昨日の午後は、電話のベルが鳴る度に社内が緊張した。
台風のため、雨漏りの報告が無いとも限らないからだ。
自分が担当した建物に漏水が起こったら、直ちに対策を取らねばならなかった。そんな訳で電話が鳴る度に、一瞬緊張の空気が走ったのである。
そんな中、私が電話を取ると名前も名乗らず、「男の人が誰か居ますか?」という、間の抜けた電話が入った。
よく高利貸し関係でいきなり「社長居ますか」という電話は入るものだが、「男の人が誰か居ますか」という電話はかなり珍しい。
「失礼ですが、どちら様でしょうか?」と言うと、「野口(仮名)です」という答えが返ってきた。
この野口(仮名)さんは社内でも有名なお人であった。
私が入社する遥か昔に、この方の邸宅を我が社で建築したのであるが、ある事無い事いちゃもんをつけてきて、あれこれ直させるらしい。それで金を払う段になると、言いがかりをつけたり逃げ回ったりして、トンズラするらしい。
そんな事が数回繰り返されて数百万損してから、社長が相手にしなくなったそうだ。(営業Aさんの談)
どうしてもしつこくて堪らない時は、誰かが建物を見に行くのだが、もうお金が貰えない事は判っているから、業者を呼んで直すと言う事はできない。そんな訳でのらりくらりと時は流れた。
野口さんも、雰囲気的に無視されっぽいのは悟っていて、電話を掛けては、対応する者に「アンタ誰?」(←原文のまま)と名前を名乗らせ、『何月何日何時に担当の誰其れからこのような対応をされた』と毎回メモにまで残す執念を持っている。
しかし、このような怖い電話も季節の変わり目が多く、ある時期を過ぎるとさっぱり来なくなるのだ。そして、またある時期になると、毎日のようにこの類の電話が掛かって来る。それを何年間も繰り返している。
この鬱陶しい時期に、このような電話がこれから2~3週間続くのかなぁ~と思うと、ますますウンザリする。
電話を替わった営業Aさんは、「それでは、担当の者を調べて電話させるように伝えます」とのらりくらり交わしていた。担当の者とはNobodyである事は、誰よりもAさんが知っていた。
「ハイ、営業Aと申します」と最後にAさんは名乗っていた。
今でも「アンタ誰?」は不滅であるらしかった。
台風のため、雨漏りの報告が無いとも限らないからだ。
自分が担当した建物に漏水が起こったら、直ちに対策を取らねばならなかった。そんな訳で電話が鳴る度に、一瞬緊張の空気が走ったのである。
そんな中、私が電話を取ると名前も名乗らず、「男の人が誰か居ますか?」という、間の抜けた電話が入った。
よく高利貸し関係でいきなり「社長居ますか」という電話は入るものだが、「男の人が誰か居ますか」という電話はかなり珍しい。
「失礼ですが、どちら様でしょうか?」と言うと、「野口(仮名)です」という答えが返ってきた。
この野口(仮名)さんは社内でも有名なお人であった。
私が入社する遥か昔に、この方の邸宅を我が社で建築したのであるが、ある事無い事いちゃもんをつけてきて、あれこれ直させるらしい。それで金を払う段になると、言いがかりをつけたり逃げ回ったりして、トンズラするらしい。
そんな事が数回繰り返されて数百万損してから、社長が相手にしなくなったそうだ。(営業Aさんの談)
どうしてもしつこくて堪らない時は、誰かが建物を見に行くのだが、もうお金が貰えない事は判っているから、業者を呼んで直すと言う事はできない。そんな訳でのらりくらりと時は流れた。
野口さんも、雰囲気的に無視されっぽいのは悟っていて、電話を掛けては、対応する者に「アンタ誰?」(←原文のまま)と名前を名乗らせ、『何月何日何時に担当の誰其れからこのような対応をされた』と毎回メモにまで残す執念を持っている。
しかし、このような怖い電話も季節の変わり目が多く、ある時期を過ぎるとさっぱり来なくなるのだ。そして、またある時期になると、毎日のようにこの類の電話が掛かって来る。それを何年間も繰り返している。
この鬱陶しい時期に、このような電話がこれから2~3週間続くのかなぁ~と思うと、ますますウンザリする。
電話を替わった営業Aさんは、「それでは、担当の者を調べて電話させるように伝えます」とのらりくらり交わしていた。担当の者とはNobodyである事は、誰よりもAさんが知っていた。
「ハイ、営業Aと申します」と最後にAさんは名乗っていた。
今でも「アンタ誰?」は不滅であるらしかった。