例えば、A>Bをある実験で証明したとする。次に同様にB>Cも証明したとする。しかしここで「だからA>Cである」と短絡的に結論付けることはできない。これを証明するにはAとCの2群間での実験を行って、それを証明する必要がある。今回の川での死亡41%、海での死亡38%は絶対数をみれば川での死亡の方が多い(のは事実であろう)。しかし2群の数値を比べるには、それぞれ川や海に行った人数(母集団)が同じでないと単純比較はできないのである。極端な例であるが、川に行った人が10万人としうち死亡者数が30人、そして海に行った人が100人で死亡者が20人としよう字面上では川での死亡者数のほうが多いため、この報道番組では「川は危険」となる。しかしすでにお分かりのように死亡割合は川(30人/10万人)と海(20人/100人)であり、海の方が死亡する確率は高く危険なのは海の方なのである。つまりただ絶対数だけを比較しても、もととなる母集団の数が同じではないとそこからどちらが危険かどうかの結論には到達しないのである。<o:p></o:p>