吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

どっちが危険? その3

2014年08月08日 05時33分59秒 | インポート

    動物実験を用いた研究であれば、母集団となる数を最初からそろえることは可能である。しかしこのような累積数を比較した統計では、最初から母集団を同じ数にそろえることは不可能である。そのためこのような場合はいろいろな検定方法があり、ある種の解析方法用いて母集団数の異なる2群の比較をするのである。そこまでしないと41%のほうが高いからこちらが危険であるという科学的ではない結論がつけられてしまうのである。まあここで科学的とはいったが、とりあえず統計学も確率であるので100%はあり得ない。そこで有意差を言い切るために危険率1%未満という壁を設けている。つまり確実な部分が99%以上あればそれを有意としている。「何だ『100%絶対』ではないのか」と思われるかもしれないが、ただ単に実数のみを比較してどちらが危険であると言い切っているTVの報道よりははるかに信用できる。報道番組もただ字面の数値の比較のみではなくきちんと統計処理をしてからモノを言ってほしいものである。<o:p></o:p>