金木犀、薔薇、白木蓮

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177:本郷和人『承久の乱 日本史のターニングポイント』

2022-08-05 21:02:01 | 22 本の感想
本郷和人『承久の乱 日本史のターニングポイント』
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

本当の天下分け目の戦いはこの合戦だ!
「東国の王」北条義時は、希代のカリスマ後鳥羽上皇に
なぜ勝てたのか。
六百五十年続く「武士の天下」を生み出した騒乱を、
鎌倉時代研究の第一人者が読み解く。

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読みやすくわかりやすいのはとてもいいのだけど、
「これ、論理的におかしくないか??」
という説明がいくつもあって、もやもや。

たとえば、
「『後鳥羽院は義時追討を命じたのだから、
 義時の排除だけが目的で鎌倉幕府の存在そのものを
 否定したのではない』という説があるが、
 義時の排除=倒幕である」
という筆者の主張について。

①当時、「幕府」という言葉はなく、
 統治の主体と考えられていたのは
 あくまでも最高指導者とそれを支持する人
→わかる

②(①の例として)
 以仁王の令旨は「清盛法師ならびに従類の叛逆の輩」、
 後醍醐天皇の倒幕の命令は「平時政の子孫」が
 倒すべき相手と記されている
→??? 
 この二つの例、討つべき相手を最高指導者だけじゃなく
 複数で記してるんだから、義時個人を名指しした場合と
 違わない??
 むしろ「義時個人の排除を目指した」説を裏付けそう。

もう一つ。
「北条氏はどんなに出世しても四位どまり。
 トップである北条氏がそうなのだから、
 他の御家人も最高で四位まで。
 望めばいくらでも高い位につくことは可能だったが、
 明確な意志のもとにそうした。
 義時は官位という朝廷の序列の外側に、
 自分たち武士を置こうとした」
という主張。

→これはあきらかに論理が破綻してないか?
公卿にならなかったとしても、官位をもらった時点で
序列に組み込まれてるよ。
官位を辞退したならともかく。

上記以外にも、論理の飛躍・破綻を感じる点があって、
納得できないことだらけ。
Kindle unlimitedではなく、購入して読んでいたら
かなり腹が立ったと思う。



コメント
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