雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

大きにてよきもの

2014-07-05 11:00:22 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子 第二百十六段  大きにてよきもの

大きにて、よきもの。
家。餌袋。ほうし。菓子(クダモノ)。
牛。松の木。硯の墨。
郎等(ヲノコ)の目の、細きは女びたり。また、鋺のやうならむも恐ろし。
火桶。酸漿。やまぶきの花。桜の花びら。


大きいのが、良いもの。
家。餌袋(エブクロ・本来は鷹の餌を入れる袋のことだが、人間用の菓子や食事などを入れた)。ほうし(「法師」とする説が有力のようであるが、餌袋と菓子の間に法師というのは、理解しにくい)。菓子。
牛。松の木。硯の墨。
従者の目が細いのは女のようだ。かといって、鋺(カナマリ・金属製のお椀)のようなのも恐ろしい。
火桶。ほおずき。やまぶきの花。桜の花びら。



再び「何々は」の登場です。
「家」が最初に挙がっています。小さな家より立派な御屋敷の方が良い、などといえば当然のようですが、六位の蔵人が少しばかり位階が上がったからといって、慌ててちまちまとした家など持つべきでないと述べていますので(第百七十段)、そういった感覚を言っていると思われます。

また、「郎党の目の・・・」の部分は、真剣に書いているのか、冗談が混じっているのか判別できないのですが、少納言さまがこの部分を書いている姿を想像すると笑ってしまいます。
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絢爛豪華 ・ 心の花園 ( 60 )

2014-07-05 08:00:22 | 心の花園
          心の花園 ( 60 )
               絢爛豪華

絢爛豪華な花といえば、見方や場所などの条件によって対象は変わってくるかもしれませんが、やはり、「コチョウラン」はその候補に入ってくる花ではないでしょうか。
心の花園にも、「コチョウラン」はいつでも咲いていますが、やはり、この花は鉢植えが似合い、晴れの場の装飾や贈り物に最も適しているといえましょう。
少々贅沢すぎて、その取り澄ましたような花姿に抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、白い花は豪華であっても清楚で、ピンクなどの色のあるものも他を寄せ付けないほどの冷たさなど感じられません。
それでもやはり、絢爛豪華と表現したくなるような威厳のある花であることも確かです。

「コチョウラン」は漢字書きすれば「胡蝶蘭」となりますが、それはまさに花の姿から来たものと考えられます。
ランの仲間の多くは熱帯性ですが、「コチョウラン」の原産地も熱帯アジアです。
ラン科の植物はとても種類が多いのですが、「コチョウラン」はその中のコチョウラン属に区分されます。ただ、「コチョウラン」の栽培の歴史は古く、同属の近縁種との交配などの改良が重ねられてきて、現在は実に様々な種類が栽培されるようになったようです。

「コチョウラン」の花言葉は、「あなたを愛します」「幸せが飛び込んできます」といった、とてもあたたかなものがあげられています。ギリシャ神話や花の姿から生まれたもののようです。
なかなか自分では買いにくい花ですが、どなたから頂く機会があれば、というより、何かの機会に大切な人に贈りたいものです。

     ☆   ☆   ☆

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