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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

なぜフィンランドは世界一幸せな国なのか?

2023-11-25 18:23:57 | 講演・講義・フォーラム等
 北欧の国フィンランドはこのところ6年連続して世界幸福度ランキングで第1位を維持し続けている。なぜフィンランドは世界で一番幸せの国なのか?というお話をフィンランドと関係の深いビジネスマンで、在札幌フィンランド名誉領事を務める方からお話を聴いた。

 11月23日(月)午後、ホテル札幌ガーデンパレスにおいて、北海道フィンランド協会が主催する「フィンランド独立記念日講演会」が開催され、演題に興味を抱き参加した。
 講演題は「ビジネスマンが見た “世界一幸せな国” フィンランドの30年」と題して、(株)バーグマンの社長で、かつ(株)HARVIA JAPANのCEOを務める笠間聖司氏が講師を務められた。笠間氏はビジネスを通じてフィンランドの深い繋がりから本年より在札幌フィンランド名誉領事も務められている方である。
        
 笠間氏はバーグマンという電気暖房機など住宅関連の機器を輸入販売している会社を率いているという。そうした事業の中でフィンランド発のHARVIA(ハルビア)というサウナ製造会社と出会い、日本の販売代理店として国内にフィンランド版のサウナ(いわば本場のサウナである)の普及に努めているという。
  
 笠間氏がフィンランドを初めて訪れたのは、笠間氏が製材業に勤めていた1990(平成2)年だそうだが、以来フィンランドとの往来は足繁くとなり30年を経過したという。
 笠間氏のフィンランドに対する最初の印象は、暗くて、寒い国という印象だったという。特に1991年の債務不履行でフィンランド経済はどん底をみたが、それから経済の自由化に踏み切り、さらにはEUに加盟するなどする中、携帯電話のNOKIAが世界一になるという明るいニュースが伝えられる中、ユーロを自国通貨に切り替え、2000年からは国際経済競争力が4年連続第1位になるなどして完全に自信を取り戻したのがフィンランドである。
  
  
 そうした中で6年連続しての「世界幸福度ランキング」第1位である。(ちなみに日本は第47位である)その「世界幸福度ランキング」とは、どのようにして決められるのかちょっと調べてみた。それは次の6項目についてのランキングを総合したものであるという。
 ① 一人あたりの国内総生産(GDP)、② 社会的支援の仕組み、③ 健康寿命、④ 人生の選択の自由度、⑤ 他人への寛容さ、⑥ 腐敗認識度、の6項目である。
 これらの指標とは別に、OECDのPISA(学習到達度調査)でもフィンランドは第1位と教育も世界のトップ水準である。人口550万人と小さな国ではあるが、見習うべき点の多い国である。
 講師は最後に「フィンランドから学び、フィンランドに一番近い島 “北海道” として将来持続発展可能な新たな協力関係を作り上げていきたい」と述べられた。
 私とフィンランドとの関係は、笠間氏より22年前の1968(昭和43)年にわずか1週間であるが滞在した経験がある。その際の私の印象は、笠間氏と違い初めてのヨーロッパの国ということもあり、「明るくて幸せそうな国だなぁ」というものだった。実際には当時のソ連(現ロシア)を通過して入国したために、共産主義の国ソ連ということで緊張を解くことができない国の後だったこともあったのかもしれない。また、笠間氏の時とは違い、日本がまだ高度経済成長前だったということも影響したのかもしれないのだが…。
 私のフィンランドの首都ヘルシンキでの忘れえぬ思い出は、今も健在だというフィンランド最大のデパート「ストックマン」の前で鮮やかな黄色のケープを纏った二人の少女の姿だ。長く厳しい冬を経て陽光輝く6月の空の下で、その二人の少女の姿が飛び切りの笑顔で微笑んでいたのが鮮やかな記憶として残っている。
 僅か1週間の滞在だったが、鮮烈な思い出を刻ませてくれたフィンランドの国が今輝いているという。そうしたフィンランドと北海道は空路で結ばれ、“一番近い島” だという。フィンランドから多くのことを学んでもらいたい切に思っている。


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