雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

ただ過ぎに過ぐるもの

2014-06-06 11:00:35 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子 第二百四十二段  ただ過ぎに過ぐるもの

ただ過ぎに過ぐるもの。
帆かけたる舟。
人の齢。
春・夏・秋・冬。


どんどん過ぎていくもの。
追い風に帆を張った舟。
人の年齢。
春・夏・秋・冬。



ごく分かりやすいたとえが三つ並んでいます。
「ただ過ぎに過ぐるもの」という書き出しにしては、挙げられているものが簡単すぎる感じがします。
気の利いた逸話の一つや二つは簡単に並べられると思うのですが、さらりと誰でも思い浮かぶようなものを三つだけ並べたところに、少納言さまの私などでは及ばない計算があるのでしょうか。
コメント (2)
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