千人、コロナ感染回避のための長期欠席が5万9千人、その他の長期欠席が5万2千人で、合計35万人もの児童・生徒が学校を長期欠席しているそうだ。そのうち「その他」の5万2千人とは積極的に学校へ行くのを止めよう、とした確信犯的登校拒否の数だという。こうした状況の中において、星野氏が目指す学校づくりは希望の灯であり、おおいにエールを送りたいと述べた。

   

   ※ 前川喜平氏が発言されています。

 私自身学校教育の一端を担ってきた者として、教育行政の事務方のトップだった方から学校教育の欠陥を指摘されることは内心忸怩たる思いをしながら耳を傾けた。確かに前川氏の指摘には頷くところもあるが、日本の学校教育が人材育成に大きく寄与してきた一面があることも一方で強調したい思いがある。ただ、欠陥を是正し、より良き教育を目指そうとする思いに共鳴したい思いも私の中では共存する。

 2025年の開設を目指している「モシリナァスコーレ」が予定通り実現し、現在の学校教育の在り方にどのような形で一石を投じることができるのが、注目し続けたいと思っている。


日本経済の未来図を探る

2022-11-28 17:00:35 | 講演・講義・フォーラム等

 門外漢にとっては難しい話だった。経済の専門家は同じような経済環境にあっても、楽観派と悲観派がいて「どっちを信ずればいいの?」的状況に遭遇することが多い。今回の講師の滝田洋一氏は比較的楽観的見通しを語る専門家だった?

   

 11月24日(木)午後、ロイトン札幌において北海道信用金庫主催の「経済講演会」があり、聴講券を入手できたために拝聴することができた。演題はタイトル同様「日本経済の未来図を探る」と題して経済評論家の滝田洋一氏が講演した。滝田氏は長い間、日本経済新聞において経済畑を担当されていたが、現在はテレビ東京において経済番組のレギュラーコメンテーターを務めている方と紹介があった。

             

 滝田氏はまず、世界経済(日本経済)の2022年、2023年を干支に絡めて次のように読み解いた。

 2022年は「寅年」である。そこで「寅年」を英語で表記して「TIGER」として、その頭文字をあてはめ「Taperig」(量的緩和の縮小)、「Inflation」(インフレ)、「Geopolitical  risks」(地政学的リスク)、「Energy」(エネルギー)、「Revenge shopping」(リベンジ消費)と読み解き、

 2023年は「卯年」である。ウサギは「RABBIT」であるから、そこでその頭文字をあてはめ「Recession」(不況の回避は可能か)、「Asseet inflation」(資産バブルの着地点)、「Back to normal」(日常への回帰)、「Indis’s rise」(台頭するインド)、「Taiwan strait」(台湾有事への備え)と予測した。

 やや言葉遊びのきらいがないわけではないが、おそらく多くの経済評論家がこうした解説を試みているのだろうと思われる。

 今年2022年を振り返ってみると、確かに金融の引き締め、物価の高騰、国際情勢の緊迫化(ウクライナ、台湾、イランvsイスラエル)、エネルギーの高騰、コロナ禍の状況は収まってはいないが行動規制の緩和により本年度後半は旅行ブームが再来しつつある、などその読み解きは的を得ているようにも思われる。

 対して2023年であるが、こちらはあくまで予想であるが滝田氏の予測ではインドと台湾の情勢の変動予測は別として、大枠においては景気回復傾向を予測していると読み取れるような気がする。その予測を裏付ける各種の統計やグラフの読み取りについては私の手に余るもので理解が困難だった。ただ、その中で米国の実質賃金の低下は日本より深刻であるとか、中国の成長が鈍化している、などの要因から相対的に2023年度の実質経済成長率はG7の中では最も良いのではないかとの見通しを示された。といってもその成長率見通しは1.6%ということだったが…。 G7各国の実質経済成長率の見通しが軒並み0%台となる

中で、滝田氏は「日本は相対的に善戦」するのではないか、と見通しを立てたが はたして、どうなるのであろうか??しかし、いずれにしても来年も大きな飛躍は望めない、ということを滝田氏は言っているのだと理解した。

 

※ 昨日の「脳活」クイズの答え です。

◆4つのヒント

  ※ 解答例と違っても二字熟語の意味が通れば例と違ってもけっこうです。

      

◆ない数足し算

  ※ 問題用紙の右側に回答を記しました。

      

◆落ち葉掃除

  ※ 丸印を付けたところが間違っているところです。

     

《WCサッカーカタール大会 情報》

 恐れていたことが現実となってしまった。昨日の投稿で私は「サウジアラビアと同じ轍を踏んでほしくない」と書いたが、あろうことか「同じ轍を踏んでしまった…」のである。

 森保ジャパンの戦いぶりを観ていて、選手たちは否定するが、心のどこかに「守る」という姿勢はなかっただろうか?私にはそう見えてしまったのだが…。特に前半の戦いぶりには無理に押し込もうとする気迫のようなものを感じられなかった。そんなに無理せずとも「90分の間には何点か得点できるだろう」との思いはなかったか?後半は明らかに押していた戦況だった。しかし…。そうしているうちに コスタリカに千載一遇のチャンスを与え、コスタリカはそのワンチャンスを見事に生かして得点し、日本の野望を砕いてみせた。

 う~ん。これで予選突破がかなり難しい状況となってしまった。次戦、難敵スペインにどう立ち向かうか?ドイツに対した時と同じようなメンタリティーを取り戻し、ジャイアントキリングを再現することができるだろうか?森保ジャパンの奮起を期待したい。


認知機能の低下を予防するために

2022-11-27 18:47:41 | 講演・講義・フォーラム等

 認知機能の低下を予防するために「脳を活性化」し、「生活にハリ」を与え、「新たな交流」を図るために、講師は「脳活塾」を主宰しているという。今回の講座では「脳を活性化」させるために数々の脳トレを体験した。

 11月24日(木)午前、私が今年継続受講している「わたしの生き方セミナー」の11月講座が開講され参加した。今回のテーマは「体験『脳活塾』~健康で豊かな生活をいつまでも~」と題してNPO法人シーズネットで「脳活塾」の塾長である柿沼英樹氏が講師を務めた。

   

 「脳活塾」では①簡単な体操、②国語的な問題、③算数的な問題、④グループワーク、⑤回想法、⑥社会見学、といったプロクラムに取り組み、前述した三つのねらいに迫ろうとしていると話された。

 NPO法人シーズネットとは、おそらくシニアの学習・交流集団としては会員数470名を誇り、おそらく札幌市では最大の集団ではないかと思われる。詳しいことは良く分からないが、シーズネットではサークル活動が盛んなようであるが、「脳活塾」はそのサークル活動とは一線を画した特別な塾のようである。(講座後に柿沼氏が質問に答えてくれた)

 本講座においては、「脳活塾」の一応の紹介をいただいた後に、「脳活塾」で実際に行っている脳の活性化を図る「国語的な問題」と「算数的な問題」を体験させてもらった。これが楽しかった!どの問題も取り掛かりはできるものの、簡単には答えを導き出せないところが挑戦欲をかきたてる。講座時間内に10問もの問題が次々と提出されたが、ここではそのうちの3問を紹介しますので、興味と時間のある方は挑戦してみませんか?明日の投稿で解答を提示したいと思います。それでは…。

◆4つのヒント ※二字熟語の読み順は問いません。

     

◆ない数足し算

     

◆落ち葉掃除 ※間違い探しです。(8ヵ所あります)彩色が薄いですがご容赦ください。

       

《WCサッカーカタール大会 情報》

 いよいよ今夜、森保ジャパンはコスタリカとの第二戦に挑む。第一戦の対ドイツ戦に勝利して日本国中が大騒ぎで、コスタリカ戦も勝利は間違いなしみたいな雰囲気が広がっているが、はたしてどうだろうか?

 日本同様に第一戦に強豪国アルゼンチンに勝利したジャイアントキリングを果たしたサウジアラビアは第二戦でポーランドにあえなく敗れてしまった。同じ轍を踏んでほしくはないが…。固唾をのみながら見守ろうと思う。頑張れ!ニッポン!(キックオフ5分前に投稿)


大音響が響き渡ったゴスペルライブ!

2022-11-26 18:23:13 | ステージ & エンターテイメント

 教育文化会館の大ホールは耳をつんざくばかりの大音響のゴスペルソングが響き渡った。ゴスペルソング独特の身体の全てを駆使して発する声量には圧倒させられた。と同時に年老いたお爺にはどこか冷めた感情も生じていた…。

        

 11月23日(祝・水)夜、札幌市教育文化会館においてHEAVENLY WIND GOSPEL LIVE2022が開催されたが、早くからチケットを入手していた私も駆け付けた。

 私はHEAVENLY WINDというゴスペルグループがどのようなグループなのかもよく知らないまま、「ゴスペルライブ」と聞いただけでチケットを求めていた。というのも、過去に私はいつくかのゴスペルグループのステージをみて何度も感動を味わった体験があったからだ。その体験からかなり年数が経っていたことで、再びその感動を味わいたくて衝動的にチケットを購入していた。

 その感動のステージとは、2012年12月に聴いた「kiki & ゴスペルクワイヤ」と翌2013年9月に聴いた「Mother Cross」の二つのグループだった。二つのグループともにメンバーは20名前後だったと記憶しているが、彼女らの全身全霊を駆使するかのような歌声は確かに私の魂を揺さぶられた。その後も他のいくつかのゴスペルグルーブのステージを体験しているが、上記二つのグループの体験は強烈だった。その体験を再び味わいたいと教育文化会館に向かった私だった。

 HEAVENLY WINDは大編成だった。歌い手だけで100名を超すという。彼ら歌い手の前には何本ものマイクスタンドが立ち並んでいた。その上、バックには大音響を奏でるロックバンドが控えていた。 

 最初の曲「Baba yetu」が始まった。大変な迫力である。会場内が大音響で包まれた。マイクで増幅された100名の歌声は「凄い!」と思った。次々と大音響の歌声が披露される。

 私の前の席の女性の一団は完全にノリノリの様子だった。しかし、私はなぜか以前に感じたような魂を揺さぶられるほどの感動を覚えることができなかった…。どうしてだろう?と考えた。確かに以前とは年齢的にもかなり歳を増している。感動などもはや覚える歳ではないのかもしれない。しかしそれだけではない、とも思った。私の中では、なんだか無理矢理大音量を作り出しているように思えてならなかったのだ。     

※ 会場での写真はもちろんNGである。写真はプログラムに掲載されていた昨年の無観客ライブの様子の写真を拝借したものです。

 100名を超えるゴスペルの歌であれば、マイクなど通さずとも十分に迫力ある音量となるはずである。さらにバックバンドの音量も必要以上に増幅され過ぎてはいなかったか?そう思った時、なんだか無理矢理聴いている私たちをトランス状態(精神状態が平時とはかけ離れた境地にあるさまを指す)に導こうとしているのではないか、などと思ってしまったのだ。そう思ってしまった途端、私の気持ちはすーっと冷めてしまった。

 ゴスペルの歌には先述したように聴いている者の魂を揺さぶられる思いがするほどパワーがあると私は思っている。しかし、必要以上にそこへ導こうとする演出はどうなのだろうか? そんなことを考えること自体、私が歳をとり過ぎたということなのだろうか……。


北海道e-水フォーラムに参加して

2022-11-25 15:27:26 | 講演・講義・フォーラム等

 第13回目だという「北海道e-(いい)水フォーラム」に初めて参加した。北海道の豊かな水を守ろうと、たくさんの団体が活動していることを知ることができた。また、フォーラムでは日本の水の権威を一人である東大総長特別参与であり、ローマクラブの正会員でもある沖大幹氏の講演も聴くことができた。

        

 11月22日(火)夜、北海道立道民活動センター「かでる2・7」において「第13北海道e-水フォーラム」が開催され参加した。主催は北海道、北海道コカ・コーラボトリング(株)、北海道環境財団の三者でつくる「北海道e-水プロジェクト」というところだった。「北海道e-水プロジェクト」は、北海道の豊かな水資源と美しい自然を一体として守り、次世代へと引き継いでいくため、道内の水辺での環境保全活動に取り組む団体などを支援する活動を展開しているということだ。

 「e-水」というネーミングに興味を抱いて、ネット上で調べてみてもよくは分からなかった。「e」という文字にはいろいろな意味もあるようなのだが、どなたかその深い意味がお分かりであれば教えていただきたい。

 フォーラムは今年度の寄付金の贈呈が行われた後、本年度助成を受けた6団体が年間の活動報告をした後、特別講演ということで沖氏「健全な水環境と持続可能な開発」と題して講演を行った。

   

   ※ コカ・コーラ社から道環境財団に今年の寄付金が贈呈された。左から環境財団理事長、コカ・コーラ社長、北海道の関係部長の三者です。

 今年度助成を受けた団体の活動報告の概要は次のとおりである。

 ◆オホーツク魚類研究会(美幌町)~コンクリートで平らに固められた川に魚が遡上するためのポータブル魚道設置の活動。

 ◆釧路自然保護協会(釧路市)~釧路川流域におけるイトウ生息環境再生と個体群復元の取組み。

 ◆小松前川支流域環境保全ネットワーク(松前町)~小松前川支流域環境保全活動。

 ◆認定NPO法人サロベツ・エコ・ネットワーク(豊富町)~水及び湿地に親しむ環境教育。

 ◆特定非営利活動法人人まち育てI&I(釧路市)~残そう味わおう!湿地の文化と食~スゲ〆縄とエソカンゾウ料理、環福連携の試み~ 

 ◆深川ひきがえるバスターズ(深川市)~外来生物アズマヒキガエルの駆除

 道内各地で、北海道の豊かな水資源を守るために多くの団体が活動していることを知ることができたことは収穫だった。

   

   ※ 特別講演をされた東大総長特別参与の沖大幹氏です。

 続いて沖氏の特別講演「健全な水環境と持続可能な開発」があった。沖氏の講演を私が次のように述べるのもおこがましいことであるが、特別に何か目新しいことを述べるものではなく、”水” が地球にとって、また我々人間にとっていかに貴重なものであり、人類の進化に寄与してきたかを再確認するものであったと受け止めた。

   

   ※ 地球上で人類が利用できる水が僅かであることを示したイメージ図です。

 沖氏が話された中で、印象的な言葉として「地球は水の惑星と称されるが、本当だろうか?」という問いかけから、実は地球上の水の体積は地球の体積の1/1000でしかなく、その地球上の水の中でも淡水の割合はわずか2.5%だそうだ。(そのほとんどは海水ということだ)しかもそのうちの7割は氷河として存在しているという。ということは、人間が水資源として通常使用可能な淡水は地球上の水のわずか0.007%に過ぎないそうだ。いかに私たちが日常使用している水が貴重なものであるかを認識させられた。

   

   ※ 沖氏の講演のまとめです。

 沖氏のお話は、水が文明の発達に寄与してきたことや、近年の地球温暖化による水環境の変化などについて話されたが、結論として沖氏は「健全な水循環」の必要性を強調された。


話のプロの朗読に酔う

2022-11-24 16:45:19 | ステージ & エンターテイメント

 さすがに話方のプロであるNHKのアナウンサーの皆さんだ。素晴らしい語りを披露してくれた。その上、効果的に流れるピアノの調べ、そして作品が変わるごとにステージのバック(背景)も変わり、至上の朗読会となった。

        

 11月23日(水・祝)午後、「かでる2・7」のかでるホールにおいて、NHK公開録音~朗読と音楽のライブセッション~「北の文芸館」が行われたが、入場券を入手できたので参加することができた。

 出演したのは朗読を披露したNHKの道内勤務のアナウンサー7名と、効果的にピアノを奏でたピアリストの千葉皓司さんだった。

 プログラムを紹介すると…、

《第一部》◆「弟」(石原 慎太郎 作)    朗読:福井 慎二 アナウンサー          

     ◆「早春賦」(辻村 もと子 作)  朗読:是永 千恵 アナウンサー           

     ◆「返信」(高田 都 作)     朗読:後藤  理 アナウンサー             

              〈休憩10分〉ピアノ演奏

       ◇演奏曲目 ラフマニノフ/前奏曲嬰ハ短調 作品3-2

             プーランク/即興曲第5番~エデット・ピアフを讃えて~

             

             ※ ピアニストの千葉皓司さんです。

《第二部》◆「最後のおでん~一子相伝」(北大路公子 作)       朗読:野原 梨沙 アナウンサー            

     ◆「最後のおでん~先駆者」(北大路公子 作)   朗読:神門光太朗 アナウンサー             

     ◆「あの日にかえりたい~翔る少年」(乾ルカ 作)    朗読:芳川 隆一 アナウンサー

                                                                        朗読:大河内 惇 アナウンサー          

 朗読された作品の中で既読の作品は石原慎太郎作の「弟」だけだった。福井アナが朗読した部分は石原兄弟が幼少期を過ごした小樽でのエピソードの場面だった。裕次郎のやんちゃな面と慎太郎の家父長的ふるまいから、弟裕次郎をこよなく愛する兄慎太郎の思いが滲み出る場面を福井アナは効果的に朗読された。

 「早春賦」も興味深かった。明治時代の良家の出である娘が東京から北海道の開拓期の農家に嫁いだが、その娘が心配する母親に送る手紙文なのだが、明治期の母親に対する言葉遣いが興味深かった作品だった。

 「最後のおでん」の二作も興味深かった。「早春賦」と「最後のおでん」はぜひ作品全体を読んでみたいと思った。

 しかし、素晴らしい朗読は聴いている私たちの集中力を高めてくれるため、疲労も倍加するようだ。私の集中力も最後まではもたなかった。最後の「あの日に還りたい」は私の中では記憶が定かでないのが残念である。

 今回の「北の文芸館」では、その道のプロの技の凄さを改めて感じさせてくれた。

 ちなみにこの日の朗読の様子は、12月18日(日)午前9時からNHK-FMの北海道地方向けで放送されるそうである。興味がある方はぜひお聴きいただきたい。

《WCサッカーカタール大会 情報》

 まさか!まさか!のジャイアントキリングである!

 昨夜の森保ジャパンは強豪ドイツに対して見事な逆転劇を演じてみせたのだ!

 誰があの前半の戦いぶりから、後半の逆転劇を予想しただろうか!?

 新聞の大見出しはもとより、テレビのワイドショーは軒並み森保ジャパンの戦いぶりを伝えるものばかりだった。

 前半戦、森保ジャパンはドイツに翻弄されっ放しで、満足にボールを持たせてもらえなかった。そうした中でドイツにPKを与え先制点を献上し、前半終了間際にも「点を取られた!」と思われたが、相手オフサイドに救われ、0対1で折り返した。

 後半、森保監督はMFの久保に代え、CBの富安を投入した。私は「あれっ?」とは思ったが、深い意味は分からなかった。後から解説を聞くと日本は陣形を5バックから3バックに代え、攻撃型の布陣を組んだということだった。ここから明らかに形勢が前半とは変わって、日本もドイツと対等にボールを持ち始めたという印象だった。さらに森保監督は三苫、浅野、堂安、南野とフレッシュな攻撃陣を次々と投入した。これが功を奏し、後半30分、三苫、南野、堂安と繋いで同点弾を挙げた。圧巻は同38分の浅野のプレーである。FKで得た板倉からのロングパスが背後から送られボールを見事なトラップで足元に落としてドイツの名手ノイヤーが立ちはだかるゴールのなか「ここしかない」というゴール上の左隅に見事に叩き込んだ一撃だった。浅野選手に「もう一度やってほしい」と言っても簡単には再現できない見事なプレーだった。

   

   ※ 大殊勲の浅野選手が得点を挙げたときに取るホーズ、ジャガーポーズで喜びを表しています。

 いやいや見事なジャイアントキリングはいくらでも詳細に再現できるが、このへんにしておいて次戦対コスタリカ戦で再び森保ジャパンが躍動するところを想像しながら次戦を待つことにしたい。


hitaruのステージが映えた!

2022-11-23 16:48:57 | ステージ & エンターテイメント

 私の主目的は札響の金管五重奏を聴くことだったのだが、障害者たちのステージも十分に楽しむことができた。hitaruの素晴らしいステージに負けることなく6つのグループの演奏やパフォーマンスが映えたひと時だった。

        

 11月20日(日)午後、札幌市障害者週間記念事業として札幌文化芸術劇場hitaruでhitaruで会いましょう!』と称するステージがあり、参加した。

 私は開場時間には遅れたために、私が会場に着いたときには一階席はほぼ埋まっていたため、2階席の袖の最前列の席に座った。その席は舞台からも近く、ステージ脇には会場アナウンスの言葉が文字表記されるスクリーンも近かったので、出演する方々の演目題も 表記されるため、私は逐一それらをメモすることができた。この日、ステージに登場したグループ名と演目題を紹介すると…、

 ◆さっぽろ太鼓衆「風」

   ① 村場流八条太鼓「勇吉」

   ② 新太鼓「化け祭り」

   

 ◆札幌交響楽団 金管五重奏

      ① ディズニーメドレー 星に願いを ~ チム・チム・チェリー ~ 小さな世界

      ② スタジオジブリ「ハウルの動く城」メドレー

       人生のメリーゴーランド ~ ソフィーの城 ~ 世界の約束

   ③ サウンド・オブ・ミュージック セレクション

       サウンド・オブ・ミュージック ~ マリア ~ 私のお気に入り ~

       ドレミの歌 ~ もうすぐ17歳 ~ ひとりぽっちの羊飼い ~

        さようなら、ごきげんよう ~ エーデルワイス ~ すべて山に登れ

   

 ◆車いすダンス「ハーモニー」

   ① インナーライト

   ② Y・M・C・A

   

      ③ 映画「ダイレクト・ショーマン」から「This is me」                                       

 ◆ファイターズガール

   ① kaleid  proud  fiesta

   ② The fox     version2、version3

   

 ◆ザ・ほっとコネクション

      ① 君が思い出になる前に

   ② 勝手にしやがれ

   

 ◆よさこいソーラン「北昴」

   ① 「突き抜けろ」

   

以上、ちょうど障害者のグループとそうではないグループがサンドイッチ状に出演する仕組みとなっていたが、どのグループのパフォーマンスもとても楽しめたステージで時間があっという間に経ってしまった感じだった。

 その中でも印象に残ったのは、札幌太鼓衆「風」の舞台だった。4人の障害者がそれそれ個別に太鼓を叩いたのだが、一人一人の個性が感じられた太鼓だった。おそらく指導された村場氏が、それぞれの個性を最大限発揮できるように指導された舞台だったのだろう。

 そして圧巻だったのは、最後に登場したよさこいソーランの「北昴」の演舞だった。「北昴」は今年のよさこいソーラン大会で大賞を獲得したグループだと紹介があった。大集団(100人以上いたのでは?)がステージを縦横に踊り跳ねる姿は大賞に相応しい華麗さと迫力に満ちたものだった。

 バラエティーに富んだステージを楽しめるこの舞台を来年も楽しめたらと思った。

《WCサッカーカタール大会 情報》

 WCカタール大会が開会したが、本大会も日本チームの戦いに絞って私なりの感想などを記していきたいと思う。

 そこで今夜、森保ジャパンの第一戦  対ドイツ戦の開始まで1時間を切り、先ほど日本の先発メンバーが発表された。おおよそは大方の予想どおりの先発メンバーとなった感じである。手堅い森保監督らしいとも思う。その中、森保ジャパンでは不動のSBだった富安選手の名前が見当たらない。故障をしているとの情報もあったが、この日には間に合わなかったようだ。第二戦、三戦には間に合うことを願っているが…。

 対戦相手のドイツはWC優勝経験もある強豪チームである。日本はどこまで戦えるか?せめて前半は0対0、あるいは1点得点を取るような形で折り返してほしい。予想は厳しいようであるが、ジャイアントキリングを期待しながら試合を見守りたいと思う。(21時17分投稿)


史上初!フィギア競技のラジオ生中継に立ち会う

2022-11-22 12:53:40 | スポーツ & スポーツ観戦

 アイススケートのフィギア競技をラジオで生中継するというのは史上初めての試みだという。NHK札幌放送局の船岡久嗣アナウンサーが挑む「ラジオ公開生放送」の様子を間近で見させてもらった。

          

          ※ 放送局の入り口には庫のような立て看板が。

 11月19日(土)午後、札幌市の真駒内アイスアリーナではNHK杯国際フィギアスケート競技大会」の女子フリー決勝が行われた。その様子をNHKではテレビで生中継したが、その生中継の画面を観ながらラジオ実況中継にいどむ「ラジオ公開生放送」に立ち会うことができた。(NHKラジオ第一放送で北海道内向けに放送されたそうです)

 私たち公開生放送に立ち会う者は、NHK札幌放送局が誇る8K 280インチの大画面で選手の演技を見ながら、船岡アナウンサーの実況に耳を傾けるという態勢だった。併せて解説に元五輪選手でプロフィギアスケーターの鈴木明子さんが名古屋から駆け付けていた。

          

          ※ 実況を担った船岡久嗣アナウンサーです。          

              

          ※ 解説を務めたプロフィギアスケーターの鈴木明子さんです。

 私は開場時間の前に会場に着いたこともあり、画面の最前列に座ることができた。そこから280インチの大画面を見ると、仰ぎ見るような角度で各選手の滑り(演技)を見ることができ、選手たちの息遣いまで伝わってくるような大変な迫力だった。

 午後2時、女子のフリー決勝開始とほぼ同時にラジオ実況中継も開始された。私たちは船岡アナの実況を聴きながら画面を見入っていたので、テレビ中継を見ている時とあまり変わらない感じで観戦していた。テレビとやや違うなと思えたのは、船岡アナの言葉がやや多いかな?という程度だった。というのも船岡アナの声質がとても耳に心地良かったこともあったかもしれない。絶叫調ではなく、むしろ淡々と伝える感じだった。唯一選手がジャンプを成功させたときに時折り絶叫するのがアクセントになっている感じだった。テレビ中継とやや違っていたと思えたのは、船岡アナが選手の動きを細かく伝えようとするためか解説の鈴木さんに問いかけることが少なく、鈴木さんの存在感がイマイチだったかな?と思えたことだった。

   

   ※ 放送局のロビーには日本が誇ったフィギア界のレジェンドたちの姿が展示されていました。

 結果は、第1位が韓国のキム選手、第2位が坂本香織選手、第3位が住吉りをん選手と日本選手が2位、3位を占めた。私が残念だと思ったのは第5位だった渡辺倫香選手が全参加者中、唯一4回転に挑んだのだが失敗してしまったことだ。もし、4回転を成功させたとしたら、ショートプログラム9位と出遅れたのをどこまで挽回できるか興味深かったのだが…。渡辺選手のこれからに期待したい。

   

   ※ 放送席の脇には鈴木選手が現役時代に身に着けていたユニフォームとスケート靴が置かれていました。

 さて、実況中継の方だが船岡アナは競技時間の2時間の間、一度も休憩を入れることなく中継をし続け務めをやり終えた。お話の中で、史上初めてのフィギアのラジオ実況中継について船岡アナ自身が企画を提出したとも聞いている。少しの乱れを見せることなく実況をやり終えたところに「プロの仕事」を見た思いだった。ラジオを実際に聴いていた人たちはどんな感じを受け、どのような感想を持ったのだろうか?気になるところである。


地球生命絶滅ものがたり

2022-11-21 14:24:21 | 講演・講義・フォーラム等

 「地球上の生命が絶滅する?」……。ずいぶんとセンセーショナルなタイトルである。しかし、講師のような地質学の研究者にとっては、数十億年という途方もない長い時間軸で考えるとセンセーショナルでもなんでもなく、研究者間ではきわめて常識とも言える話のようなのだが…。

 先日、中央区で開催された「高齢者市民講座」のレポを投稿したばかりであるが、好奇心だけが取り柄の私は、今度は東区まで足を伸ばした。

 11月18日(金)午後、東区民センターにおいて「高齢者市民講座」の東区会場の講座にまで顔を出した。この日のテーマは「地球生命絶滅ものがたり」「魏の曹操」の二つの講義だった。「魏の曹操」の方は、東区において中国史を連続的に開講しているらしく、私にとってなんとも付いていくことができずレポすることが困難なので、「地球生命絶滅ものがたり」に限ってレポしたい。

 講師を務めたのは「山の手博物館」(民営で地質関係に特化した博物館)の理事である若松幹男氏だった。拝見したところかなりご高齢の方(83歳?)に見えたが、地質に関しては札幌市内では他に代替えの効かない方のようである。調べたところ氏は「北海道地質調査業協会」の技術アドバイザーの任にも就かれている方のようだ。

            

            ※ 講義をされた若松幹男氏です。

 若松氏はまず約46億年前に誕生した地球の歴史を地質時代区分ごとに生命発達の概略史を説明された。それが下の図である。

  地 質 時 代 区 分

 年  代

   出  来  事

 

先カンブリア時代

冥王代

46億年前~

地球全体がマグマに覆われていた

太古代

40億年前~

陸と海ができあがる。生命の誕生(原核生物)

原生代

25億年前~

大気中に酸素が増加。真核生物

 

顕  生  代

古生代

5.4億年前~

生物が大量発生。多細胞、大型生物

中生代

2.5億年前~

恐竜時代

新生代

6500万年前~

哺乳類時代

  表の年代のところを見ても分かるように、地質研究者たちの年代を測るスケールは私たち一般人とはまるで別次元のものである。例えば、人類がいつ誕生したのか?についても、地質研究者たちに言わせば「つい最近こと」ということになろうか?それでも我々人類が猿から進化して2足歩行を始めた「猿人」が現れたと考えられるのが400~300万年前と考えられるということなのだ。ましてや今「縄文時代」が脚光を浴びているが、この縄文時代でさえその始期は1万6千年前後と言われても、私たちには遠~い、遠~い、ずーっと過去のこととしか思えないのだから、そのスケール感は何をか言わんやである。

   

 さて、そのような途方もない歴史を有する地球であるが、顕生代に入ってからこれまで5回の大量絶滅を経験しているという。その時代と原因を羅列すると…、

①4億4千万年前(オルドビス期末)  氷河の消長に伴う海水準の上下に伴い生物消滅

②3億7千万年前(デボン紀後期)   火成活動によって海洋が無酸素となった

③2億5千万年前(ベルム期と三畳紀の境界)シベリアの火成活動による海洋の無酸素化 

④2億1千万年前(三畳紀とジュラ期の境界) 火成活動による海洋の無酸素化、酸性化

⑤6千550年前(白亜紀と古第3紀の境界) 小惑星の衝突

 若松氏はこのように生物を絶滅に追い込む6回目の地球のイベントがいずれ必ずやってくるというのだ。但しそれは何千万年単位での可能性について言っていることなのだ。

 講演のまとめとして若松氏は次のように述べて締め括った。「農耕が、人類による生態系破壊の始まりだと思いますが、その後、200年前の産業革命以降、人口が爆発的に増え、地球温暖化を促進させる炭酸ガスを増加させており、最近に至っては “核の脅威” まで迫っています。大規模な火成活動や小惑星の衝突、太陽の膨張などによる自然発生的な生命の大量絶滅は逆らうことは、恐らく不可能です。しかし、少なくとも人為的行為による6回目の地球生命大量絶滅だけは避けたいものです」

      

      ※ ウェブ上から若松氏の写真を見つけました。

 あまりにスケールの大きな話で実感が伴わないが、たまあに聴く分にはこうしたお話も悪くはない、と思った今回の講座だった。

(若松氏のお話をかなり簡略化してレポさせてもらいました)

※ 投降後に拙ブログを改めてみたところ、表の線が消えていますねぇ。線を入れる方法が分かりません。類推をお願いします。