さて健診をしていると落ち着きがない子や暴れる子や、あるいは逆に変に大人びて聞き分けのいい子もいて様々である。自分の昔はどうかといえば、今考えると、う~ん、どうしたって落ち着きがなく可愛げはなかったはずである。たぶん大人たちからは内心、嫌がられたはずであろう。診察中テレテレ、チャラチャラされたら診察にならない。医者も大人数を診察するのだからサッサとすませたい。手間暇かかる生徒にはイライラするはずである。自分が健診をするようになってはじめて向こう側にいる生徒に数十年前の自分を照らし合わせてつくづく実感した。それにしても昔の教師の一喝は効き目があった。自分もよく怒鳴られたし、よく殴られた。最近では効き目どころかほとんど一喝すらしないようである。「やはり大人はすごい」という畏敬の念というものは、精神構造の未熟な幼い学童では優しくしてもなかなか定着しない。体罰までとはいわないが一喝することも必要と思う。