雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

短くてありぬべきもの

2014-07-04 11:00:33 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子 第二百十七段  短くてありぬべきもの

短くて、ありぬべきもの。
頓(トミ)のもの縫う糸。下種女の髪。人の女(ムスメ)の声。燈台。


短くても、その方が良いもの。
急ぎの仕立物を縫う糸。下働きの女の髪。ちゃんとした家の娘の声(言葉少ない方が奥ゆかしい)。燈台(燭台のことで、短い方が手元が明るい)。



前段の対照的なものとして挙げられています。
この中では、「人の女の声」の「人」というのが分かりにくいのですが、ちゃんとした、しっかりとした家庭を指すようです。
少納言さまは、「人」「よき人」「やむごとなき人」など、いろいろな使い分けをしていますが、当時の人はそれだけで家柄とか身分などが通じたのでしょうね。
コメント
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