掃除ついでにkekeさんの鞄をあさっていたら、運動会のプログラムが出てきた。
「kekeさんは運動会でどの種目に出るの?」と尋ねても、とうとう最後まで口を割らなかった。そのくせ、「運動会じゃなくて体育祭!」と怒られた。
楽しみにしていたその体育祭である。
出る種目が判らないので、2年生の競技は全て注意が必要である。
走って競い合うような競技にあの子が出るとは思えないが、ついつい覗いてしまう。やっぱり居ないようだ。
と、ぼんやり遠くの生徒席を見ると、あの子らしき姿を発見する。
同じ色のハチマキで同じ体操着、微かに見えるクラスのゼッケン。普通だったら判らないはずなのに、自分の子はこんな米粒の大きさでも判ってしまう。
他の子達は次の競技の準備で入場門に集まっていたり、係りの仕事をこなしているのに、のんびり友達3人で競技は他人事でしゃべくっている。
まるであれは中学時代の自分の姿そっくりだった。(だから分かったのかも)
幾つかの競技が終わった後も、あの3人は(たぶん)しゃべくり続け、やがてあの3人がこぞって入場門付近に移動するのが見えた。
(ふんふん、この次の競技に出るんだな)と思い、自分も入場門付近に移動。
なぜなら、写真を撮るためだ。
もう正月以来、子供の写真を撮っていない。カメラを向けると怒り出すからだ。したがってこの前元義母に送った写真も正月と2年前の写真になってしまった。今回は待ちに待ったシャッターチャンスだったのである。
小学校の運動会は、生徒席の後ろや入場門付近で我が子の姿を写真におさめる父兄が大勢居たものだが、中学校の運動会では、そういう姿は見られない。
お父さんが競技中の子供の姿をビデオやカメラに収め、お母さんは学校や子供の話をべちゃくちゃしながら子供を応援している。
そんな中で入場門で我が子の写真を取ろうと大胆な作戦に出たのである。
しかし、本当に誰も写真なんぞ撮っていない。。
どうしようどうしようと思っているうちにkekeさんに気付かれてしまった。
kekeさんはクルンとこちらには背中を向け、不自然な体勢ながら、決して写真に写るまいとしていた。くそ~
その時同じように入場門で我が子の姿を見送っているお母さんが、もう一人居た。M君のお母さんだった。
M君は、kekeさんが転校して最初に家に遊びに来た。低学年で携帯を既に持っているのが気になったが、しっかり挨拶のできるいい子だと言う印象を持った。
やがて数ヵ月後、kekeさんからM君がいじめると言う話を聞いた。M君に限ってまさか違うだろう、と思った。しかし何度か言われたので、他のお母さんから情報を集めた。M君は学年でも有名ないじめっ子であった。親先生の前と、子供だけの前では態度が違うことでも有名であった。M君のお母さんは行事や保護者会には全く来ず、苦情を入れても「うちの子に限ってそんな事は無い」と言うばかりだと言う噂であった。
それでは、相手に言ってもしょうがないな~と思った。
5年生の時の運動会の帰りに、たまたまM君がお母さんと一緒に帰って行く姿を見た。(M君のお母さん、この運動会には来ていたんだ)M君もとても嬉しそうだった。
それからも、学校行事のあるたびにM君のお母さんを見かけるようになった。
同じように入場門で我が子の姿を見守っているのがM君のお母さんだと判った時に、(親心って同じなんだな)と思った。
そう言えば、今ではM君の悪い噂は聞かなくなっていた。
この体育祭でも、長距離走を頑張って走っているM君の姿が印象的だった。
「kekeさんは運動会でどの種目に出るの?」と尋ねても、とうとう最後まで口を割らなかった。そのくせ、「運動会じゃなくて体育祭!」と怒られた。
楽しみにしていたその体育祭である。
出る種目が判らないので、2年生の競技は全て注意が必要である。
走って競い合うような競技にあの子が出るとは思えないが、ついつい覗いてしまう。やっぱり居ないようだ。
と、ぼんやり遠くの生徒席を見ると、あの子らしき姿を発見する。
同じ色のハチマキで同じ体操着、微かに見えるクラスのゼッケン。普通だったら判らないはずなのに、自分の子はこんな米粒の大きさでも判ってしまう。
他の子達は次の競技の準備で入場門に集まっていたり、係りの仕事をこなしているのに、のんびり友達3人で競技は他人事でしゃべくっている。
まるであれは中学時代の自分の姿そっくりだった。(だから分かったのかも)
幾つかの競技が終わった後も、あの3人は(たぶん)しゃべくり続け、やがてあの3人がこぞって入場門付近に移動するのが見えた。
(ふんふん、この次の競技に出るんだな)と思い、自分も入場門付近に移動。
なぜなら、写真を撮るためだ。
もう正月以来、子供の写真を撮っていない。カメラを向けると怒り出すからだ。したがってこの前元義母に送った写真も正月と2年前の写真になってしまった。今回は待ちに待ったシャッターチャンスだったのである。
小学校の運動会は、生徒席の後ろや入場門付近で我が子の姿を写真におさめる父兄が大勢居たものだが、中学校の運動会では、そういう姿は見られない。
お父さんが競技中の子供の姿をビデオやカメラに収め、お母さんは学校や子供の話をべちゃくちゃしながら子供を応援している。
そんな中で入場門で我が子の写真を取ろうと大胆な作戦に出たのである。
しかし、本当に誰も写真なんぞ撮っていない。。
どうしようどうしようと思っているうちにkekeさんに気付かれてしまった。
kekeさんはクルンとこちらには背中を向け、不自然な体勢ながら、決して写真に写るまいとしていた。くそ~
その時同じように入場門で我が子の姿を見送っているお母さんが、もう一人居た。M君のお母さんだった。
M君は、kekeさんが転校して最初に家に遊びに来た。低学年で携帯を既に持っているのが気になったが、しっかり挨拶のできるいい子だと言う印象を持った。
やがて数ヵ月後、kekeさんからM君がいじめると言う話を聞いた。M君に限ってまさか違うだろう、と思った。しかし何度か言われたので、他のお母さんから情報を集めた。M君は学年でも有名ないじめっ子であった。親先生の前と、子供だけの前では態度が違うことでも有名であった。M君のお母さんは行事や保護者会には全く来ず、苦情を入れても「うちの子に限ってそんな事は無い」と言うばかりだと言う噂であった。
それでは、相手に言ってもしょうがないな~と思った。
5年生の時の運動会の帰りに、たまたまM君がお母さんと一緒に帰って行く姿を見た。(M君のお母さん、この運動会には来ていたんだ)M君もとても嬉しそうだった。
それからも、学校行事のあるたびにM君のお母さんを見かけるようになった。
同じように入場門で我が子の姿を見守っているのがM君のお母さんだと判った時に、(親心って同じなんだな)と思った。
そう言えば、今ではM君の悪い噂は聞かなくなっていた。
この体育祭でも、長距離走を頑張って走っているM君の姿が印象的だった。