世間一般での医学常識と、我々医療従事者が患者さんに期待する医学常識とでは時々ズレがある。例えば風邪をひいて咳が止まらない患者さんに「煙草は吸ってますか?」と聴くと「ハイ吸ってます」と返事されることがある。「煙草は気道を刺激しますので、咳はおさまらないですよ」というと、「え~、そうだったんですか」と初めて聞いたような反応をされることもある。また膝が痛む患者さんで肥満体の方に「体重減らさないと膝の負担はとれないですよ」というと「えっ、体重が関係するのですか?」と聞き返されるときがある。これは当然と思っている知識が、患者さんにとっては常識ではなかったことになる。