風評被害という言葉がある。噂が噂を呼び、尾ひれがつき葉ひれがついて、当初の事実から全くかけ離れて広まってしまうことである。この末端まで広がった噂は事実無根ではあるがその伝播力と妄信性はかなり強力で否定したとしてもほとんどその噂を覆すことはできない。この多くの人間を介した非生産的なリンクは事実無根であればあるほど人の心に強力に刻まれるようである。とにかく医療機関も含めた各種の業界にとっては顧客からの評判が一番怖い。もちろんいい噂ならよいが一度悪い(しかも事実無根の)噂でもたったら大打撃となる。おそらく噂の出所は現場におけるささいなトラブルによるものなのであろう。顧客(医療機関では患者さん)すべてに対して、一人たりとも説明不足があったらその人が風評の出所となる可能性がある。そうなのである、たった一人にでも気が抜けない。100人の人が喜んで帰宅しても、たった一人が不満に思ってそれを誰かに告げたらそれが大きく広がる可能性があるのだ。幸いうちにはまだないが、今後も気を引き締める必要がある。