蒼井優がでていたから

蒼井優という女優の名前を知るようになったのは、
『花とアリス』を見てからだと思います。CMを
みても蒼井優の名が出てくるようになりました。

漫画の『ハチミツとクローバー』は読んだことは
ありませんが、蒼井優がでているというので、邦画
ながら見てみることにしました。

ストーリーはあまり期待するほどのこともないので
当初からどうでもよかったのですが、映画の中の
学生生活というのがやはり一番気になりました。
クリエーター系の学生が活躍していく過程というのは
普段あまり縁がないだけに、そのスター誕生物語や
青春物語も憧れを呼ぶものです。つまりは作りやすい
主題だと思いました。

ですが、漫画というとかなり漫画の世界観が出来上がっ
ているので作るほうも難しいし、受け取るほうも
漫画が好きなら好きなほど、作ってはもらいたくない
ものです。私の場合それがなかったので、ただ映画の
中の喫茶店や先生のうちとか寮の生活は憧れてしまい
ました。そんな仲間に囲まれて青春時代を送りたいと
思う人は多いのではないでしょうか。

ですから、見るのはロケはどこでやったのかとか、現実に
あの商店街やあの木造の一般家屋があるのかというのが
気になりました。あの作中の作品はどれも力不足です。
絵にしろ、彫刻にしろ森田を演じている役は一番芸術家
ぽっくないし、役者も面白くない感じ。さらに、竹本役が
一番重要でありながら、一番力なかったなあと思いました。

最後のほうの自分探しの旅の演出が、撮ってるほうも
やってる奴も自分探しなどしたことのないのがありありでした。
そんなに人生悩んだり考えたりして生きていないのもみえみえで
見せるべきものが違うという感じでした。それでもぎりぎり
加瀬亮、関めぐみのおかげで最後まで見れました。堺雅人も
篤姫以来注目の役者ですが、この映画でもいい味でした。

芸術家の世界としては、画家と画廊の関係とかスターの作られ
方は漫画的で、役者の演技と作品で芸術を感じさせてくれる
ものだと映画としても格調高くなったのではないかと思い、その点
のだめが成功した部分とこの映画が逃がした部分の差ではないと
かと思いました。