夕食を済ませ、アイス・コーヒーなど飲みながら、ざっと目を通しておいた夕刊の再読をはじめたときです。
突然、目の前が真っ暗になりました。ついていたテレビも消えてすべてが闇の中です。
あらあら、停電なんて珍しいことだと思って窓から外を見て慌てました。
停電ではありません。真っ暗なのは我が家のみで、あちこちの家々は煌々と電灯が点いているのです。
ようするに、我が家のブレーカーが落ちたのです。
慌てて立ち上がった拍子に、アイス・コーヒーをひっくり返しました。
雑巾、雑巾といったところで、その在処も分かりません。
とにかくあり合わせのもので適当に始末をして、ブレーカーのボックスに向かいました。
メインのスイッチをオンにしてもダメです。
いろいろいじっていてもラチがあきません。
中部電力へ電話をすることにしました。
これが一苦労。
電話帳は何とか探り当てたのですが、字が読めません。
ガレージへ行き、車のエンジンをかけ、ライトを付けました。
そこへ電話帳を突き付けるようにして番号を読み取りました。
電話をします。担当の人が出てきます。
携帯でその指示に従いながら操作を行います。
12個あるサブのスイッチをすべてOFFにしてからメインをONにし、しかる後にサブをひとつずつONにしてゆきます。
ようするに、どの機器、ないしは回線が原因かの犯人捜しです。
こう書くと簡単そうですが、携帯片手に、ほとんど手探り状態でこれらの操作を行うのはなかなか大変です。
やっと犯人への手がかりを突き止めました。
六個が二列に並んだサブスイッチの下の列の左から三番目です。
そこにはなんの表示もありません。
ですから、それが何かはひとつひとつの電化製品に当たってみるほかないのです。
TVはOK、電子レンジもOKといった具合に実物に当たっての点検です。
分かりました、犯人は冷蔵庫でした。
といっても、まだそう決めつけるわけにはゆきません。
冷蔵庫への配線が問題なのか、冷蔵庫自体が問題かを確かめねばなりません。
延長コードを持ってきて、別のコンセントから冷蔵庫へ繋ぎました。
やはりとびます。
ここで犯人は確定です。
次は対策です。
ったって、なにもありません。
中部電力はそこまで面倒は見てくれません。
そこから先は、メーカーかディーラーの分野です。
しかし、いろいろもたついていたこともあって、もはや10時近くなっています。
念のため、ディーラーへ電話したのですがやはり繋がりません。
結論として、明日まで待つ以外なさそうです。
明日になったからといって即解決というわけにはゆかないでしょう。
ああ、どれだけの食品が助かり、どれだけのものが憤死するのでしょうか。
もはや、文明の利器にすっかり頼り切った私たちの生活、その生活に反省を促し、その利便性がなにがしかの理由で覆るとき、まさに私たちの生活の一寸先は闇であるという事実を知らしめるために、時折こうしたアクシデントが襲うのでしょうか。
電気や水などいわゆるインフラは、あって当然のごとく思われています。
しかし、これとて、整備されたのはそれほど前ではありません。
戦争はこれらをズタズタにし、何日も電気や水のない日がありました。
また、私の父の故郷のような山村では、電気が来たのは1950年前後でした。
世界の貧困地帯でも、それらはまだまだ整備されてはいません。
されてはいても、今なお続く戦火の中で、日々損傷を受けているところもあります。
また、十分整備されていながら、それを利用できない貧困層もいます。
前世紀末以来、世界の各地で燻っている問題に、水道の民営化というものがあります。
フランスやイギリスの巨大企業が、世界市場を対象とし、その推進を図っています。まさに、ウオーター・ビジネスです。
日本でも、水道の民営化は検討の対象とされています。
たかがブレーカーがとんだという話からまさにとんでもない話になりましたが、ことほどさように、世の中の一寸先は、そして私たちの一寸先も闇だということなのです。
突然、目の前が真っ暗になりました。ついていたテレビも消えてすべてが闇の中です。
あらあら、停電なんて珍しいことだと思って窓から外を見て慌てました。
停電ではありません。真っ暗なのは我が家のみで、あちこちの家々は煌々と電灯が点いているのです。
ようするに、我が家のブレーカーが落ちたのです。
慌てて立ち上がった拍子に、アイス・コーヒーをひっくり返しました。
雑巾、雑巾といったところで、その在処も分かりません。
とにかくあり合わせのもので適当に始末をして、ブレーカーのボックスに向かいました。
メインのスイッチをオンにしてもダメです。
いろいろいじっていてもラチがあきません。
中部電力へ電話をすることにしました。
これが一苦労。
電話帳は何とか探り当てたのですが、字が読めません。
ガレージへ行き、車のエンジンをかけ、ライトを付けました。
そこへ電話帳を突き付けるようにして番号を読み取りました。
電話をします。担当の人が出てきます。
携帯でその指示に従いながら操作を行います。
12個あるサブのスイッチをすべてOFFにしてからメインをONにし、しかる後にサブをひとつずつONにしてゆきます。
ようするに、どの機器、ないしは回線が原因かの犯人捜しです。
こう書くと簡単そうですが、携帯片手に、ほとんど手探り状態でこれらの操作を行うのはなかなか大変です。
やっと犯人への手がかりを突き止めました。
六個が二列に並んだサブスイッチの下の列の左から三番目です。
そこにはなんの表示もありません。
ですから、それが何かはひとつひとつの電化製品に当たってみるほかないのです。
TVはOK、電子レンジもOKといった具合に実物に当たっての点検です。
分かりました、犯人は冷蔵庫でした。
といっても、まだそう決めつけるわけにはゆきません。
冷蔵庫への配線が問題なのか、冷蔵庫自体が問題かを確かめねばなりません。
延長コードを持ってきて、別のコンセントから冷蔵庫へ繋ぎました。
やはりとびます。
ここで犯人は確定です。
次は対策です。
ったって、なにもありません。
中部電力はそこまで面倒は見てくれません。
そこから先は、メーカーかディーラーの分野です。
しかし、いろいろもたついていたこともあって、もはや10時近くなっています。
念のため、ディーラーへ電話したのですがやはり繋がりません。
結論として、明日まで待つ以外なさそうです。
明日になったからといって即解決というわけにはゆかないでしょう。
ああ、どれだけの食品が助かり、どれだけのものが憤死するのでしょうか。
もはや、文明の利器にすっかり頼り切った私たちの生活、その生活に反省を促し、その利便性がなにがしかの理由で覆るとき、まさに私たちの生活の一寸先は闇であるという事実を知らしめるために、時折こうしたアクシデントが襲うのでしょうか。
電気や水などいわゆるインフラは、あって当然のごとく思われています。
しかし、これとて、整備されたのはそれほど前ではありません。
戦争はこれらをズタズタにし、何日も電気や水のない日がありました。
また、私の父の故郷のような山村では、電気が来たのは1950年前後でした。
世界の貧困地帯でも、それらはまだまだ整備されてはいません。
されてはいても、今なお続く戦火の中で、日々損傷を受けているところもあります。
また、十分整備されていながら、それを利用できない貧困層もいます。
前世紀末以来、世界の各地で燻っている問題に、水道の民営化というものがあります。
フランスやイギリスの巨大企業が、世界市場を対象とし、その推進を図っています。まさに、ウオーター・ビジネスです。
日本でも、水道の民営化は検討の対象とされています。
たかがブレーカーがとんだという話からまさにとんでもない話になりましたが、ことほどさように、世の中の一寸先は、そして私たちの一寸先も闇だということなのです。