吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

どっちが危険? その1

2014年08月06日 05時45分15秒 | インポート

    先日、あるキャンプ場に車で来た家族が、増水した川で流され死亡したという事故が報道された。誠に痛ましい事故である。その報道番組では番組内で去年の水難事故の統計データが示された。それは川での死亡事故が41%で、海での死亡事故が38%(細かい数値はうろ覚えであるが)と示し「川の方が危険である」といっていた。確かに死亡事故数からいえば川での数の方が多いのかもしれない。しかしそれだから「川の方が危険」であるという根拠は統計学から言って正しいものではない。そこまで科学的な解析をしろとはいわないが、「数が多いと危険である」という仮説をまず証明しなければ言い切れるものではない。大学時代の論文作成でもずいぶんこのような場合での論旨の展開に苦労したものである。このような行政統計数値の字面だけを比較して結論付ける報道番組はちょっと胡散臭く感じる。<o:p></o:p>