King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

espressivo 時の流れ

2008年10月26日 23時25分07秒 | 日々のこと
このタイトルでショパンを思いついた人は
名曲探偵を見ていますね。
というわけで、本日は私のピアノ感想です。
いつも聞いている、ピアニストが本日はショパン特集で
やると春から言っていて、どうやらこれが15回の記念すべき
コンサートで、初回のコンサートもショパンづくしだったので
クラシックの基本である、最初の主題に戻るということで
今回は、ショパンなんだそうです。

そういう意味では、事前の宣伝でも次はショパンですよ
いうのを各地で述べており、どんな曲をやるのかという
興味をそそるものがあり、得意の作曲家のようなことも
言うのでその曲目とピアノには大いに期待していました。

さらに、前回と今回の間にやった横瀬音楽祭での曲目など
からミーハー的な、誰もが知っているショパンの曲をとにかく
やるのだという予想を抱かせましたが、この日の演目は
えー、これはどういうこと。
という感じを受けました。

最初こそ、ノクターンという誰もが聞いたことのある
フレーズの曲でまあ、そうだろうなという始まりで途中に
超有名曲『マズルカ第34番』という、まずまずのショパンの
曲で可も不可もなくそうですかという感じに終わりました。

しかし、後半はずっとワルツを並べたのです。途中にそれこそ
誰もが知っている子犬のワルツもあったものの、これでは
ショパンのピアノに人々は何を感じるでしょうか。案の定、
前の席の小学生など、前半では痺れを切らして何度もうその
せきを繰り返して演奏をぶち壊してくれて、さらにこの後半では
静かに眠りについてしまいました。

そして、それでも最後は誰もが知っている英雄ポロネーズです。
これがなかったら、ああショパンを聞いたという気にならなかった
人は多かったはず。この曲も前回の横瀬音楽祭でやった曲で
したが、横瀬の時の曲は全てどこか音が落ちているようなこれは
いつも使っているピアノかというくらい音が悪かったのですが、
今回はすばらしい音でした。ショパン独特の意味を持たさせたよう
飛びぬけた一音が正に効果的に聞こえます。

前回二音ほどへたったところがあったピアノとは違い、実に
歌唱的に鳴らせるショパンの意図が繰り返し、表れる大波のような
階段音符の表情が、このポロネーズを際立たせたのではないかと
思います。このポロネーズも舞踏音楽でゆっくりと顔見世するような
行列舞踏の曲だといいます。他のポロネーズと同様、軍隊とか幻想
とか英雄という名前がついていますが、何度も聴いている曲なので
そうこのあとこうとか、ああこの次とかあの一度聞いたら忘れない
最初の主題が最後にまた現れるところには、一音一音を待ち受けるか
のような気持ちで聞いて今までで一番感動した曲になりました。

ロビーでは、彼の出したCDが飛ぶように売れ、お見送りに現れた
本人は、おばさんのアイドル状態で握手攻めになっていました。
今回もとてもよかったという一言もかけることなく、その場を後に
しました。
コメント
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