吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

リオ オリンピック 続きの5

2016年08月27日 05時54分40秒 | 日記
 ガッツポーズをするのは論外である。負けた相手に対して「いたわり」の表現ではない。相撲も柔道も剣道もすべて、格闘技でありその原点は「果し合い」なのである。敗者を「死者」として捉えるなら、目の前の自分が倒した死者の前でガッツポーズをして自身の喜びを現すのは、相手(死者)に対する尊敬やいたわりの念のかけらもないことになる。
柔道はスポーツ化し世界に普及したものの、精神性や理念がなくなってきた。いや妙に捻じ曲げられて普及してしまった。むかし、東京オリンピックでオランダのヘーシンクが日本の神永選手から一本を取った時、嬉しさのあまり試合場に入ろうとしてきたオランダ人の関係者を手で制し「入ってくるな」と止めた。彼は、そこが二人の「果し合いの神聖な場」であると理解していたし、まだ礼も終わっていない段階でもあったため局外者の闖入を拒んだのである。彼は外国人ながら格闘技の理念を理解していた。まあ半世紀以上も前の話である。