父の病院で今日は「お歌の会」と言うのがあるらしかった。
どこでやっているのか尋ねてみると、「お父様はいつものホールにいますよ。」と言う話である。
お歌の会も全員が参加するわけではないようだ。
父の居るホールでは、そこらを右往左往する老人や、ボンヤリ口をあけたまま上を見ている老人、看護士さんに食べさせてもらっているほとんど寝たきりのような老人など、いつもの風景である。
その中でやたら怒っているじいさんがいる。
この人はいつもあちこち歩き回っているだけのじいさんなのだが、今日はなぜか怒って叫んでいる。
よぉ分からん。
父は連れられてトイレに行っているらしい。
やってくると「sakeだよ」と言ってみた。
「おぉ」と言う。
今日は眠い眠いと言い、話はイマイチ盛り上がらない。
kekeの年とか、学校とか、いつものように話を繰り返す。
と思ったら、あのおばあさんがよその所からやってきた。
父を「歌の神様」「歌の先生」と呼んでいるおばあさんである。
「今日はいろんな歌の歌詞プリントをもらった」と言う。
お歌の会から戻ってきたようだ。
「この歌、大好きなんですよ。【上を向いて歩こう】」
と言うと、父はジュークボックスのように♪上を向いて歩こぉぉぉ♪と歌いだす。
「ほら!やっぱり歌の神様は何も見なくても歌えるんだから!」と言い、また二人で歌いだす。
♪幸せは雲の上に
♪幸せは空の上に
次のプリントは「東京音頭」である。
大きな字で縦書きで歌詞が書かれている。
また父は♪スチャチャカチャンチャン、と言い出して
♪踊る踊るなぁか、チョイト東京音頭、ヨイヨイ♪と歌いだす。
「この紙、教科書みたい!」とおばあさんは喜んでいる。
大正生まれの彼女は、小学校は2年しか行ってないと言う。
漢字はあまり読めないけれど、この紙を見ると歌詞が分かるからここの漢字は読めます、と言う。
それは本当に幸せなことだ、と言う。
「歌はいいですよ。悲しい時も歌を歌えば元気になりますから。」
「ほんとうに歌はいいですね。」
と二人は言う。
ラジカセから音楽が流れてくる。
また二人は音楽に合わせて歌う。
♪花も嵐も踏み越えて~♪と言う歌である。
私はこの歌は知らん。
「待てばくるくる愛染カツラ」の「愛染カツラとは何ですか?」と尋ねると、「愛染カツラは愛染カツラよ?」と言う返事が返ってくる。
かつらの一種かと思いきや、どうやら映画のタイトルらしい。
地下街の暗い酒場のようなレトロ感。
レコードって言うか、蓄音機と言う感じ。
でも、昭和の香りにそそられる。
昔はセロハンみたいな色のレコードが本や雑誌のオマケみたいな感じでよくついてきていた。
あれはあれで、なかなかよかった(^^♪
どこでやっているのか尋ねてみると、「お父様はいつものホールにいますよ。」と言う話である。
お歌の会も全員が参加するわけではないようだ。
父の居るホールでは、そこらを右往左往する老人や、ボンヤリ口をあけたまま上を見ている老人、看護士さんに食べさせてもらっているほとんど寝たきりのような老人など、いつもの風景である。
その中でやたら怒っているじいさんがいる。
この人はいつもあちこち歩き回っているだけのじいさんなのだが、今日はなぜか怒って叫んでいる。
よぉ分からん。
父は連れられてトイレに行っているらしい。
やってくると「sakeだよ」と言ってみた。
「おぉ」と言う。
今日は眠い眠いと言い、話はイマイチ盛り上がらない。
kekeの年とか、学校とか、いつものように話を繰り返す。
と思ったら、あのおばあさんがよその所からやってきた。
父を「歌の神様」「歌の先生」と呼んでいるおばあさんである。
「今日はいろんな歌の歌詞プリントをもらった」と言う。
お歌の会から戻ってきたようだ。
「この歌、大好きなんですよ。【上を向いて歩こう】」
と言うと、父はジュークボックスのように♪上を向いて歩こぉぉぉ♪と歌いだす。
「ほら!やっぱり歌の神様は何も見なくても歌えるんだから!」と言い、また二人で歌いだす。
♪幸せは雲の上に
♪幸せは空の上に
次のプリントは「東京音頭」である。
大きな字で縦書きで歌詞が書かれている。
また父は♪スチャチャカチャンチャン、と言い出して
♪踊る踊るなぁか、チョイト東京音頭、ヨイヨイ♪と歌いだす。
「この紙、教科書みたい!」とおばあさんは喜んでいる。
大正生まれの彼女は、小学校は2年しか行ってないと言う。
漢字はあまり読めないけれど、この紙を見ると歌詞が分かるからここの漢字は読めます、と言う。
それは本当に幸せなことだ、と言う。
「歌はいいですよ。悲しい時も歌を歌えば元気になりますから。」
「ほんとうに歌はいいですね。」
と二人は言う。
ラジカセから音楽が流れてくる。
また二人は音楽に合わせて歌う。
♪花も嵐も踏み越えて~♪と言う歌である。
私はこの歌は知らん。
「待てばくるくる愛染カツラ」の「愛染カツラとは何ですか?」と尋ねると、「愛染カツラは愛染カツラよ?」と言う返事が返ってくる。
かつらの一種かと思いきや、どうやら映画のタイトルらしい。
地下街の暗い酒場のようなレトロ感。
レコードって言うか、蓄音機と言う感じ。
でも、昭和の香りにそそられる。
昔はセロハンみたいな色のレコードが本や雑誌のオマケみたいな感じでよくついてきていた。
あれはあれで、なかなかよかった(^^♪