子供にはあまりしがらみというものがないものである。当時自分は近所の子供達にくっついていっては、よくその子の家にあがりこんで遊んでいた。おおらかな時代だったろうが、昼間はたいていの家の門戸はあけてあり、鍵のかかっている家は余り多くはなかったと記憶している。あの「ノーナン火傷」(脳軟化症)の息子さんの家にも時々出入りして遊んだ記憶がある。しかしさすがにお父さんの具合が悪くなってからは上がりこんだことはなかった。子供心に家人がいない時、その子と一緒に上がりこむのが暗黙のルールだったような気がする。しかし以降、小学校の高学年になって自分は転校したので近所の子供達と遊ぶ機会はなくなった。