金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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194:柚木麻子『BUTTER』

2022-08-26 17:26:11 | 22 本の感想
柚木麻子『BUTTER』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

若くも美しくもない女が、男たちの金と命を奪った――。
殺人×グルメが濃厚に融合した、柚木麻子の新境地にして集大成。
各紙誌で大絶賛の渾身作がついに文庫化!!

男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された
梶井真奈子(カジマナ)。
若くも美しくもない彼女がなぜ──。
週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに
梶井の面会を取り付ける。
フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、
里佳に〈あること〉を命じる。
その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、
里佳の内面も外見も変貌し、
伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。
各紙誌絶賛の社会派長編。

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「木嶋佳苗をモデルにしてるのね~」
と思いながら読みはじめたが、
思った以上に、彼女やその関わった事件を
がっつり下敷きにしていた。
もちろんオリジナリティもしっかりあって楽しめる。
身体、ジェンダー、食事、仕事、家族……と
さまざまな要素に考えさせられる部分があって、
書き留めたい言葉がたくさん。

離婚して生活が荒れていく男性について、
「料理や掃除なんか、高レベルを目指さなければ
 誰だってある程度はできるだろうに」
と思っていたのだが、それをしない理由について
言及されていた。
納得はしないけれども、そういう人もいるのかもしれない。

料理や食事の描写も丹念で、
カロリーの高いおいしいものが食べたくなることうけあい。

コメント
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